認知症の具体的症例や認知症患者との接し方&認知症の予防策

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認知症

認知症には今のところ根本的な治療法というものがありません。
進行を遅らせるのがせいぜいで、それでも患えば必ず症状は進みます。

一部の若年性認知症を除き、認知症患者のほとんどは高齢者です。
今後、社会の高齢化が進むにつれ、状況はさらに深刻化するでしょう。
現在でも65歳以上の認知症推定患者数は優に400万人を超えており、年数が経つほどにその数は増え、 2030年には650万人とも推定されています。

認知症は家族や社会への負担が極めて大きな病です。
家族の誰かが患えば、他の家族にかかる介護の負担は計り知れません。

将来自分が認知症にならないか心配な人も多いでしょう。
また、現在介護に追われている人は日々大変な生活を送っていることと思います。

本記事は比較的ライトな記事なので、どれほどお役たてるかは分かりませんが、認知症の介護経験者として、今日は認知症に関して記します。

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認知症の具体的症例

主に自分や配偶者の親が認知症になって、はじめて認知症に関わるというケースが多いでしょう。
介護の現場で働く人以外は、他にあまり認知症患者に接する機会というのもないでしょうから。

認知症の症状も、最初は度が過ぎた物忘れ程度ですが、症状が進むにつれ、様子がおかしくなっていくのに気が付きます。
情緒が不安定になって攻撃的になったり、表情が変わったり。
それらがエスカレートして、攻撃的は暴力的に、表情もいつしか顔から喜怒哀楽が消えて無表情になったりします。
(症状は人それぞれなので、全員が暴力的になるということではありません。その辺は誤解の無きようお願いします)

一人暮らしの場合などは、食事を摂ったことを忘れ、何度も食べて激太りしたり、その逆に食べてないのを忘れ、何も食べずに激痩せして、命に関わるということもあります。

また、コーヒーが大好きだった人が、コーヒーメーカーの使い方が分からなくなって、あれほど好きだったコーヒーを飲まなくなったり、ヘビースモーカーだった人が、タバコが何だか分からなくなって、突然吸わなくなったり。(これは稀にみる良い例)
他にも、納豆の食べ方が分からなくなることや、お箸の使い方が分からなくなって手で食べたりなんてことはそう珍しいことではありません。
こうなると悲惨を極め、人間としての尊厳の領域も侵しかねません。

季節感も失うので、夏に冬物を着て出かけ、熱中症で倒れることもありますが、これは命に関わる重大な問題です。
その逆もあり、真冬に夏物を着て出かけ、風邪をひくだけならまだいいですが、悪化して肺炎などを引き起こすこともあります。
これらは徘徊と深く関わります。つまり季節外れの服装で出かけては意味もなく長時間歩き回るので極めて危険です。

家族が注意するのはもちろんですが、手に余る場合は介護施設への入所も考えなければいけません。

認知症を理解して支える

認知症が進む原因に、周囲の人が認知症をきちんと理解していないという現実があります。
とは言え、親であれ誰であれ、認知症患者の扱いが初めての場合、理解もなにも、とにかく認知症の人の頭の構造が分からないので誤った接し方をしてしまいます。

健常者には普通のこと、たとえば今日が何月何日で今が何時何分、それらが分からないのが認知症患者。
なぜ分からないのかが、まったく分からない(理解できない)のが健常者。
この違いは、人知を超えてどうにも接点がありません。

認知症患者に分からないことというのは、健常者にとって極めて不可解なものが少なくありません。なぜならごく普通のこと、本当にすごく当たり前なことが分からないことが多いから。

そうすると健常者としては、あまりにも当たり前過ぎることが出来ない・分からないことにどうしても合点がいかず、「こんなことも分からないのか!」となるんですね。

一事が万事そんなことの繰り返しです。
「分からないらしいから仕方ない」と頭では理解していても、感情が許せないんですね。特に親だったりすると。

結果、おかしい行動や言動を叱りつける。

叱られた認知症患者はなぜ叱られたのか根本から理解できないのでレスポンスやリアクションがおかしい。
それを見たり聞いたりした健常者はより腹が立ってなおさら激しく叱責する。

こんなことがよくあります。(私もやりました)

ところがこれが認知症を悪化させるんです。

認知症患者は叱責されたことにより、心を閉じてしまいます。
この場合の「心を閉じる」というのは「心を閉ざす」のではなく、ちょうどパソコンのソフトを右上の×(バツ)で閉じる感じ。
そうです、アプリケーションの終了。そうして脳細胞はより傷んでいきます。

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そうすると、言動や行動は輪をかけておかしくなり、健常者の方は余計に叱るという悪循環に陥り、その回数が増えるほど、認知症は悪化していくんですね。

こういう悲劇を生まないためには、難しくても認知症患者の頭の構造の理解に努め、認知症患者に負荷がかからないように接するしかありません。
ところが、それが親の場合など、情けなさも相まって「そんなことも分からないのか!」とか「こんなこともできないのか!」と叱ってしまうんです。

でもそれでは確実に認知症が悪化するので、叱ったりせずに粘り強く諭す、これ以外に方法はないように思います。
とにかく、認知症患者は理路整然と思考することはできないし、そもそも記憶が遠のくではなく、記憶が消失するので、根本から分からないという異常な事態が起きているんです。

ちなみに、どっぷり認知症になってしまう前に、「あの世とこの世」ではありませんが、認知症とこっちの普通の世界との狭間を行ったり来たりしている時期があるはずです。
そんな時、本人は苦しいらしく、「何かおかしい」と盛んに訴えていました。
しかし、蘇生術のようなものはなく、脳細胞は確実に侵されていくので、こっちの普通の世界に留め置くことはできませんでしたね。

認知症は予防出来なくもない

一部の見方に、認知症は生活習慣病の一つではないか?というものがあります。
学説的に正しいかは知りませんし、認知症に接した経験がある者として、あれが生活習慣病というにはあまりに突飛な印象も否めません。

ただ、そういわれる所以は、生活習慣の改善で、認知症はある程度予防が可能ということが明らかになってきたからです。

特に食事の影響は大きいとされています。
認知症の予防には、ビタミンC・E、カロテノイドなどの抗酸化ビタミン類、ポリフェノールやDHAなどの多価不飽和脂肪酸が有用です。
これらをバランスよく効率的に摂取すれば認知症を予防できるというんですね。

それぞれの具体的分量や、多く含有する食材をここで列挙できないのが残念ですが、主に野菜や魚類をバランスよく摂ることが大切です。
また、適度な飲酒は推奨されており、特に赤ワインはポリフェノールを豊富に含み、認知症の予防に役立というのがもっぱらの評価です。

こうしてみると、他の生活習慣病予防と大差ない内容になりますが、要はやはり規則正しい生活習慣とバランスの取れた食事は何につけてもいいということなのでしょう。
直接的に認知症予防に画期的とまでは到底言えませんが、将来自分が認知症になるのではないか?と不安を抱いているのなら、今の内から試す価値はあるでしょう。

また、運動は認知症のリスクを下げると言われています。
運動自体が脳神経の働きを強化し、認知症の発症を防ぐ直接的な効果もあると推測されている他、運動が糖尿病・脂質異常・高血圧を予防し、その結果、動脈硬化の進行を遅らせて認知症の発症リスクを下げるとも考えられています。

1日6,000歩以上歩くといいようですよ。それだけでも脳の萎縮を防ぐのにかなり効果的です。
ただ、6,000歩というと、身長170センチの男性が普通の速度で歩いて約4.5キロ。毎日4.5キロ歩くのは時間もかかるしあまり現実的ではないのかもしれません。
せめて日常的なお出かけは車などを使わず、なるべく歩くように心かがけ、可能な限り散歩などを習慣づけるといいですね。

それともう一つ、喫煙は多くの研究から認知症の危険因子になるとされています。やめられるなら、それに越したことはないでしょう。

まとめ

認知症患者の過半数を占めているのがアルツハイマー病です。
アルツハイマー病には予防の切り札と期待されているワクチンがあります。

このワクチンは、アルツハイマー病の原因とされる「アミロイドβタンパク」の脳への蓄積を予防する作用を持つとされる一方、重篤な副作用の報告もあります。
また、中年以降では、既にアミロイドβタンパクは脳に蓄積されてしまっているので、ワクチンの効果を得るには30歳以前に使用しなければ効果は期待薄です。
つまりまだまだ、認知症治療に普及する段階ではないということです。

だったら、地味ではありますが先述の予防に取り組み、少しでも認知症のリスクを下げましょう。
そして、周りに認知症患者がいる人は、先述の接し方を参考に、患者さんの症状の進行を少しでも遅らせる努力をしてください。

ちなみに、厚生労働省が介護予防のために作成した基本チェックリストというものがあります。
以下の三項目の内、どれか一つでもあてはまれば認知症予防プログラムの実施対象になるとされています。

1. 周りの人から「いつも同じ事を聞く」などの物忘れがあるといわれますか
2. 自分で電話番号調べて電話をかけることをしていますか
3. 今日が何月何日かわからない時がありますか

あなたはどうでしょう?あてはまる項目はありませんでしたか?

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