低血圧と貧血の違いは?低血圧の症状と予防法
「低血圧で朝が辛い」
そういう話をよく耳にしますが、低血圧だとどうして朝起きるのが辛くなってしまうのでしょう?
また、それ以外にも低血圧にはどんな症状があるのか…?
低血圧に似た症状で貧血がありますが、低血圧との相違点は?
などなど、低血圧について予防法も含めまとめてみました。
低血圧とは?貧血とは違うの?
ご存知の通り、血圧は血管の中を流れる血液の圧力のことです。
心臓のポンプの力で血液は全身に送られますが、血圧は言うなれば「心臓の力」ということになります。
血圧を測定すると「上がいくら、下がいくら」といった表現をされますよね。
その上と下の意味を正しくご存知ですか?
心臓が収縮すると血液は強く押し出されますが、その時の値が「血圧の上」、反対に心臓が拡張すると血管内の圧力が低くなるので、それが「血圧の下」ということになります。
血圧には正常値の範囲が定められていて、それより低いと低血圧、高いと高血圧ということになります。
世界保健機構で定義する値は、低血圧の場合、下が60以下・上が100以下とされています。
血圧の正常値は以下の通りで、正常高値血圧までは正常域の血圧となります。
・至適血圧:80~120
・正常血圧:85~130
・正常高値血圧:90~140
・Ⅰ度高血圧:100~160
・Ⅱ度高血圧:110~180
・Ⅲ度高血圧:それ以上
ちなみに「貧血」というのは赤血球やヘモグロビンが少ない状態を指すので、低血圧と貧血はまったくの別物です。
低血圧の人にはどんな症状が?
「低血圧の人は朝が弱い」というのは定番ですが、低血圧の人にはどんな症状が現れるのでしょう?
低血圧の人の主な症状は以下の通り。
・頭痛
・肩こり
・眩暈
・ふらつき
・立ちくらみ
・息切れ
・動悸
・不眠
・疲労感、倦怠感
・朝起きれない
・吐き気
・食欲不振
・冷え性
また、低血圧は以下の三種類に分類されます。
・症候性低血圧症
原因となる病気がハッキリしていて、心臓や膵臓、脳神経の病気や外傷、多量出血などが原因で症状が起きます。
病気自体を治さないと低血圧は解消されません。
・本能性低血圧症
これといった原因はなく、痩せ型の女性に多いのが特徴で、眩暈や立ちくらみ・動悸・冷え性などの症状を伴い、朝起きるのも辛くなります。
・起立性低血圧症
急に立ち上がったときにクラッとしたり、突然目の前が暗くなったりする症状のことで、心臓から送り出された血液が一時的に心臓に戻りにくい状態になることで起こります。
一過性のものなので治療の必要はありませんが、まれに自律神経疾患が原因となっているケースがあり、その場合は治療が必要なこともあります。
病気が原因の低血圧でなければ、危険性は低いことが分かりますね。
朝起きるのが辛くても、それだけならそんなに心配することはなさそうです。
低血圧にならないためには?
単なる低血圧だから大丈夫と言っても、辛い症状が出るのは防ぎたいものです。
低血圧の辛い症状を回避するにはどうすれば良いのでしょう…。
【 食事 】
低血圧の人はきちんと食事を摂っていないことが多く、1回の食事量を増やす必要はありませんが、1日3食きちんと食べるように心がけます。
肉類・魚類・大豆食品・野菜・海藻類をバランス良く摂ることが大切です。
【 自律神経を整える 】
自律神経を整える効果のあるチラミン(柑橘系の果物、乳製品に多く含まれる)を積極的に摂る、早寝早起きをして規則正しい生活をする、ストレスを溜めない或いは発散するなど、自律神経の乱れを整えるようにします。
【 血液量を増やす 】
血液量を増やすことで血圧も上昇します。
【 塩分 】
適量の塩分を摂ることで、血液中のナトリウムを減少させようと、血中水分量が増えます。
・水分
1日に水1~2リットルを飲むようにして血中の水分量を増やします。
・運動
適度な運動をして血流を良くし、運動の終わりにはコップ1杯の牛乳を飲むようにします。
【 下半身を鍛える 】
下半身に落ちた血液を心臓に戻すために、下半身の筋力をアップさせます。
低血圧が理由で立って運動するのがキツイ人は、座ったままできる運動を取り入れるようにしましょう。
低血圧は日常生活を改善するだけで軽減されることも少なくありません。
無理しない程度にうまく改善していきたいものですね。
まとめ
低血圧は痩せ型の女性に多いと言われますが、最近は男性でも低血圧の人が増えているようです。
低血圧の人にしか分からない辛さというものもあり、周囲に理解されにくい症状もありますが、日常生活を見直すことで低血圧も改善されることがあるので、無理しない程度に少しずつ低血圧を克服していきたいものですね。
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