猫エイズとは?感染源や治療法、他の動物にうつったらどうしよう
空前の猫ブームだといいます。
私の中ではもう30年以上も猫ブームが続いているので、今さら空前と言われてもピンときませんが。
ところで、あまり聞き慣れない病名かもしれませんが、猫ちゃんの病気に「猫エイズ」というものがあります。
エイズというと、人が発症する不治の病というイメージですが、同様に猫にもエイズがあります。
空前の猫ブームなら、その流行に乗って、新たに猫ちゃんを飼う人も増えるのでしょうから、知っておくに越したことはありません。
猫エイズってどんな病気?
猫エイズの正式名称は「猫後天性免疫不全症候群」とです。
この病気が発見されたのは、1986年と比較的最近で、ネコ免疫不全ウイルスが原因となり様々な諸症状を引き起こします。
猫エイズは、猫エイズに感染している猫との直接的な接触により感染します。
また、母猫が猫エイズに感染していた場合、生まれた子猫も猫エイズの可能性があります。
しかし、猫エイズのウイルスに感染していても必ず発症するというわけではなく、一生発症しない子もいます。
ただ、ウイルスに感染しているとなると、何かが引き金になって発症する可能性は捨てきれないので、免疫力の低下などには日頃から気を付ける必要があります。
では、もし発症してしまったらどんな症状が起きるのでしょう。
・急性期
ウイルスに感染して最初の数ヶ月は、風邪をひいたり下痢をしたり、リンパ節が腫れたりします。
しかし症状は次第に無くなっていき、重大な病気や免疫力が極端に低下していない限り、この時期に死亡することはありません。
微熱が続いていたり、元気がないような時は注意が必要です。
・無症状キャリア期
症状が急に治まり、健康な猫と何も違わない状態を取り戻します。
この期間は4~5年位で、中には10年以上その状態が続くケースもあります。
しかし、完治した訳ではなく、体内でウイルスの増殖は進行していることから、他の猫に感染させないような注意が必要です。
・エイズ発症
上記、無症状キャリア期のウイルスの増殖が一定の限度を越すと発症します。
症状としては、口内炎や口臭、よだれ、体重減少、嘔吐、下痢、食欲に関係なく痩せてくるなどの症状が現れます。
猫エイズは以上のような段階を経て症状が進行し、最終的にエイズを発症します。
猫エイズなんて聞くと敬遠されがちですが、他の猫と接触させずに飼うことができれば、感染が広がることはありません。
それに猫エイズは100%発症する訳ではないので、免疫力を低下させるようなことがなければ、エイズを発症せずに天寿を全うする可能性も大いにあります。
多頭飼いのお宅で、もしも猫エイズの子がいたなら、別の部屋で飼うなど、ちょっと大変ですが何か対策する必要があります。
猫エイズは人や動物にうつるの?
猫エイズに感染している猫と一緒に生活するにあたり、やはり気になるのは、他の動物や人間に感染しないか?ということでしょう。
結論から言うと、猫エイズは、人や猫科以外の動物に感染することはありません。
そういう意味では、心配はまったく無用です。
猫のほかに犬を飼っている場合など、特に気になるはずですが、猫エイズが犬に感染することは絶対ににありませんからご安心を。
問題は先述の通り、猫を多頭飼いしているケースです。
とにかく感染を広げないように直接接触させることを防がなくてはいけません。
隔離という言い方はちょっと可哀そうですが、別の部屋で飼う必要があるし、食器などもその子専用のもの用意し、他の子が使わないようにしてください。
猫エイズに感染しているかどうかは、動物病院で血液検査をすれば判明します。
ただ、診断の結果が出るのに概ね1ヶ月程度かかるので、疑わしくて検査する場合は、陰性の診断結果が出て安心できるまで、他の猫との接触はさせないことです。
万が一があった場合、感染が広がってしまいますから。
猫エイズは治るの?治療法は?
もし、自分が飼っている猫が猫エイズだと判明した場合、何らかの治療法はあるのでしょうか?
その答えは・・・
残念ながら、特効薬はありません。
しかし、発症さえしなければ、普通の健康な猫と変わらない生活を送れるので、極力ストレスを与えないようにすることはもちろん、免疫力が低下するようなことにならないよう、日頃から注意してあげるようにします。
もしも、猫エイズに感染していると分かったら以下のようにしてください。
・室内飼い
感染を拡大させないためにも、外には出さないようにします。
しかし、発情期はどうしても外に出たがる傾向があるので、予め避妊・去勢手術がしてあるといいですね。
それらの処置をしていないと、どうしてもその時期は外に出たがります。それを無理やり部屋に閉じ込めておくとなると、猫は相当なストレスを感じるので、いいことではありません。
また、他の病気にも感染しやすくなるので、獣医師と相談の上、ワクチンの接種もしておきましょう。
・他にも猫を飼っている場合
他の猫に感染を拡大させないためにも、可哀そうだけど他の猫とは別の部屋で飼うようにします。
食器やトイレなども専用の物を用意し、世話をした後は自分の手をこまめに洗うようにして、他の猫に感染したらどうしよう?といった不安を取り除きます。
多頭飼いにおける最大の心配事は、やはり感染の拡大です。ちょっと大変ですが、手を抜かず、しっかりお世話してあげましょう。
まとめ
エイズといえばイメージは不治の病です。
自分の愛猫が、エイズと診断されたら、それは落ち込むことでしょう。
しかし、猫エイズといっても、必ずしも発症する訳ではないので、気持ちを切り替え上手に付き合い、最後(最期)までしっかりと愛情を持って育ててあげたいものです。
もしかすると一生発症することなく、天寿を全うできる可能性もあるのですから。
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