バカ・アホにみるけなし言葉とほめ言葉から紐解く関東関西の違い

公開日:  最終更新日:2017/07/15

ばほ
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「バカ!」「アホ!」

そう言われてムッとするのはどっちですか?

これらは主に「けなし言葉」になりますが、あなたが関東人か関西人かによって異なるでしょう。

また、これとは正反対に、「ほめ言葉」も関東と関西では違います。

相手が関東人か関西人かによって、言葉の使い方を間違えると思わぬトラブルになることも!?

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関東のアホと関西のバカ

関西の芸人が全国区のテレビに出るにつれ、「アホ」の使われ方も全国区になり、関東でも「アホ」に対する免疫ができたようです。

しかし、元々関東で「アホ!」なんて言われた日には、腹が立つほどムッとしたもので、シャレにならない悪態でした。

関西系のお笑いで「おまえアホか!」とか「まったくアホやな!」なんて軽快にツッコんでいる様は素直に笑えて、聞き慣れたというところでしょうかね。

代わりに関東では「バカ!」は、その使われ方にもよりますが、総じてあまり悪意を感じません。

子供がクレヨンしんちゃんばりのおかしなことをしたら「バカなことはやめなさい…笑」とか、へまをやらかした相手に「おまえバッカじゃね?」と笑いながらちゃかしたりとか、そんな使われ方をしたりします。

小学生あたりが同級生に、「バーカっ」って言ったりするのも特に際立った悪意もなく普通のことだし、簡単に泣いちゃう恋人を慰める時に「バカだなおまえ、泣いたりして」なんて優しい囁きなんてのもありです。

つまり関東人にとっては「アホ」より「バカ」の方が断然抵抗がないんですね。

対して、関西は「アホ」が日常的。
「アホくさ!」「アホらし!」「アホちゃうか」など、何気に気軽にアホアホいいます。

アホは関西人にとってある意味「愛情のこもったからかい文句」なんですね。そこに悪意は存在しないわけです。悪意どころかむしろ親しみさえこもっています。

ところが関西で「バカ!」といったら事情は一変します。

これは関東で「アホ!」と言われて腹が立つのと一緒で、強烈な悪態。本気で相手をけなしているようなそれはそれはきつい一言です。

とはいえ、関東における「アホ」も関西における「バカ」も、メディアなどの影響もあって、昔よりはイメージがマイルドになりました。

もちろん使われるシチュエーションや相手によって、状況や受け止め方は一様ではありませんが、それでも昔よりは抵抗がなくなったのはたしかでしょう。

でも、年配の方や特に親しくもない人に使うのは禁物。一気に状況が険悪になることもあるのでご用心。

取り扱い注意なけなし言葉

関東人に対する「アホ」、関西人に対する「バカ」は、どうやら使用法を誤ると厄介なことになるのは分かりました。
でも、それ以外にも使い方を誤るとかなり状況が悪くなる言葉が存在します。

それは「デブ」です。

まぁ、この言葉、関東関西問わず、いずれにしてもあまりいい言葉とは言えなくて、使われる場面も限定されます。

というのも、その言葉が当てはまる人に対して直接言うのははばかられ、一般常識としては面と向かって口にすることはないからですね。

この言葉の定義は(言わずと知れた)標準体形より(かなり)ふくよかな方を指す言葉ですが、これが元々気さくで屈託ない関西人にかかると、ふくよかな相手に、直接面と向かって平気で言ったりするんですよ。

「自分、ちょっと○○になったんちゃうの?」ってね。(この場合の「自分」は相手のこと、つまり会話の相手です)

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で、この○○に入る言葉なんですが、デブではないんですよ。

関西では主に「ブタ」、あるいはブーちゃん。

えっ、マジか?って、関東人にとっては、それは驚愕すべきことなのですが、関西人は愛情込めて気軽に言うし、言われた方も笑って許す、もしくは受け入れるのが普通です。

関東人にとってはとても信じられませんよね。
直接口にするだけでもはばかられるのに、よりによって「ブタになった」って…。

ところが、そんな大らかな関西人にとっても、この○○が「デブ」になると話は別です。
強烈に愚弄されたと思うんですね。

だから言葉は怖いですよ。まして地域により捉えるイメージが違うと、ほんと誤った使い方をしたら取り返しがつきませんから。

で、ちなみに関東人も、ふくよかな人に向かってデブと言ったら、やはり悪口には違いなく、直接言うこともありませんが、これが付き合い始めてそこそこ経つカップルなんかだと、「おまえ最近ちょっとデブになったんじゃね?」なんて会話もないとは言えません。

ところが、関東で、もしこれが「おまえ最近ちょっとブタになったんじゃね?」なんて言ったら、以後二度と口をきいてくれない可能性すらあります。

自分が関東出身で相手が関西出身のカップル、あるいはその逆でも、言葉は本当に「取り扱い注意!」です。

他にも、関東では「ダサい」と言われると面白くなく、関西では「おもろなっ」といわれると面白くないなど、言葉って難しいですね。

関東のほめ言葉、関西のほめ言葉

「それちょっとヤバくね?」って意味がわかるでしょうか?
一般に関東で使われる言葉です。

若い方はもちろん分かるはずですが、ちょっと年がいくと、よく分からん若者言葉といった印象でしょうかね。

「ヤバくね?」は文字で書くとニュアンスが伝わりにくいのですが、実際に口にするときは語尾を上げます。
「ヤバくね?」の最後の「ね?」というところにアクセントをつけて、そこだけ音階を上げるんです。

で、その意味ですが、やばいのかと思いきや、「いい」つまり「良い」「イケてる」ということなんですね。
「ちょっ、それ、ヤバくねーっ?」といった具合に、やや興奮気味に使用するのがポイントで、けっこう最上級のほめ言葉となります。

でも、この「ヤバくね?」ですが、恐らくは関東限定。関西ではあまりいい印象をもたれません。
関西人にとってのヤバいは、やはり普通にやばい方に解釈されるようです。

対して、関西で似たような言葉を探すとなると、これは「シュッとしてる」になるでしょうか。
ただ、こちらは若者中心ではなく、どちらかといえば、オバチャン御用達みたいなイメージがあります。

意味的には「ヤバくね?」に相通じるものがあり、カッコいいことを指します。
「シュッとしてるやん」とか「シュッとして、恰好ええなぁ!」みたいな使われ方をしますね。

ただ、この「シュッとしてる」、先述の「アホ」同様、関西芸人がテレビ等でよく使うので、最近は全国区になってるかもしれません。
それでも、やはり関西のオバチャンによく似合う言葉で、「シュッとして、恰好ええなぁ!」なんて本場のオバチャンに言ってもらえたらちょっと嬉しくなりそうな気はします(笑)

まとめ

以前、BAHOというユニットがありました。
竹中尚人(たけなか ひさと)さんと石田長生(いしだおさむ)さんの二人が、基本的にアコギと歌で楽しませてくれます。
竹中さんは「Char = チャー」といった方が通りがいいかもしれませんね。

BAHOは漢字で馬呆。馬鹿の「馬」と阿呆の「呆」で、関東のバカと関西のアホのデュオということです。
事実、一人が1.3.5弦のみのギター、もう一人が2.4.6弦のみのギターで、曲を奏でるなんて「馬呆」なことをしていました。

大変面白く味のあるステージで、何度行っても楽しかったものですが、石田長生さんが2015年に亡くなって、今はもう生で見ることは叶いません。

下らないテーマで軽快に飛ばしてきた今日の記事ですが、最後はしっぽりとした話題で締めてみました。

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