夏生まれの男の子の名前に夏にちなんだ漢字を使うときの注意点
夏に生まれてくる男の子の名前に、「夏にちなんだ漢字を使いたい」と考えていませんか。
それはそれでいいのですが、「夏」にばかりこだわって本来の名付けのルールを無視してしまうのは考えものです。
なぜなら、将来あなたの子が「キラキラネームだ!」なんて言われてかねないからなんですね。
そこで今回は、夏生まれの赤ちゃんの名前に人気の、「夏」「渚」「凪」「海」などの漢字のルールについてご紹介していきます。
漢字の読みを切ってはいけない
まず、夏生まれに限らず、名付け全体に共通するルールとして、「漢字の読みを途中で切ってはいけない」という原則があります。
渚=なぎ?
例えば、夏生まれの男の子に人気の名前で、「渚斗」というのがあります。
読みは「なぎと」です。
「斗」は、近年の男の子の名前の定番ですよね。
でも、これに「渚」をつけて「渚斗」にしてしまうのは、残念ながら、キラキラネームに該当します。
なぜなら、「渚」の読みはあくまでも「なぎさ」であって、「なぎ」という読みはないからです。
それなのに、「なぎ」で切ってしまうと、見る人が見れば「キラキラネームだ!」と思われてしまうわけです。
夏=な?
同様の理由から、「夏」という漢字を「な」一文字だけで読ませてしまうのも、やはりキラキラネームです。
例えば、「夏緒」と書いて「なお」と読ませたりするケースです。
この場合、「なお」という名前にしたいのなら、「奈」や「菜」など、きちんと「な」という読みがある漢字を使用するべきです。
「夏生まれだから」というだけの理由で、「夏」を「な」と読ませたり、「渚」を「なぎ」と読ませたりしてはいけない…
これが、名付けの基本ルールです。
「渚」は女性向け?
夏生まれの赤ちゃんの名付けで、「渚」という漢字は非常に人気があります。
「美しさ」を連想させるからでしょう。
しかし、そもそも「渚」という漢字は、それ自体が「女の子向け」の名前です。
「大島渚」という映画監督がいましたが、この人は有名になったから認知されているのであって、一般の男性が「渚」という名前だったら、やはり誰が見ても「女の子っぽい」と感じるはずです。
「渚斗(なぎと)」「渚也(なぎや)」などは、近年男の子の名前として非常に人気はあるのですが、やはり「漢字自体が女の子っぽい」という印象は否めません。
「凪」は人名漢字?
ここまでをお読みになって、
「渚が女の子っぽいのはわかった、では、凪なら問題ないだろう」
と、お考えになったかもしれません。
しかし、「凪」にも若干の問題があります。
それは…
この字が、人名として使用が認められるようになったのは、1990年のことで、「人名用漢字としては非常に歴史が浅い」という点です。
以前は、「凪」の字は人名として使用されていなかったわけですから、歴史上の人物や過去の有名人に「凪」の字を使った人物は当然いません。
日本で作られた漢字
また、「凪」の字は、「国字」です。
国字とは、中国から伝わった本来の漢字ではなく、日本で独自に発明された文字のことです。
その証拠に、「凪」を使った熟語というものは、ほとんどありません。
そのため、漢字の説明をするときに、「〇〇の凪です」という説明ができない、という問題があるわけです。
まとめ
いかがでしたか。
今回は、夏生まれの男の子の名前として近年人気の漢字について…
・「渚」は女の子向け。男の子の名前としてあまり向いていない
・「凪」は日本で作られた国字で熟語が殆どなく、人名漢字としての歴史も浅い
・「夏」「渚」を「な」1文字で読ませるのはキラキラネーム
以上のポイントについてお話してきました。
つまり、「今流行りの名前だから」というだけの理由で名前を付けてしまうと、後に「キラキラネーム」だと言われてしまう恐れがある…ということです。
あまり「夏」ということにこだわりすぎると、肝心の、「親の願い」や「子供にどのような人間に育って欲しいのか」というような思いが希薄になってしまいます。
そもそも、「季節にちなんだ名前をつけるべき」なんていうルールありません。
名づけの際は、季節や字面などにはあまりこだわらず、純粋に「子供の将来」を考えるようにしたいものです。
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