ネチケット、あなたは身につけていますか?
ネットの社会にも実社会と同じようにエチケットが存在します。
そして、それを俗に「ネチケット」といいます。
もはや目新しい言葉でもなく、むしろ古い言葉と感じる人もいるでしょう。
「今どきネチケットなんて言わねえよ!」なんてね。
しかしこれだけネット人口が増え、且つ低年齢化している昨今、ネチケットはネットの新参者に教え継ぐべきものといえるでしょう。
相手が見えないネットでのコミュニケーションにネチケットは欠かせません。
知らずにいると、意図ぜず相手を傷つけたり・怒らせたり、あるいは思わぬトラブルに発展することさえあり得るのです。
ネチケット、あなたは身につけていますか?
ネチケットとエチケットとマナー
ネチケットは先述の通り、ネット上のエチケットです。
ネチケットを考える前に、通常のエチケットについておさらいしておきましょう。
エチケットによく似た言葉にマナーがあります。
マナーといえば、連想する言葉は「守る」ですが、エチケットに守るという言葉はそぐわないですよね。
また、マナーはたしかに守ることが重視されていますが、ルール、あるいは法律のような強制力はありません。
要は社会全体で暗黙のうちに取り決められた、なかば常識のようなもの、それがマナーです。
対してエチケットから連想される言葉は「思いやり」や「気持ち」「心」といったところでしょうか。
例えば、混んだ電車で高齢者に席を譲るといった場合、これはルールというよりエチケットです。
ところがその場所が優先席だったらどうでしょう。今度はエチケットよりルールといったニュアンスになります。
このように思いやる気持ちから為せる行為がエチケットです。
誰かに強いられることではなく、他の人や社会を慮って(おもんぱかって)自らが気を付ける、それがエチケットです。
ともすれば特に気を配らなくても誰かに怒られることもないのがエチケット。
ルールよりずっと緩く、しかしある意味ずっと難易度が高いのがエチケットです。
そんなエチケットをネット上に適用したものがネチケットです。
相手の気持ちを考えること、それがネチケットの原点
では、ネット上のエチケットとは何でしょう?
どういったことを指すのか漠然としていて分からない人もいるでしょう。
まず、ネットの大きな特徴の一つに「相手の顔が見えない」ということがあります。当然相手からもあなたの顔は見えません。
また、ネットは基本的に文字で伝える文化だということ。
おもしろいもので、何年も仕事で関りを持っていても、メールでしか接したことがない相手がいたります。
特にそれがネットを契機にした付き合いの場合、仮に相手の電話番号を知っていたとしても、やり取りは全てメールで電話を掛けたりはしないんですね。
最近はチャットワークやラインなど色々あるので、必ずしもメールとは限りませんが、基本文字のやり取り、それがネットです。
「いや、おれはスカイプだから声を聞いて話してるよ」という意見もあるでしょうが、今はそれはおいておいてください。
つまり、ネットは文字によるコミュニケーションだということ。
そのため相手の顔色や口調が分からないので、相手の受け止め方やどのように伝わっているのかが判然としないのです。
そういったことから、時に乱暴な表現になったり、言わなくて(書かなくて)いいことを書いてしまったり、意図せず相手を傷つけたりすることがあります。
そこでネチケットの登場です。
見えない相手、目の前にいない相手の気持ちを考えた「言葉遣い」や「内容」にする心がけ。それがネチケット。
もちろん文章のうまいへたもありますが、へたならへたなりに気を配るということです。
うまく書いた方がネチケット力が上とかそういうことではなく、とにかく自分なりに精一杯気配りをして相手に伝える努力がネチケットです。
そして送信ボタンを押す前に、必ず最低一度は読む直す習慣をつけ、読んだ相手がどう感じるかイメージしてみることがとても大事です。
他にもこんなことがあります。
同報メールなどでやりがちな失敗例。
複数の人に同じメールを送る際、同じ内容なのに個別に送っていたら面倒でたまらんと、宛先(To)に全てのアドレスを入れて一度に送る人がいます。
しかし、これは絶対にNGです。
たとえばあなたとAさん、あなたとBさんは知り合いだとします。
あなたはAさんとBさんに今まさに同じメールを送ろうとしています。
例えばメールアドレスが変わったとか、住所が変わったとかそういうことだとしましょうか。
で、宛先(To)にAさんとBさんを入れて送信します。
するとどうでしょう。
Aさんに届いたメールにはBさんのアドレスが書いてあります。その逆も然り、BさんのメールにはAさんのアドレスが。
ここで、AさんとBさんもお互いに知り合いなら特に問題もないでしょう。
しかし、AさんとBさんは全く面識も付き合いもなかったとしたらどうですか?
あなたは意図せずAさんに他人であるBさんのアドレスを漏らしたことになり、同様にBさんにAさんのアドレスを漏らしたことになります。
こういうことは絶対にしてはいけないし、しないのがネチケット。(いやちょっとルールに近いかな?)
上記の例はAさんBさんという二名でしたが、これが数十名いたらどうでしょう?
何人ものメールアドレスという個人情報をあなたは意図せず大勢の他人に漏らしてしまったことになるんです。
それはさすがに避けたいし、してはいけない行為です。
では、こういう場合、どうすればいいのかというと、宛先(To)を自分自身にして、送りたい相手が何人いても、それら全てのアドレスを「BCC(ブラインドカーボンコピー)」にして送るのです。
そうすればメールの受信者には送信者(あなた)のアドレスしか見えません。
意図せず人のアドレスを第三者に教えてしまうという愚行を防げます。
これもぜひ覚えておきたいネチケットの一つです。
とにかく人の嫌がることや自分がされたら嫌なことをしない、そういう精神や心遣い・心配りがネチケットです。
ネチケットを身に付けるために
ネットを利用していると、悪気はなくても他人に迷惑をかけてしまうケースは少なからず起こり得ます。
それは結果が予想できなかったり、思慮が足りなかったり、要因は様々です。
ネット上のエチケットであるネチケットを身につけるには、ある程度ネットに関する知識も必要です。その上で正しい選択ができる判断力も求められます。
特に難しいことでもないのですが、ルールやマナーなどのように具体的な行動規範が示されていない分だけ難易度は高いともいえるでしょう。
では敷居が高いのかといえばそういうことではなく、自分がされたら不快なことは相手にもしない、絶えずそう心がけることがネチケットの始まりです。
ネチケットはなにもメールばかりではありません。
今やネットの中心とも言えそうなSNSでも、ネチケットを身につけていれば、いらんトラブルに巻き込まれたり、嫌な思いをすることは減るはずです。
また、特にネチケットやマナーの悪い人が多いのもSNSの特徴。
あれはネチケット以前に、顔が見えないので言ったもん勝ちみたいな風潮も無きにしも非ず。
しかしネチケットさえ身に付けていれば、そういった低俗な人たちとは一線を画せるはずです。
まとめ
ネットも黎明期とは違って、今は利用する人のすそ野が広がり、どんな人でも利用します。
その分ネチケットは低下したと言わざるを得ないでしょう。
なぜかといえば、特段これといった行動規範もなければ、最初に教えてくれる人がいるとも限らないからです。
ではどうやってネチケットを身に付けるのか?
それは先述の通り、実社会のエチケット同様、自分がされたら不快なことは相手にもしないこと、そして思いやりや心遣いを忘れない精神。
ネットを利用するときもいつもそういう精神が根底にあれば、自ずとネチケットは身に付いていくことでしょう。
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