有機食品・オーガニック食品とは。本当に優れたものなのか?

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有機食品,オーガニック食品

最近はやりの有機食品。
オーガニック食品と言った方が通りが良いでしょうか。
オーガニックフーズとも言われますが、有機食品は「organic foods」の和訳です。

何となく体に良いイメージのこの有機食品。
でも、定義があいまいだったりしませんか?

「健康食品」や「自然食品」が何となく良いイメージがあるように、この「有機食品」もイメージ先行で言葉が独り歩きしている感が否めません。

というわけで、今日は有機食品(オーガニック食品)について考えてみましょう。

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有機/オーガニックの意味を考えよう

小難しい話は早々に切り上げますが、「有機」は「無機」と対をなす生物に関連していることを表す自然科学用語です。
端的に言うと、「有機体」は生物を指し、「有機物」は有機体を構成する物質、あるいは有機体が生産する物質を指します。

ところで、人が日頃から食品としているものは、そのほとんどが元をたどれば動物や植物だということにお気づきでしょうか。
ちなみに昨夜の夕食を考えてみてもそうではありませんか?

仮に夕べの献立がトンカツとお味噌汁とご飯だったとしましょう。
メインのトンカツは豚肉と小麦粉とパン粉と卵、これに塩(後述)・胡椒といったところでしょうか。
塩を除くすべてが元をたどれば動植物です。付け合わせのキャベツも然り。

お味噌汁だってそうでしょう。
味噌の原料も塩以外は植物です。みそ汁の具にしたって基本的に植物が多いでしょう。例えば豚汁だったら豚肉が入って動植物となります。
主食のご飯も言うまでもなく植物です。

ということは… 全てが有機体もしくは有機物。

そうなんです、多くの食品が生物そのものや生物によって生産された物質なので、食品全般がそもそも「有機食品」なんです。
水や塩は食品とは言いませんが、あえてそのように分類させてもらえば、上記の献立で、強いて「無機食品」を挙げるなら、水と塩ということになります。

こう考えると、今さらなぜ「有機食品=オーガニック食品」がもてはやされるのか分からなくなりますよね。
だってほとんどの食品が最初から「有機食品」なのですから。

恐らくは、こういった本来の意味の「有機」とは別の意味合いで使われているということになりそうです。

有機食品は科学とは無縁の造語

そうなんです、有機食品という言葉は科学とは無縁のところで生まれた新種の造語なんです。

「有機的に栽培された食品」

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これを短くしたのが「有機食品」です。
化学肥料や農薬を使わない古典的な農業への回帰ということで、1940年頃から使われ始めた言葉です。

初期の頃は、「無農薬・有機物肥料」で栽培された農産物に対して用いられた言葉でした。
その後、成長促進剤や抗生物質を使わずに飼育した肉や卵、牛乳などの畜産物、保存料や着色料などの食品添加物を使わずに製造した加工食品へとその範囲は広がり、今日に至ります。

要は、化学的な要素を排除して有機で育てた農産物、あるいは自然に飼育した畜産物、そういったものが有機食品というわけですね、

しかし、現在でもなお、有機食品に明確な定義は存在しないし、食物学領域の専用用語にも有機食品というものはありません。
ただ、一般的な解釈として、農薬・化学肥料・ホルモン類・抗生物質などを与えずに育てた農産物や畜産物というのがもっぱらの有機食品の定義のようです。

有機食品の価値の見出し方

以上のように、生産過程で、化学的悪影響(があるとしたら、それら)を排除したものが有機食品(オーガニック食品)ということが分かりました。

それだけでも健康志向の高い人には魅力的なのかもしれませんが、こと栄養的価値という観点においては、有機食品が通常の食品より優れているということは全くありません。
逆に、有機食品の摂取に腐心するあまり、限られた食品しか食べないようになってしまっては、かえって栄養的なバランスを崩すといった弊害が生じます。

また、「有機/オーガニック=無農薬、無添加」というイメージが先行し、体に有害な物質が少ないのではないか?という期待が過剰になると、通常の食品に対して必要以上の不安を感じる人もいるようです。
しかし、通常の食品にも人体に悪影響を及ぼすほどの有害物質が含まれているわけではないことを忘れてはいけません。

事実、通常の食品を恒常的に摂取した人が、有機食品を好んで摂取している人より健康被害が多いなどという報告は皆無だし、農薬や化学肥料を使って栽培されたものであっても、野菜や果物をたくさん食べる人はガン罹患率が低いというデータさえあります。
これらが示しているのは、通常の食品も十分に安全だということの証しです。

有機食品(オーガニック食品)への過剰な期待は、大した意味を持たないということかもしれません。

まとめ

有機食品の在り方は、現代の食品生産システム全体を見直す良い機会として有意義だとは思います。。
しかし、ともすれば人々の食に対する漠然とした不安を煽って、心情的に訴えかける商売上の戦略?というニオイもしないではありません。
有機食品を選択することで、安心が買えて、心が安らぐならそれもいいのでしょうが、意味も分からずオーガニックを追い求めるなら、それは無意味です。

現代の食品の安全管理の水準は高いものです。
通常の食品を摂取しても基本的に何の問題もないということもお忘れなく。

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