口腔ケアで高齢者の誤嚥性肺炎を防ぐ!?インフルエンザの予防も

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口腔ケア

口腔ケアとは、すなわち「お口のお手入れ」です。

お口の中を清潔に保つことによって、歯や歯茎の健康を維持します。
つまり虫歯を防ぎ、口臭や歯周病を予防するんですね。

しかし、口腔ケアの効果はそれだけではありません。
とても大事な、お口の「噛む・飲み込む・話す」といった口腔機能の維持や向上、さらには、誤嚥性肺炎やインフルエンザ等の全身疾患の予防にも役立ちます。

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口腔ケアが大事な理由

口腔ケア(お口のケア)は案外見落とされがちです。
ただ漫然と歯磨きすればいい… 程度の認識しかない人が少なくないんですね。

しかし、しっかり口腔ケアすることにより、お口の健康が守られるだけでなく、その他の病気も予防できるとなればどうでしょう。

まず、口腔ケアを怠らないことで風邪をひきにくくなります。
そればかりか、インフルエンザにいたっては、発症が約10分の1に減少したという確かな報告もあります。
また、高齢者に多い誤嚥性肺炎も予防できます。

お口は体の内部に通じるいわば入り口です。そこを清潔に保つことは、想像以上に私たちの健康維持に役立ってくれます。

また、お口の中には当然「歯」がありますが、歯は「一生もの」のとても大事なパーツです。
入れ歯やさし歯にならず、一生自分の歯でいられたらそれに越したことはありませんよね。

そのためには、虫歯や歯周病から自分の歯や歯茎を守る必要がありますが、正しく口腔ケアすることで、その確率は格段にアップします。

特に、50代にもなれば、歯茎が痩せてきて、歯と歯の間にものが挟まりやすくなったり、歯と歯茎の間にも食べたものが挟まるようになります。
さらに高齢になるにつれ、口周りの筋肉が衰え力も落ち、歯茎と頬の内側との間にものが挟まりやすくなるうえ、挟まっても気づきにくくなったりします。

そういったあたりも、きちんとケアさえしていれば、絶えずお口の中を清潔に保つことが出来るようになります。
口腔ケアは、口中の細菌や雑菌の繁殖を抑え、歯と歯茎、さらには全身の健康維持にも寄与してくれるとても大切なケアなんです。

口腔ケアで誤嚥性肺炎の予防!?

肺炎は今やそんなに怖い病気だと思わないかもしませんが、実は日本人の死亡原因の第三位です。
決して侮れない病気なんですね。

また高齢になるほどその比率が増し、90歳以上ともなると、なんと死因の第二位に浮上します。

高齢者は免疫力も体力も落ちていることから、インフルエンザや風邪をこじらせたのがきっかけで肺炎に移行することがよくありますが、実は誤嚥性肺炎も少なくありません。

誤嚥性肺炎なんてあまり聞きなれない病気かもしれませんが、口腔内の細菌が食物や唾液と一緒に誤って気管から肺に流れ込むことで起こる肺炎です。
寝ている間に唾液が肺に流れ込んで誤嚥性肺炎を起こすこともあります。

誤嚥性肺炎を予防するには、毎食後の口腔ケアが効果的です。
原因が口腔内の細菌が気管から肺に入り込むことなので、そもそも口腔内に細菌が存在しなければ発症するリスクは限りなく下がります。
実際に、適切な口腔ケアをすることで、肺炎の発症率、死亡率を大幅に減少させられることが報告されています。

またそればかりでなく、口腔ケアを積極的に行うことは口腔機能の維持、あるいは向上につながるので、誤嚥自体の予防にもなるという好循環を生み出せます。

高齢になるほど、無頓着且つ面倒になって怠りがちな口腔ケア。
もしご家庭内にご高齢の方がいるなら、こういった話を積極的にして、口腔ケアを勧めてください。
介護状態などでなかなか思うようにいかない場合は、ヘルパーさんに手伝ってもらうなどして、お口と体の健康維持のため、口腔ケアを実施してあげてくださいね。

それほど難しくない口腔ケアの基本

口腔ケア、口腔ケアって何度も書いてきて、「なんか口腔ケアって大変なものなのかしら?」って思ったかもしれませんね。

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実は口腔ケアの基本は、丁寧な「歯磨き」と「うがい」です。
特段変わったことをするわけでも難しいものでもないので誰でも手軽に行えます。

細菌の温床となる歯垢や舌苔(ぜったい)を可能な限り除去するだけです。
それも細菌が繁殖するスピードに負けないよう、なるべく早く除去するのがよいでしょう。
だから毎食後行えればベストですね。

口腔ケアの基本は先述の通り歯磨きです。
しっかりと磨くわけですが、ますその前に手をよく洗います。

手を洗ったら、歯ブラシ・歯間ブラシ・デンタルフロスなどで歯を磨きます。
デンタルフロスを使うなら、その後に歯ブラシの方がいいでしょう。
歯間ブラシを使うなら、その前後に歯ブラシを使いたいものです。一度歯ブラシで歯を磨いて、その後に歯間ブラシを用い、最後に仕上げでもう一度歯ブラシ。

また、舌苔(ぜったい)には専用のブラシも売られていますが、毛の柔らかい歯ブラシなら、それでも代用できます。
ただ、舌の表面はデリケートなので強くこすったりすることのないよう気を付けてください。
また、高齢になるほど舌苔は多く付いているものなので、できれば専用のブラシを用意しておくとよいでしょう。

さて、歯磨きが終わったら今度はうがいです。
「口をすすげばいいんでしょ?」程度ではなく、しっかりとうがいします。

まずは当然口をよくすすぎますが、その後に上を向いてしっかりと最低三回はうがいをしてください。
喉の奥をキレイにするようなイメージで、飲み込んでしまいそうになる一歩手前まで深い位置でうがいをします。

高齢の方は上を向いてうがいをするとよろけることがあるので、洗面台の角やタオル掛けなどにしっかりつかまってうがいをしましょう。
また、より高齢で誤嚥の恐れがある場合は、上を向くと危険な場合もあるので、そういう方は口の中に水を溜めてよくすすぐという方法がよいでしょう。

ところで、思い出しましたが、洗口液を使うならコンクールがいいです。
まぁ、これは歯周病的な話になってしまいますが、リステリンなどより、コンクールが最も歯周病菌に効果的だと歯科医が言ってました。
歯磨きが終わって、うがいをする前に、別の歯ブラシを用意しておいて、それに直接コンクールを垂らして軽く全体を磨くといいです。
ただ、不思議なのは、コンクールは緑の液体なんですが、何日かすると歯ブラシが茶色く変色します。
ちょっと見た目が汚っぽいですが、不衛生ということとは違うので、心配せずに使って大丈夫です。


コンクール

まとめ

口腔ケアはお口のケアにとどまらず、体全体のケアにつながります。
今まで漫然と行っていた歯磨きをこの際見直し、ご自身のためにもしっかりと口腔ケアを行いましょう。

とは言え、お勤めの方などは昼食後のケアが難しいなど、毎食後しっかりケアが行えないこともありますよね。
そういった場合でも、夕食後は手を抜かずしっかりケアしてくださいね。

また、自分で洗口できない要介護者には、歯ブラシ等につける水は必要最小限とし、顔を横に向け、水分が気管に入らないよう十分注意してください。
口の中の汚れを歯ブラシや口腔ケア用のスポンジで絡めとるようにケアしてあげるとよいでしょう。

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