禁止の張り紙は多く貼っても意味がない?最も効果的な張り紙とは

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禁止の張り紙は多く貼っても意味がない

駐車禁止や、犬のフン禁止など、いくつもの張り紙が並べて貼ってあるような風景を見たことありませんか?

こうした「禁止」の張り紙を1ヶ所に大量に貼る‥ というのは、実は完全に「逆効果」なんです。

せっかく、禁止したくて張り紙を貼っているのに、貼れば貼るほど逆効果…

なんてことになってしまうと、目も当てられませんよね。

そこで今回は、禁止事項が複数あると、「さらに違反者が増えてしまう」と言える3つの理由と、効果的な予防法をご紹介していきます!

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1.張り紙によって思い出してしまう

禁止の張り紙が逆効果だと言える、最もシンプルな理由は…

「その張り紙によって、その行為を思い出させてしまうから」です。

若干分わかりにくいと思いますので、「ゴミを捨てるな」の張り紙を例にとって考えてみましょう。

つまり、張り紙に「捨てるな」と書いてあったら…

通行人は、「そういえば、ちょうど捨てたいと思っていたところだ」と思い出してしまう…ってことです。

張り紙がなければ、捨てないのに…

例えばあなたが、ゴミくずを手に持って、「ゴミ箱があったら捨てよう」と考えながら歩いていたとします。

この時、もしも周りに全くゴミ箱がない状況なら…

公園やコンビニ、自動販売機周辺など、ゴミ箱のあるポイントまで、「ゴミを手に持っておこう」って思いますよね。

普通は、常識人として「道に捨てよう」なんていう考えは思いもつかず、完全に「忘れて」いるわけです。

でも、そこへ、「捨てるな」と書かれた貼り紙があったら…

あなたは、「ゴミを捨てたい」と考えていたことを思い出してしまいますよね。

張り紙を見るとしたくなる心理

もちろん善良なあなたは、ポイ捨てをしないにせよ、他の一般の人は…

「そういえば、ゴミを捨てたいと思っていたんだ」

って考えますから、「ポイ捨て禁止」の張り紙のある所で、わざわざ捨てていく… ということです。

これは、「張り紙があるせいで違反者が増える」という典型例です。

2.無法地帯だという印象を与える

次は、「1ヶ所に複数」の張り紙が貼ってあるケースを考えてみましょう。

・ゴミのポイ捨て禁止
・犬のフン禁止
・駐車、駐輪禁止

…などなど、
これらの内容が書かれた複数の張り紙が「壁一面」に貼ってあるとします。

あなたはここで、どのような印象を持つでしょうか。

「えっ、ここって無法地帯なの?」と、思わないでしょうか。

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何も貼らなければ、ひょっとしたら違反者は少ないままだったかもしれないのに、「複数」の禁止の貼り紙が貼ってあると…

「こんなにも多くの人が違反しているの?」

という印象を通行人に与えてしまうんです。

こうなると完全に逆効果ですよね。

無法地帯だと思われると…

これは、張り紙によって「無法地帯だ」ということをわざわざ「アピール」しているも同然です。

こうなると、「違反しよう」なんてことを考えもしなかった人でも…

「まあ、無法地帯だし、別にいいか…」

と、考えてしまうんです。

3.違反者をさらに増やすことになる

前項の、「無法地帯だと思わせてしまう」という事とも関連しますが…

「禁止事項が複数ある場合、1つのルールが破られると、他のルールもなし崩し的に破られる」

という鉄則があります。

割れ窓理論とは?

例えば、マンションの壁面に、「ポイ捨て禁止」と「無断駐輪禁止」、2種類の張り紙が貼ってあったとします。

この時、マンションの前にゴミが散乱しているのを見た通行人はどのように考えると思いますか?

「ポイ捨て禁止のルールが破られてるんだから、駐輪禁止のルールも破って構わないだろう」

って考えるんです。

これが、「1つが破られると、もう1つも破られる」という鉄則です。

これを防ぐには、複数を禁止するのではなく…

「1つのルールを徹底的に守らせる」という方法の方が、はるかに効果的なことが分かっています。

これを、【 割れ窓理論 】と言います。

効果的な張り紙は?

以上を踏まえると、禁止の張り紙というのはあまり効果がありません。

人間の心理としては、禁止されるよりも、「道徳心」に訴えられた方が守りやすい、という作用が働きます。

つまり、「ルールを守れ」ではなく…

「いつもルールを守ってくれてありがとうございます」

という内容の張り紙にする…ってことです。

よく、コンビニなどのトイレのドアに…

「いつも綺麗にお使いいただき、ありがとうございます」

っていう張り紙が貼ってありますよね。

あれはまさに、「道徳心」に訴えた張り紙の典型例だと言えます。

まとめ

いかがでしたか。

今回は、「禁止の張り紙」がやたら多いのは「逆効果」だと言える理由についてご紹介してきました。

これを防ぐのが、社会学の理論の1つである「割れ窓理論」です。

要は、あれもこれも、何でも禁止にするのではなく…

1つのルールを完全に守らせて、徹底的に取り締まる… というやり方です。

その上で、「ルールを守ってくれて、ありがとう」と、道徳心に訴えれば、より効果的です。

ぜひ、参考になさってみてくださいね!

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