帰宅拒否症を克服して夫婦関係を修復改善する為の妻の接し方
最近、仕事が終わってまっすぐ家に帰りたくない帰宅拒否症のだんな様が増えています。
放っておくと夫婦関係にひびが入り、それはやがて修復不能になって別居や離婚に発展するケースも少なくありません。
早めに夫婦関係を修復・改善するための妻の夫への接し方を考えてみました。
帰宅拒否症の原因の検証
夫の帰宅拒否症の原因が全て妻にあるとは言いません。
そんなことを言ったら世の奥様方に怒られてしまいます。
とは言っても、夫の帰宅拒否症の原因の多くが妻側にあるのは間違いないようです。
夫が帰りたがらない原因は、それこそ様々なケースが考えられますが、本来は仕事が終われば急いで帰りたくなるのが自分の家というもの。
その安らぎの場である家に、安息を見出せなかったり、居場所が見出せない時、夫に自然に芽生えるのが「帰りたくない」という感情です。
この「帰りたくない」が高じると帰宅拒否症になるわけですが、夫がこういった感情を持つに至るのは、許容を超えるフラストレーションの積み重ねが考えられます。
何に対するフラストレーションかといえば、本来は帰りたくなるはずの「家」に対してです。
家といっても建物そのものではなく、家庭内の雰囲気や居心地に対してです。
そしてそれら家庭内の雰囲気や居心地を含めた「家の色」を決定づけているのが他ならぬ妻です。
妻側ばかりを責めているのではありませんが、現に夫の帰宅拒否症の心配をしている時点で、夫婦のコミュニケーションは既に破たんの兆しを見せています。
夫婦ですから、夫にも改めるべき点が多々あることとは思いますが、妻であるあなたにも改めるべきたくさんの要素があるはずです。
ここは、百歩譲って、妻であるあなたがどのように夫に接しているか、あるいはどのように夫を扱っているかを分析してみる必要がありそうです。
帰宅拒否症を助長する妻の夫への接し方
妻であるあなたは、自分では気がつかないうちに以下のような奥さんになっていませんか?
・夫を管理したがる
・夫を支配したがる
・夫に対して過度の負けず嫌い
・被害者意識が強く自分を卑下する
・コミュニケーション能力に欠ける
・家の中の片づけがとても苦手
・子供と比べて夫に対する興味が薄い
・夫に暴力をふるう
・夫を他人と比べ過ぎる
・自立していて夫を必要としない
・何でも夫に依存し過ぎる
ひとつずつ見ていきましょう。
【 夫を管理したがる 】
夫の行動のすべてを管理したがる妻は要注意です。
何から何まで夫に指示して、夫がその通りに行動しないと気が済まないタイプがこれにあてはまります。
食事はもちろん、服装から休日の過ごし方に至るまで、事細かに指示を出し、全てを管理したがります。
そういう妻は当然のごとく、夫の小遣いも管理したがりますので夫は次第に窮屈になっていきます。
このようにされると、夫は息がつまり、家庭での自由もなくなり、家に帰ることに苦痛を感じ始めます。
ただ、妻としては良かれと思ってやっているケースも多く、自分では気がついていないことも多いでしょう。
【 夫を支配したがる 】
上記の「夫を管理したがる」がエスカレートして、管理を通り越し、あたかも支配しているような状態。
管理の段階なら、夫にもまだ多少は自分の意思を表明する余地が残されていそうですが、支配となると、もはや意思表明は無意味で、妻の決定に従うのみです。
その様な状態が続くと、夫は自我が否定され、自分の意思を妻に伝えることも諦め、夫婦のコミュニケーションはなくなります。
コミュニケーションが失われると、家庭は無味乾燥としたただの寝場所にすぎなくなり、夫は家に帰る気持ちを失います。
【 夫に対して過度の負けず嫌い 】
夫に対して行き過ぎた負けず嫌いがこのタイプ。
夫婦というよりライバルのような感じで、何事に対しても勝ち負けで判断しようとします。
本来夫婦というものは夫と妻の協力関係で成り立っているものです。
ところが、万事に対して負けず嫌いで、例えば夫婦間で意見が食い違ったときに、夫の主張に一理あったとしてもそれを認めることができず、夫を自分の意見に従わせようと、無理やり言いくるめてしまいます。
こうなると、夫は常に自分の考えが否定されるので、だんだん妻と顔を合わせたくないと感じ始めます。
そしてそれが高じて家に帰りたくなくなるのです。
【 被害者意識が強く自分を卑下する 】
被害者意識が強すぎるのもいけません。
夫に対して「自分を大切にしてくれない」とか「家事や育児を手伝ってくれない」などと愚痴が多く、あたかも自分が悲劇のヒロインよろしく夫を責める…。
あるいは自分は学歴が低く、経歴にも見るべきものがないなどと自分を卑下し、「自分は頭が悪いから…」などと言い始めると、夫としてもウザくなり辟易します。
夫にしてみれば自分が選んだ妻が、被害者感情を持ったり、自分を卑下したりするのを見聞きすると、「そんな妻を選んだオレっていったいなんだ?」と悲しくもなり面倒にもなり、ひいては家にも帰りたくなくなります。
【 コミュニケーション能力に欠ける 】
夫婦関係で大事なのは、相手への思いやりとコミュニケーション。
これは結婚生活が長くなってもとても大事なことです。
ところが、仕事が終わって帰宅しても「お帰りなさい!」の一言もなく、朝にしても「おはよう!」でもなく、一緒に居ても会話は必要最低限しか交わさない。
そんなことではちっとも楽しくないし一緒に暮らしている意味もありません。
お互い相手が何を考えているかもわからず、また分かろうともしない。
何かしてあげても感謝の言葉もない。
こんな家庭には安らぎも魅力もありません。
自然、帰りたくなくなっていくものです。
しかし、このコミュニケーション不足は夫にも相応の原因がある場合も少なくありません。
夫婦双方に原因があるなら話し合うのがいいのですが、既にお互いがコミュニケーションを取れなくなっている場合もあり、そういうケースでは解決が難しくなります。
どうにかして、コミュニケーション不足を解消する努力が必要です。
【 家の中の片づけがとても苦手 】
これは家事に関することになりますが、共働きだった場合など、全て妻がするというのは不公平です。
したがって、以下は専業主婦を想定して記します。
夫の身になれば、仕事で疲れてようやく家に帰ったら、ホッとしたり安らいだりしたいものです。
そのためには家の中が(ある程度)片付いている必要があります。
夫が帰宅して、ソファーでくつろごうにも、その上に子供の食べかけのお菓子や洋服が脱ぎ散らかしてあったらどうでしょう?
くつろごうにも座るとこさえありません。
家の中は、完璧とまではいかなくても、整理整頓され、片付いた状態でないと「やはり家はいいなぁ」とか「そこに居たい」と思えなくなってきます。
【 子供と比べて夫に対する興味が薄い 】
妻が子供べったり、子供も妻にべったり。
そんな母子関係に夫が入っていけなくなることがあります。
こういった場合、妻の関心は、既にそのほとんどが夫ではなく子供にありますので、妻の中で夫の存在が軽くなっていきます。
また得てして、子供は母親と過ごす時間の方が父親とのそれより長いので、子供の中でも母の比重が重く、父の比重が軽くなります。
そのようにして、妻の中で夫の存在が軽くなり、夫への興味が薄れていくと、妻はよく夫の悪口を子供に言うようになります。
子供がまだ小さければ、事の善悪がよく分からず、妻(子供からすれば母)が口にした悪口を、今度は子供自身が夫(子供からすれば父)に平気で言うようになります。
これでは正当な夫婦関係・父子関係が築けません。
夫は家に帰っても、妻にも子供にも軽視され居場所を失ってしまいます。
ついには家に帰りたくなくなるのです。
【 夫に暴力をふるう 】
夫婦間で暴力をふるうというと、どちらかというと夫が妻を殴るといった、夫から妻への暴力を思い浮かべます。
ところが最近はその逆、つまり妻が夫に対して暴力をふるうケースも少なくないのです。
暴力といっても、必ずしも殴る蹴るばかりではなく(もちろんそれらも含めて)、ものを投げつけたりするのも暴力です。
また、必ずしも肉体的なことばかりではなく、「罵る」「蔑む」「暴言を吐く」といった言葉の暴力も立派な暴力です。
その他、行いによる暴力もあります。
夫を徹底的に無視してみたり、洗濯は夫のものは一切洗わずに自分のものだけ洗ってみたり。
(まぁ、この辺は暴力というより、いじめ・意地悪の範疇でしょうか…)
このようにして追い詰められた夫は、家庭内に居場所を見いだせず、家に帰りたくなくなっていきます。
【 夫を他人と比べ過ぎる 】
夫の地位や年収、つまりは出世に関すること、更には学歴や容姿といったものを他人と比べるのはあまりいいことではありません。
「誰々さんのだんなさん、課長になったんですって? お給料も上がったって。 ところであなたはどうなの?」とか、
「誰々さんのだんなさん、ゴルフで90切ったそうよ? あなたももう少しうまくならないと接待ゴルフでかっこつかないんじゃない?」とか、
「誰々さんのだんなさん、いつも素敵よね♪ 髪もふさふさだし、洋服のセンスも素敵。 あなたも増毛でもしてみたら?」などなど。
とかく何でも他人と比べたがる妻がいます。
まぁ、他人の芝生は青く見える的な感覚ですが、しょっちゅう比べられたら夫としてはたまりません。
遠まわしに自分を否定され続けると、夫は自信がもてなくなり、しまいに自己肯定すらできなくなります。
結果、妻とのコミュニケーションを避けるようになり、家に帰りたくなくなります。
【 自立していて夫を必要としない 】
妻も仕事をしていて、経済的に自立している場合、妻は夫を必要としなくなることがあります。
特に収入面において、夫婦が同等もしくは妻の方が多いといった場合には、より顕著にそういった現象が起こりやすくなります。
もちろん世の中全てがお金ではありませんから、仮に妻の方が収入が多くても強い愛で結ばれている夫婦もいます。
しかしその一方で、妻が経済的要素のみならず、精神的にも自立している場合、夫の存在は軽くなり、時に独断で何でもするようになって、夫婦のコミュニケーションはなくなっていきます。
すると夫は、自分が家庭内で必要とされている感覚が薄れていき、居場所を失い、やがて家に帰りたくなくなります。
【 何でも夫に依存し過ぎる 】
ひとつ前の「自立しているケース」とは逆に、夫に何でも依存し過ぎるのも問題です。
一人では何も決められなかったり、何でも夫にやってもらおうとすると、夫は何もかも一人で決断・処理しなければなりません。
優しいだんな様なら最初は何でもやってくれるでしょう。
しかし、事あるごとに万事が万事全て一人で責任を持ち、一人でやらなければならないとなると、次第に孤独感とプレッシャーが増し、腹が立ち始めます。
しまいには「面倒くさいから少しは自分でもやれよ!」と怒鳴られ、さじを投げられるでしょう。
面倒くさくて鬱陶しくてウザい妻になると、いくら最初は優しかった夫でも家庭が面倒になり、だんだん家に帰りたくなくなります。
帰宅拒否症を克服して夫婦関係を修復改善する
帰宅拒否症になった(なりかけている)だんな様と以前のような夫婦関係を取り戻すには、奥様であるあなたの努力が欠かせません。
ここまで読んできて、身に覚えのあることもいくつかあるでしょうし、仮に身に覚えがあっても、あなたにも言い分は多々あると思います。
しかし、だんな様に帰宅拒否症から脱してもらうには、ここはあなたが一歩ゆずって、疲弊して居場所を失った(失いかけている)だんな様の心をほぐし癒してあげることが大事です。
では、どうすればよいのでしょう?
それは、先述したいくつかのパターンにあなたがあてはまっていれば、それをなるべく早期に改善することです。
簡単ではないかもしれませんが、表面的でなく、心から改善に努めることです。
そうすれば夫婦関係を修復できる可能性が増し、冷えてしまったお二人の関係を改善することができるでしょう。
再度言いますが、あなたにも言い分はあると思います。
夫の帰宅拒否症の原因が、全てあなたにあると言っているのではありません。
しかし、現状を打破して夫婦関係を取り戻すにはあなたの努力が不可欠なのです。
つらいでしょう、大変でしょう、でもここは頑張って、だんな様が帰ってきたくなるような家庭の雰囲気を作り出していきましょう。
だんな様だって、好きで帰って来たくないのではありません。
本当は帰ってきたいし、安らぎを求めているのです。
だからこそ、妻であるあなたの努力が必要だし、そうすることでだんな様、ひいいてはあなた自身の救いにもなるでしょう。
夫婦ってもとをただせば他人です。
だからこそ日頃からコミュニケーションを図って協力し合わなければいけないのです。
せっかく縁あって夫婦になったのだから、二人でたくさん接点を持って、たくさん喧嘩して、たくさん仲直りすればいいのです。
そしてたくさんの思い出を作って、二人で一緒の時間を重ねていくのが夫婦というものです。
それでも会話のネタに困ったり何を話していいか分からずにコミュニケーション不足に陥りそうになったら、「何を話せばいいのか分からない」ということをネタに会話してみましょう。
「よその夫婦って普段どんなことを話してるんだろうね?」からはじめてみましょう。
「分からん」の一言しか返ってこないかもしれません。
それでもそこでやめずに、「じゃぁ、今度会社の人に訊いてみて?」みたいに続けます。
「そんなこと訊けるか!」って返されるかもしれませんが、そこであなたは、「私の友達の誰それはこんな話するんだって…」みたいに続けます。
だんな様は「ふ~ん」と気のない返事かもしれませんが、こんなやりとりでも何も話さないよりは会話になっています。
話すつもりになれば何だって話せるものです。
その上で、お互いが楽しくないところや嬉しくないところを学習し、居心地のよい会話を二人で模索していくのです。
最初からテンポよく会話がはずむことはないでしょうし嫌気が差すかもしれません。
それでもこういう地道な努力を頑張って続けることで、いつしか夫婦関係の修復や改善がなされていくものです。
大変でしょうが、頑張るしかありません。
頑張ればいつか必ずだんな様も心を開くことでしょう。
元々は愛し合って夫婦になったのです。
帰宅拒否症という大きな壁も、あなたが先導することで、最終的には夫婦二人で克服できるでしょう。
まとめ
さて、帰宅拒否症に関する妻の接し方や役割を長々と書いてきました。
一読すると、帰宅拒否症の原因は、妻であるあなたに全て責任があるかのように捉えられる記述もあって、あなたは反感を覚えたかもしれません。
しかし、妻であるあなたを責めたいのではなく、「家庭の色」は妻によるところが多いのは事実なので、自信と居場所を失った(失いかけてる)だんな様を救えるのは「あなたなのですよ」とお伝えしたかったのです。
努力しても、最初はぶつかることも虚しいことも多いでしょう。
しかし「それもまた楽し」と自分に言い聞かせ、居心地のいい夫婦を、お二人で力を合わせて作っていきましょうよ。
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