天津飯って中華料理だと思ってない？関東と関西では微妙な違いも

天津飯は誰でもご存知ですよねｗｗ
具の入った卵焼きがご飯に載ってて、その上からトロットした「あん」がかかったオールインワンの料理です。

上に載ってる卵焼きはカニ玉だったりすることもありますが、卵焼きの具材に絶対的な決まりはなく、事実エビや他の具材も存在します。

で、この天津飯、名前も見た目も中華料理っぽいですが、果たして本当に中華料理なんでしょうか？

というのも、関東と関西で天津飯の趣が微妙に違うんですよ。
それはたしかに関東と関西では食文化が大きく異なるので、天津飯だって違ってもいいんだけど、もし天津飯が本場の中華料理だったら、東西であんまり違いもないような気がして、そこが引っかかったんですよね。

天津飯は中華料理か？

まず結論から言えば、天津飯は中華料理ではありませんでした。
天津はおろか、中国全域どこを探しても、日本でいうところの「天津飯」は存在しません。

カニを用いる芙蓉蟹（ふようはい）、カニを含め他の具材も入る芙蓉蛋（ふようたん）は、いわゆる「中華オムレツ」で中華料理ですが、それを模した卵焼きをご飯に載せた「天津飯」は、名前こそ天津がつくものの、実は生粋の日本生まれの和製中華です。

しかし、もうすっかり日本に溶け込んでいて、クックパッドで「天津飯」と検索しただけでもなんと1100件以上ものレシピが登録されています。
比較的シンプルな料理だと思うのですが、1000を超えるレシピって、どんだけこねくり回しているでしょうね（笑）

ということで、この天津飯、和製中華とは分かりましたが、それがまた、関東と関西では何とも微妙な違いがあるところが興味をそそります。

関東の天津飯

さて、ではこの天津飯、関東と関西ではどん風に違うのでしょう。

まず関東。

関東で一般的な天津飯はまず、あんの色がオレンジがかっています。
これはケチャップを使っているためで、味もいわゆる甘酢あん。まぁ酢豚みたいな感じ？とでもいえばいいでしょうか。

卵に入れる具材はカニやエビ、シイタケやタケノコ、それにネギといったあたりがポピュラーです。
ただ、ご存知のようにカニは高いので、カニ風味のカマボコを使ってるお店も少なくないですね（笑）

盛り付ける器は、だいたいがチャーハンを盛る器。
ちょっと深めのお皿が相場で、ご飯を盛ってその上に丸く焼いたカニ玉風の卵焼きを載せて、その上から先述のオレンジがかったあんがたっぷりかかり、上に数粒のグリーンピースをトッピングするといったあたりがスタンダードでしょう。

中には先述の深皿ではなく、どんぶりで提供する店もあり、そういう場合は天津丼、「飯」ではなく「丼」になっていたりします。
この場合も、上にかかっているあんはオレンジがかったケチャップ入りの甘酢あんが相場ですね。

関西の天津飯

一方、関西の天津飯はというと、まずあんの色が関東のようにオレンジじゃないところが対照的。
これはケチャップを使わずにしょうゆベースの塩だれであんが作られているためで、みためは薄茶色。

また、関東ではトッピングされているケースが多いグリーンピースは関西ではお目にかかれません。
かわりに刻んだネギがトッピングされているというのが相場でしょうか。

また、関東には存在した天津丼は関西にはありません。
そのため関西で天津丼なんてオーダーすると怪訝な顔をされるかもしれませんね。

ちなみに、このケチャップベースのあんと、しょうゆベースのあんの境目はどの辺りかというと、どうやら浜名湖近辺？とのことです。
したがって、名古屋も基本的にはしょうゆベースとなるのでしょうが、あの名古屋のことですから、ユニークな天津飯も存在するのでしょうか（笑）
その辺は未確認です。

まとめ

たかが天津丼ですが、関東と関西では味が大きく異なります。

関東人が関西の天津飯を食べると、何とも気の抜けたパンチにかける味と感じ、関西人が関東の天津飯を食べると、何で甘酸っぱいのか？とか色がオレンジで気色悪いと感じるとのこと。

まぁ、何と言っても関東と関西の食文化は大きな隔たりがありますので、天津飯一つとっても、これだけ違うということです。

なお、関東・関西ともに例外もあることでしょう。
関西でもケチャップ味があるとか、関東でもしょうゆ味があるとか、関西でもグリーンピースが載っているとか、関東でもネギが載っているとか、関西にも天津丼があるなど、教えて下さるのは大変ありがたいのですが、いきなり強い調子でかみついてきたりはしないでくださいね（笑）