ストレスがたまる仕組みや弊害とストレスの発散法&解消法
現代はストレス社会といわれています。
仕事や人間関係、家庭や健康、どれもストレスをため込む要素を含んでいます。
でもストレスってそもそも何なんでしょう?
病気というわけじゃないし、そういわれると具体的にイメージしにくいものです。
ところが、ストレスを放置すると、精神的にも肉体的にも病気の引き金になったりもします。
そう考えると、ストレスを溜め込むのは良くないということだけは分かります。
ここではそんなストレスについて考えてみます。
ストレスの仕組みとストレスの持つ意味
ストレスとは端的に言えば、外部から「刺激」を受けて体に起こる反応及びその原因となる「刺激」に他なりません。
例えば輪ゴムがあるとします。
輪ゴムは引っぱれば伸びて、離せば元のサイズに戻ります。
この伸ばした際の力(刺激)がストレスに相当します。
(輪ゴムは伸びるのが仕事なので、あくまで例えです)
人間の体も、ストレスを受けて精神的もしくは肉体的に何らかの症状が出ても、休んだり時間をかけたりすれば基本的に元の状態に戻ります。
これを生体恒常性といい、傷んでも正常な状態に戻そうとする力が体に備わっているのです。
ところが、輪ゴムも伸ばしっ放しにして、時間が経過すると劣化して元のサイズには戻らなくなります。
あるいは、引っぱり過ぎると切れてしまうこともあります。
同じ様に、人間の体も、外的チカラ=刺激=ストレスに強く・長くさらされると、生体恒常性が働かなくなります。
つまり自らの力では回復が難しくなるのです。
だからストレスの影響を強く受け過ぎないようにコントロールする必要があるのです。
ではストレスは全く存在しない方がいいのでしょうか?
先述の流れから言うと、ストレスは存在しない方がいいように思えますよね?
ところが、実は私たちはストレスを感じるからこそ生きていられるのです。
ちょっと矛盾しているように聞こえますが、以下に例を示しましょう。
例えば、「疲れ」というストレスを感じなければ、人間は自分が疲れているのに気がつかず、仕事なら働き過ぎ、スポーツなら止めるタイミングがつかめずに体を壊してしまいます。
また、「不満」というストレスがなければ向上心は薄れ、努力する気持ちが起きにくくなります。
更に、「不安」というストレスも同様に、向上心や努力する気持ちを削ぎ、現状から抜け出す勇気を持つことに消極的になるでしょう。
極めつけは、「暑さ・寒さ」を感じなければ、身を守ることも忘れ、生死にかかわる大問題になります。
そういうことで、ストレスは必要ということになるのです。
ある有名なストレス学者は「ストレスは人生のスパイス」と言ったそうですよ?
ストレスに悩まされている身としては、そんなスパイスなんて悠長なことは言っていられませんが、ストレスというスパイスがあるからこそ、人間は人生をよりよく料理して、自分を向上させながら生きていけるということのようです。
そういうことで、生きている限りはずっと関わり合うことになるストレス。
どうせ終生関わるのなら、上手な付き合い方を考えなければいけませんよね?
ストレスを募らせて生体恒常性を崩さないように、考え方や行動の仕方、更には生活習慣を見直していくことが肝要です。
たとえば、考え方が万事にマイナス思考だったり、人に気を使いすぎていたり、周りの人の目ばかり気にしているとストレスは溜まる一方です。
また、日々頑張りすぎの生活を送っていたり、逆に乱れた生活習慣が身についていたり、楽しみや張り合いのない生活などを続けているとストレスは解消されません。
ストレスの影響を受けすぎないためには、日頃から自身の状況をよくチェックし、ストレスとの付き合い方を見直していく必要があります。
ストレスによる弊害
ストレスは、自覚症状がないうちに溜まっていきます。
気がついたときには深刻な状況になっていることもしばしば。
以下のような症状があれば気をつけるべき時かもしれません。
・毎日毎日忙しい
・睡眠が浅く、よく休めていない
・食欲に変化が生じた気がする
・憂鬱になることが多い
・最近外出が億劫になった
・趣味に楽しみを見いだせない
・何となくいつも倦怠感を感じる
・以前はなかった肩こりを感じる
・緊張を強いられる事柄が多い
・最近人生にとって大きな転機が訪れた
・胸の内をざっくばらんにぶちまける機会がない
・周囲に気を使い、自分の評価が気になりすぎる
・どちらかというと何でもマイナスに考えやすい
・自分自身に不満を感じすぐに腹がたつ
・他人や物事の些細なことにも苛立つことが多い
・何かにつけて焦りを感じ、落ち着けない
あなたが上記のいくつかにあてはまるなら、ほぼ間違いなくストレスが溜まっています。
このまま放置してストレスがどんどん蓄積されると、心身共にまいってしまい、心の病気・体の病気を招く可能性があります。
ストレスに起因して起きる「心の病気」としては、「うつ病」や「神経症」が挙げられます。
上記のいくつかの症状には、もはや軽い「うつ」の症状も含まれています。
また、ストレスに起因して起きる体の病気としては、「胃潰瘍」「過敏性大腸症候群」など内蔵系のものから、
「本態性高血圧」「片頭痛」「気管支喘息」「アトピー性皮膚炎」「円形脱毛症」など幅広い疾患がみられ、その病気の種類は100を超えます。
このように過度のストレスは実際の病気という弊害をもたらします。
だから溜め込むのは危険なのですが、好き好んでストレスを溜め込む人はいませんよね?
そこで・・・
ストレスの原因やストレス自体をなくすことはできませんが、ストレスを溜めこまないように工夫する方法ならありますのでご紹介します。
ストレスの発散法&解消法
ストレスの発散法や解消法には大きく分けて、「考え方」でストレスを減らす方法と、「行動」でストレスを減らす方法があります。
まずは「考え方」でストレスを減らす方法
それは、ストレスが起きたときにそのストレスと格闘するのではなく、うまく付き合っていくことです。
例えば、失敗を恐れずに向き合うこと、何かに直面したら距離を置いて「考えないようにしたり」「忘れたりする」こと。
あるいは、必要なら自ら反省したり謝罪したりします。
それで円滑になることも少なくなく、それによりストレスは軽減されます。
また時には、逆に責任から逃げたり、かわしたりすることも必要です。
これはずるいのではなく自己防衛に近いものです。
世の中は理不尽で、時にあなたに非がなくても責任を押し付けられることがあります。
その様な時には有効です。
そうすることでストレスに晒されずに済むこともあります。
それが正義に基づいて行われても尚気になるなら、先述の通り「考えないようにしたり」「忘れたりする」こと。
また、自分ではどうすることも出来ない時は、社会的支援を求めて、相談機関や専門家に相談することでストレスが軽度で済む場合もあります。
次に「行動」でストレスを減らす方法
疲れが完全に溜まってしまう前に、意識的に休憩や休息をとります。
人間には思考的にも体力的にも限界というものがありますので、根をつめ過ぎて仕事などに過度に集中するといずれ緊張の糸が切れます。
そうなる前に意識的に休むのです。
そうでないと気がついたときには激しい疲労感におそわれます。
疲れを感じ始める少し前に、席を立って軽い運動をしてみたり、少し歩いてみたり、コーヒーを飲むなどのちょっとした休憩をとることでストレスはだいぶ軽減されます。
特に、1日中デスクワークでパソコンの画面を見ているような仕事の人は、1時間~1時間半に1回は休憩が必要です。
また他には、ストレスを発散させることができる趣味などを持つことです。
何でもいいので好きなことに打ち込むことで、精神的疲労から一時的にでも解放されますから、日々のストレスから意識をそらすことが可能になります。
時間がなくても1週間に1回、たとえ1時間程度でもいいので、自分の好きなことに思いきり時間を使えたらその間は精神が解き放たれますので、ストレス軽減に大いに役立ちます。
特に、日常とは違った場所で行う趣味やスポーツなどは、解放感を感じやすく効果的です。
気晴らしとはよく言ったもんで、日常から解放されと本当にリフレッシュします。
旅行や行楽などもとても効果的でいいと思います。
とにかく日常から少し距離を置くことが大切です。
まとめ
さて、ストレスの仕組みや弊害、対処法などを記してきました。
ストレスは目に見えないうちにじわじわと心の内に溜まっていくので、時に気づくのが遅れることがあります。
ストレスに耐性のある人(感じにくい人)もいるにはいるのでしょうが、ほとんどの場合ストレスは心身を蝕みます。
手遅れにならないうちに自分で自分をケアすることが大切です。
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