統合失調症は早期治療すれば辛い症状を発症する前に治る!?
あなたが心配しているその症状、もしかすると統合失調症かもしれません。
統合失調症は代表的な「心の病気」の一つです。
その発症率は人口の概ね1%、つまり100人に1人くらい発症する病気です。
その割合を多いと捉えるか、少ないと捉えるかは微妙ですが、すごく珍しい病気ということはないので、あなたが仮に統合失調症でも、そう悲観的になる必要はありません。
また、この病気は10~20代、或いは30代前半といった若い年代に多く見られるのも特徴です。
ここでは統合失調症の症状などを解説します。
もしもあなたがそれらにあてはまるなら、早めに医療機関で診察を。
そうすることで、進行を食い止め、本当に辛い症状を呈する前に治せるかもしれません。
統合失調症の症状
統合失調症の症状には、大別すると「陽性症状」と「陰性症状」の2種類のタイプがあります。
それぞれ説明します。
「陽性症状」は幻聴・幻視など、本来聞こえるべきでない・見えるべきでない「…べきでない」ことが「現われている」状態です。
具体的には・・・
・幻聴・幻視などの幻覚や妄想
・思考の停止や途絶、支離滅裂な言語などの思考障害
・激しい興奮や感情の起伏、常同運動など行動上の問題
一方、「陰性症状」は、本来あるべきものや見られるべきものが「ない・見られない」状態です。
具体的には・・・
・興味の喪失や感情の鈍磨
・意欲の低下や会話の減少
要約すると、
陽性症状は「…べきでないものが、ある」
陰性症状は「…べきものが、ない」
そういう状態です。
「陽性症状」は、統合失調症の急性期の特徴的症状で、より深刻な症状とも言えますが、発病後年数が経つほどに、症状の程度は和らぎ、ゆるやかになっていく傾向があります。
対して「陰性症状」は、発病後年数が経つほどに、次第に顕著になる傾向があります。
統合失調症の予兆
統合失調症は、ある日を境に突然発症するのではなく、発症前にはそれまでには見られなかった予兆というか、何らかの異変が現われるものです。
たとえば、以下のようなこと・・・
・睡眠パターンの大きな変化(不眠、昼夜逆転など)
・勉強や仕事の能率・効率・成績が著しく低下する
・猜疑心が強くなるなどといった性格の急変
・気分が冴えずイライラしやすく物事に集中を欠く
・人付き合いが減り、喜怒哀楽もあまり見られない
・周囲の人が違和感を覚えるような言動や行動
・具体性より抽象性を好み、思考が非合理的になる
・壁にいるはずのない蛾や虫がとまって見える
・頭痛や腹痛などといった症状を頻繁に訴える
統合失調症を早期治療する意義
上記のような異変は、程度の差こそあれ、時と場合によっては誰にでも現われ得る現象で、それをはっきりと自分で「異変」と認識することは難しく、また周りの人にしたところで、それを「異変」と決めつけられるものではありません。
それが証拠に、この段階・この程度で精神科を受診する人は多くありません。
しかし、統合失調症の予後、即ち・・・
・今後どの様に病状が進み
・その程度はどれほどで
・進行をどれほど遅らせられるのか
・或いは快方に向かうにはどうすればよいか
などを左右する大きなポイントは、できるだけ早く専門医(精神科)で治療を開始することです。
そして、そのためには前述の異変をできるだけ見逃さず、またその異変を軽視しないことが肝要です。
例えばある時突然、引きこもりになり、学校にも仕事にも行かない。
服も着替えなければ顔も洗わず歯も磨かない。
こういった事態が生じたなら、それは統合失調症を発症しつつあるという予兆かもしれません。
しかしこれだけで精神科に直行する人はまずいないでしょう。
なぜなら、これだけで何らかの病気と考える人は滅多にいませんし、統合失調症を疑う人などましてや稀有だからです。
とは言え、こういったケースでも早めに治療すれば本格的な統合失調症の発症を抑えられる可能性は高まります。
とにかく、早期の治療開始は統合失調症の今後の予後に大きくかかわってくるということを覚えておいてください。
病気の発症後も専門医で治療を受けないでいると、その症状のために発症以前のような生活を送ることは極めて困難になります。
そんなことになる前に、とにもかくにも迅速に治療を開始することが何より肝要です。
まとめ
統合失調症がなぜ発症するのか、実は厳密にはよく分かっていません。
遺伝的になりやすい人が、何らかのストレスが引き金となり発症すると考えられていますが、はたしていかなるストレスがその契機になるのかは解明されていません。
ひょっとするとそれは本人にとってはかなり大きなストレスかもしれないし、日常的な軽微なストレスの積み重ねかもしれません。
しかし、一度発症してしまったら、治療は一般的に長期戦になります。
だからこそ、統合失調症が進行しないように迅速に治療を開始する必要があるのです。
それにより、本格的に発症して辛い症状を味わう前に、以前のようなほがらかな自分が取り戻せるかもしれません。
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