無痛症とはどんな病気?治療法は?後天的な無痛症もある?
痛みを感じない病気 無痛症。
無痛症とは一体どのような病気なのでしょう?
無痛症になる原因や治療法など、無痛症についてまとめました。
無痛症ってどんな病気?
無痛症は正式名を「先天性無痛症」と言い、全身の無痛が主症状で、無痛症を患っている多くの人が同時に無汗症も患っています。
痛みを感じ無いなんて良いのでは?と思うかもしれませんが、「痛みが無い = 危険の概念が無い」ということになるので、自分の身体が傷ついても痛みを感じることがありません。
ということは・・・
ケガをしても痛みを感じないので、たとえば足を骨折したとしても、そのまま歩き続けてしまう?
それでは症状が悪化してしまいます。
幼少期に目を擦っている内に失明したり、指をしゃぶっている間に指を食いちぎってしまうなど、かなりの危険を伴うので、周りの大人が気をつけていなければ大変な事態になっています。
痛みというのはSOSのサインで、それが分からない無痛症の人は常に危険と隣り合わせということなんです。
無痛症は難病であるものの、特定疾患には含まれていません。
症状の度合いは人によって違い、全く痛みを感じない人もいれば少しは感じる人もいます。
また、無痛症の人は汗をかかないケースがほとんどです。
そのため体温調整ができずに、少し運動をするだけでも体温が上昇してしまうので危険です。
無痛というのは良いと思う人もいるかもしれませんが、実際にそのような状態になると本当に大変です。
本人は痛みを感じず、どんな危険な状態に陥っていても分からないのですから、周囲の人は本当に気が気でならないと思います。
安易に無痛症は良いなんて言えないですね。
無痛症を治す治療法はある?
残念ながら無痛症の治療法は現在ありません。
今のところ治療法は対症療法しかないのですが、
どのようにするのかというと…
・体温の調節
室温や湿度をエアコンでしっかり調節し、水分補給もきちんと行うようにします。
冬場は服装でカバーし、低温やけどに気をつけながらカイロなどを使用します。
高体温に気をつけるようにと言われがちですが、低体温になる場合もあるので、こまめに深部体温を測定して体温の調節を行います。
・運動時の注意
水中での運動では特に気をつけ、その他の運動の時にも身体に障害が起きないように細心の注意を払う必要があります。
足を保護するために衝撃を受けにくい靴を履いたり、肘や膝を保護するためにサポーターを付けたり、時にはヘルメットを着用させる必要もあります。
・自傷行為を予防
知らず知らずの内に自分の身体を傷つけないように、自宅の壁や床などには緩衝材を取り付けるようにして危険を未然に防ぎます。
また、歯にプロテクターを付けて口内が傷つかないようにしたり、手袋をして手や指を傷つけないようにする必要があります。
・皮膚の保湿や保護
皮膚が乾燥したりひび割れしたりしないようにクリームなどを使って予防します。
傷ができると治りにくいので、少しの傷でもきちんと消毒をしましょう。
・虫歯予防
自分で歯磨きをすると強く磨き過ぎてしまう傾向があるので注意し、虫歯にならないように最後は大人が仕上げてあげるようにしましょう。
・感染や骨折、脱臼などの早期発見
顔色が普段と違うなど、少しの変化にも周りが注意を払って気付くようにします。
身体に腫れや赤味はないか、熱が出ていないかなどを調べ、手足を動かさない時には骨折や脱臼も疑いましょう。
・その他
火傷しないようにストーブや熱湯の取り扱いに気をつけ、また、凍傷にも気をつけます。
食事の際には口内を火傷しないように料理の温度に気を付けます。
車椅子を使用しているような場合には、足でブレーキをかけたり急に手でブレーキをかけたりして手足を痛めないように気をつけるようにします。
本人には痛いという自覚がないので、周りの人が細心の注意を払う必要があるんです。
後天的な無痛症もある?
無痛症は先天的なものだけでなく後天的なケースもあります。
後天的な無痛症の原因は事故や怪我などで、先天性の無痛症とは違って公費助成の対象となっています。
大きな外傷が原因で神経が通わなくなり、痛みを感じなくなったり汗をかかなくなってしまうことがあります。
先天性の無痛症は原因が定かではないものの、後天性の無痛症は様々な原因が考えられます。
てんかんや糖尿病などが原因の場合もあるので、早めに病院に行って原因をつきとめて治療をする必要があります。
痛みを感じないということは、身体に危険が及んでもそれを察知できず、また防止できないということに他なりません。
先天的な無痛症の場合は周囲が気をつけなければ、命の危険を伴う傷を負ってしまう可能性は捨てきれず、また後天的な無痛症の場合はその原因をつきとめる必要があります。
どちらにせよ痛みを全く感じないのはとても恐ろしいことです。
小さな子供さんなんかは特に自分の感情を伝えるのが下手なので、頭をぶつけても泣かないなど少しの変化も見逃さないように注意を払いましょう。
まとめ
無痛 = 不死身なんて言われたりしますが、そんなことはありません。
逆に痛みを感じないことで死に近づくことだってあります。
痛みを全く感じないというのは本当に恐ろしい事なので、近くにそのような症状を伴うような人がいるのであれば、細心の注意を払って少しの変化も見逃さないようにしなければいけません。
ちなみに、無痛症の人の寿命が特に短いということはないようです。
周りが十分にケアすることで、無痛症の人も楽しく暮らせるよう願うばかりです。
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