セカンドライフは意外に楽じゃない!老後資金と介護の現実

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セカンドライフ

平均寿命が伸びました。
それにより、リタイア後のいわゆるセカンドライフの期間も以前より格段に長くなっています。

充実したセカンドライフを過ごせるか否かは、老後資金と健康にかかっています。
老後資金が少ないとかつかつの生活を強いられ、ゆとりあるセカンドライフは望めません。
また、健康を害したり介護状態に陥ると同じくセカンドライフを楽しむことはできないでしょう。

ここでは、リタイア後の老後資金と介護に関して考えていきましょう。

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ライフプランの必要性

何歳でリタイアするかは人それぞれです。
会社や役所勤めの人は、職場の定年規定によりますし、自営業の人は、ある意味定年などない場合もあります。

セカンドライフとはつまり第二の人生。
定年後、つまり生涯の務めを終えた後の残りの人生ということになります。

平均寿命が伸びた昨今、セカンドライフの期間は長くなりました。
それだけ、老後が伸びたということです。

老後の収入は限定されます。
したがって、充実したセカンドライフを過ごすには、あらかじめ、具体的にどんな生活を送るのかを計画しておくことが必要です。

しかし、潤沢な老後資金を準備している人はそうはいないでしょう。
十分な貯蓄がないなど、老後の生活に不安を覚える人の方が圧倒的です。
こういった経済的な不安は、リタイア後の収入と支出において具体的な金額が見えていないために起こるものです。

セカンドライフの過ごし方について、理想を交えながら現実も踏まえ、収入と支出を具体的に洗い出し、まずはライフプランを立てて整理してみることが大切です。

老後の収入と支出

ある調査によると、無職の高齢者夫婦世帯の平均収入は月額約22万円でした。
対して、支出はというと平均で月額約26万円。

収入のほとんどは公的年金をはじめとする社会保障からの給付によるもので、支出は現役世代より医療費や交際費が増えています。
医療費が増えるのは年齢とともに健康状態が悪化して医療機関にかかることが増えるため、交際費が増えるのは冠婚葬祭が増えるためです。

これらの数字はあくまで平均ですから、22万円の収入に対して、必ず26万円の支出があるというわけではありません。
それでは毎月4万円の赤字になり、貯蓄があれば目減りし、貯蓄がなければ家計は破綻ですから。

ただ、一つの目安になる数字として、概ね月々5万円(正確には4万円)ほどが足りないという現実が見えてきます。
とはいえ、全員が全員そうなるわけではないことは踏まえておきましょう。

なぜなら、収入の中でやりくりする努力は必要だし、自分の収入なりに支出を抑えれば、必ず5万円不足するわけではないからです。
あくまで、収入と支出を「それぞれ」平均すると、そこに概ね5万円ほどの差が生じているということです。

ではこの5万円(正確には4万円)、仮に毎月不足したとして、リタイア後に20年生きるとするならば、5万円×12か月×20年=1,200万円
つまり1,000万超のお金が必要ということになります。もっと生きればそれに比例して必要な金額は増えます。
そしてこれは特段何も急な出費が起きない平穏な生活が続いたとしてです。
また、持ち家か賃貸かでも支出の数字は大きく変わってくるでしょう。
⇒ こちらも参照

また、他のある調査によると、「ゆとりのある老後」を過ごすには、月額約36万円が必要という結果もあります。
「ゆとりある老後」の定義にもよりますが、仮にその36万円で考えるなら、毎月の差額は36万円-22万円=14万円、先ほどと同じくリタイア後に20年生きるとして、14万円×12か月×20年=3,360万円
つまり、このケースだと3,000万円超のお金が必要ということになってきますし、こちらの例でももっと生きればもっと必要ということが分かります。

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こうしてみると、貯蓄など老後資金の大切さが嫌というほど分かりますね。
つまり、比較的若いうちから将来のライフプランを練っておく必要があるということの証しでしょう。

老後の心配はお金だけじゃない、考えておきたい介護のこと

ここまでは老後資金に関してでしたが、先述の数字は健康だったらというのが前提です。
経済的不安は精神的につらいですが、健康を害したり介護状態になると、更につらい現実に直面します。

寿命が伸びて長生きするのはいいことですが、それは健康であればというのが誰にとっても前提でしょう。
認知症を患ったり、寝たきりの生活になったりすると、途端に長生きする意味が失われます。
やはり老後資金があってもなくても健康こそが第一ということです。

しかし、老後というだけあって、老いてくれば誰だって少しずつガタが来てどこかしら不具合が生じてくるものです。
そこで、介護が必要になるわけですが、介護保険を利用しても生活の100%をケアしてもらうことはできません。

もっとも介護施設に入所すれば話は違ってきますが、特養に入るようになればもはや楽しいセカンドライフとは縁遠く、また入所するのも大変です。
特養以外の他の施設はいずれも基本的に帰宅するのが前提というか、リハビリ等をして将来的に自宅に戻るのを目的にした施設なので、終の棲家ではありません。
施設に入所しての介護の話などはまた別の機会にお話しするとして、ここではリタイア後のご夫婦がそれぞれ長生きをして自宅で介護状態に陥ったらという話です。

老老介護という言葉をご存知でしょうか?
介護者も被介護者も老人だということです。

夫婦で長生きした場合に、どちらもそれなりに健康ならば言うことないし幸せでしょう。
健康はお金以上に大事ですから。

しかし、ご夫婦のどちらか一方が介護状態に陥ると大変です。
介護の認定具合にもよりますが、先述の通り、生活の100%を介護保険で賄うことはできません。
ヘルパーにしても毎日来るかどうかは介護保険の点数次第だし、居てくれる時間だってせいぜい1~2時間です。
したがってご夫婦の内どちらかがどちらかの介護者にならざるを得ないわけです。

介護というのは実に大変で、体力も使うし気も使います。
若いうちならまだしも、歳をとり、自分のことで一杯一杯の状態なのに介護者になるとしたら、心身ともに相当疲弊するでしょう。

このように年老いたご夫婦のどちらかがどちらかを介護している状態を老老介護といいます。
つまり介護者も被介護者も老人だということです。

また、話はそれますが、年老いた息子がさらに年老いた超高齢の親を介護しているのも老老介護です。
いずれにしても、老人による老人の介護を指します。

老老介護の問題点としては、介護者も身体的に万全ではないということです。
それはそうでしょう、介護者自身も高齢で老人ですから。

寿命の延びは、こうした老老介護をも増やしています。
介護者自身の疾病率も上がっている中で、ちょっと見るとどちらが介護者か分からないという例も散見されるとか。

こうしてみると、セカンドライフの設計には、自身があるいはパートナーが介護状態に陥った場合のことも想定して対処法を盛り込んでおく方がよさそうです。

資金に十分な余裕があるとか、売却する自宅があるといった場合には、介護付きの有料老人ホームにご夫婦二人で入所するという選択もありますが、場合によってはかなり高額です。
そういうケースも視野に入れながら、セカンドライフの設計を行っていきたいものです。

まとめ

平均寿命が伸びたのはいいことですが、その分老後の期間が伸びたことにより、ある意味弊害と言えそうな問題も増えています。
老後資金や介護の問題など、若い頃には思いもつかない問題に直面するものです。
リタイア後のセカンドライフは、予めいろんなケースを想定して、綿密に立てておくに越したことなさそうです。

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