他人と話せない…中学生の子が選択性緘黙症と診断された時の対処法

公開日:  最終更新日:2018/01/17

緘黙症

子供が、「家では普通に話せるのに、外で他人と全く話せない…」

と、悩んでいませんか。

近年、思春期の子供のこうした症状は「場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)」、あるいは「選択性緘黙症」と呼ばれ、『不安障害』のひとつに数えられています。

子供が「外で誰とも話せない」となると、親としてはとても心配になってしまいますよね。

そこで今回は、あなたの子が「緘黙症」と診断されたときの対処法についてご紹介していきます!

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緘黙症は何と読む?

まず、これは「緘黙症(かんもくしょう)」と読みます。

「緘(かん)」なんていう漢字は、「緘黙」ぐらいでしか使いませんから、普通は、初見ではなかなか「かんもく」とは読めません。

そのため、緘黙症に関わった人以外は、読み方すら知らない…

というくらい、まだ社会的にもあまり認知されていない症状です。

実際のところ、あなたの周囲や親戚、学校の教員なども、「緘黙症」についてはほとんど知らない…

というのが、実情ではないでしょうか。

緘黙症とはどんな症状?

緘黙症とは、一言で言えば…

「特定の相手以外とは話せない」という症状です。

最も多いのは、「家族以外と話せない」というケースです。

逆に言えば、「家族となら普通に話せる」ということですから、緘黙症の子供の家族にしてみれば…

「家では、普通に話せてるんじゃないの?」

と思ってしまいがちです。

そのため、緘黙症の子供は、なかなか周囲からの理解が得られない… という現状があります。

場面/選択性緘黙症

緘黙症はこのように、「家なら話せる」「親友となら話せる」というように、『場面を選んで黙る』という特徴があるため…

「場面緘黙症」

または

「選択制緘黙症」

と言います。

緘黙症の子供への4つの対処法

子供が「場面/選択性緘黙症」と診断された時に、親として必ず知っておかなければならないポイントは4つあります。

1.緘黙症は病気ではない

最も重要なポイントは、「緘黙症は病気ではない」ということです。

ですので、緘黙症の子供が医学的な検査を行ったしても、脳機能や行動・学習などには異常が見られないというケースがほとんどです。

ですので、親としては…

「緘黙症は、病気ではないのよ」

と、子供に対して優しくフォローしてあげる必要があります。

「異常」だと決めつけてはいけない

ここで、最もやってはいけないのは…

「何か異常があるはずだ」

と、親や本人が決め付けてしまうことです。

特に、思春期の女の子の場合、「友達と話せない」ということが大きな悩みになりますから…

「病院で、精密検査を受けた方がいいのかしら」

と、自ら考えてしまいがちです。

でも、緘黙症というのは、あくまでも精神的な「社会不安障害」の一種ですから…

いくら検査をしてみたところで、体内には何も異常は見つからないんです。

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それなのに、「異常があるはずだ!」と決めつけて、検査のためにお金や時間を使うなんて無駄なことだと思いませんか?

また、それによって、さらに「自分を追い込んでしまう」という悪循環に陥ってしまいます。

2.薬を飲ませてはいけない

緘黙症は「病気」ではありませんから、基本的に投薬の必要はありません。

病院で薬を出してもらっても、「抗うつ剤」などを処方されるだけです。

でも、緘黙症は「うつ」とは違いますから、抗うつ剤は「全く関係のない薬」ってことになります。

というよりも、そもそも緘黙症に効く薬なんてないんです。

3.適度なカウンセリングが有効

薬よりも、むしろ有効なのは「カウンセリング」です。

緘黙症は、「外部の社会に対する不安」が高じて起こる「社会不安障害」の一種なので、適度なカウンセリングを受けることで、症状が緩和するケースがあります。

強制するのはNG

ただし、強制はいけません。

もしもあなたの子が、「カウンセリングなんて行きたくない!」と言っているなら、無理をさせてまでカウンセリングを受けさせるべきではありません。

カウンセリングを継続させるべきか否かの基準は、子供と医師との間の「信頼関係」です。

信頼関係が育まれていない人からカウンセリングを受けたところで、効果は現れにくいんです。

子供にとっては、「全然知らない人の話」ですから、いくらカウンセリングをされても頭に入ってきません。

そもそも緘黙症の多くは、「時間が解決する」というケースがほとんどです。

逆に言えば、薬やカウンセリングなどで劇的に改善する… というのは、残念ながらレアケースなんです。

カウンセリングを嫌がる子供には無理はさせず、「医師を信頼している」という場合にのみ受けさせるようにしましょう。

4.時間が解決する

「緘黙症を今すぐに治す方法」というのはありません。

むしろ、「今すぐ直そう」と焦ってしまうと、さらに子供の不安を募らせることになります。

多くの場合、緘黙症は「思春期の子供の症状」として位置づけられていて、「時間」や「慣れ」によって自然と緩和していきます。

逆に言えば、緘黙症に対してできることは、自然と話せるようになるのを「待つ」ことだけなんです。

まとめ

いかがでしたか。

今回は、子供が「場面/選択性緘黙症」と診断されたときの対処方法として…

1.
緘黙症は病気ではない

2.
薬を飲ませてはいけない

3.
適度なカウンセリングが有効

4.
時間が解決する

…以上4つのポイントについてご紹介してきました。

結局のところ、緘黙症は子供の中の「不安」が大部分のファクターを占めているため、劇的に改善させる方法というものはありません。

「改善できるか否か」は、すべて「本人次第」です。

ですので、あなたは親として、緘黙症の子供に対し…

「無理に話そうとしなくてもいいよ」
「いつか話せるようになるよ」

と、決して焦らず暖かく見守ってあげるようにしましょう!

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