人気の糖質制限ダイエット、その裏に潜む危険を知ってる?
人気の糖質制限ダイエット。
ほとんどのダイエット法があっという間に忘れ去られるのを尻目に、糖質制限ダイエットの人気は日を追うごとに高まるばかりです。
手軽で効果も表れやすいというところが指示される理由でしょう。
しかし、このダイエット法、本当に手放しで歓迎していいのでしょうか?
今日は、糖質制限ダイエットに潜む危険についてスポットを当ててみましょう。
糖質制限ダイエットの手軽さ
注目され始めてからというもの、衰えることのない糖質制限ダイエットの人気。
納豆だバナナだリンゴだと、数え上げればきりがないほど○○ダイエットは日々登場しますが、そのほとんどはあっという間に消えていき、二度と話題になることもありません。
もっとも一部定着するものもありますが、中にはまったくのガセといったダイエット法も少なからずあって、人間の痩せたい願望の強さが垣間見えます。
そんな中、この糖質制限ダイエットが根強い人気を誇るのは、簡単に取り組めて、且つ効果も表れやすいというのが一番の理由でしょう。
なんといっても、その名の通り、糖質を制限するだけというダイエット法です。
簡単に言えば、糖質 イコール 炭水化物をカットするだけ。
つまり、米・パン・麺類といった主食と、甘いものや糖度の高い果物の摂取は控えるけど、それ以外の食材は満腹になるまで食べてもいいよ♪ というもの。
これが、大まかに言えば「糖質制限ダイエット」です。
たしかに、炭水化物以外なら何を食べてもOKというのはダイエットとしては精神的にかなり楽です。
野菜はもとより、お肉やお魚、卵も問題なく、また種類さえ気を遣えばアルコールだって問題ない。
つまり制限されるのは一部のものだけで、ダイエットにつきものの空腹感やストレスが大幅にに軽減されているのです
しかし、多くの人は知らないはずですが、この糖質制限ダイエット、元々は糖尿病患者や重度の肥満の人のために考案された食事療法です。
仕組みはこう。
炭水化物の供給を断つ、つまり炭水化物を摂取しないと体内の糖質が失われますが、糖質が失われると、体内では代わりに肝臓に所蔵しているグリコーゲン(糖質)が消費されます。
これは学校でさわりだけはその昔に習ったはずなので、何となく記憶にある人もいるかもしれませんね。
グリコーゲンには糖質1に対して3倍の水分が付着しているのですが、グリコーゲンが消費されることにより、つまりその3倍の水分が減少するので体重が落ちるということです。そして効果は比較的すぐに現れます。
糖質制限ダイエットをすることで、グリコーゲンが消費され、それに伴い水分が大量に減っていくのでみるみる体重が落ちる、それは自分自身、体重計で確認できるので効果がつぶさに確認できる、それもやったことといえば主食を抜いただけ。
こうなると、人はたちまち虜になり、糖質制限ダイエットの信者になるのです。
糖質制限に潜む危険
糖質制限ダイエットは、先述の通り元々は糖尿病患者や重度の肥満の人のために考案された食事療法です。
「療法」というくらいですし、専門的知識のある人の指導の下に行うべきものという解釈もあります。
実際、糖質制限に慎重な立場をとる専門家もいて、あくまでも治療として短期間取り込むのは問題ないとしても、長期間にわたって糖質を制限すると弊害が生じるという意見もあり、それには注意深く耳を傾ける必要があります。
第一に、糖質は脳にとって唯一のエネルギー源であり、かつ大量に消費されるということ。
その糖質が恒常的に不足すると集中力の低下を招き、判断力が鈍ったりイライラすることが多くなるというもの。
また、糖質制限ダイエットは、今更言うまでもなく炭水化物を基本的に摂取しないものですが、他にほぼ制限がないということは、炭水化物が減った分、必然的にタンパク質や脂質の摂取量が増える可能性をはらんでいます。
タンパク質や脂質の摂取量が増えると血行が悪化して、いわゆるドロドロの血液になる危険があるのは何も大袈裟な話ではありません。
これにより動脈硬化や心筋梗塞のリスクが高まるのです。
また、特に注意したいのが、閉経後の女性や高齢者が糖質制限ダイエットに取り組もうとした場合です。
過度の糖質制限は、著しい筋力の低下と体内のタンパク質の消費を招きます。
これは糖質エネルギーの不足を補うために、体が筋肉を分解してアミノ酸に変えたり、タンパク質を消費することでエネルギーを補おうとするために起こります。
タンパク質が必要以上に消費されることで骨は脆くなり、骨粗しょう症の引き金になります。特に閉経後の女性には看過できない問題です。
また、筋力の低下は転倒など高齢者にとっては危険で、且つ上記の通り骨も脆くなっていることで、即、骨折につながるケースも散見されます。
骨折をきっかけに万一寝たきりなどになると、認知症を招くといった最悪の事態も想定しなくてはなりません。
こうしてみると、糖質制限は安易に取り組むと危険な面も多々あることに気づくでしょう。
糖質制限ダイエットは加減して取り組む
思うに、何でもそうですが、程度問題だろうと思います。
糖質制限ダイエットを否定するものではなく、過度にやり過ぎるのはいかがなものか?ということ。
朝はご飯を食べ、昼はパンを食べ、夜はおかず、あるいはお酒を飲む人ならおつまみだけで主食はやめておく。
こういった程度なら、糖質の不足による弊害は決して起こりません。
なぜなら、朝も昼もしっかり炭水化物を摂っているからです。
しかも摂取するのが朝と昼なら、その後もアクティブな時間帯なので有効に消費され、皮下脂肪としてあなたを悩ますこともないでしょう。
逆に夜は炭水化物を抜くことで摂取カロリーを制限できます。
そういう生活を10日も過ごせば身体は生活パターンの変化に気づき始めます。
そうすればしめたもの、最初は現状維持でも少しづつ体重は減りはじめ、それを時系列にグラフにするなら、時間と体重は正比例ではなくある時期から反比例の曲線のような形状を描きはじめ、3ヶ月もすれば身体が軽くなっている自分に気がつくはずです。
飲んで帰ることもあるはずだから、そうそううまくもいかないはずですが、飲んだ帰りに、〆の一杯などと1000キロを超すようなラーメンを食べたりするのは控えたいものです。
まとめ
そもそも、糖質制限ダイエットは、先述のように病気の人のために考案されたダイエットです。
健康な人が何も考えずに糖質制限に突っ走っては弊害があるのも当然の話で、度を超すと危険性さえあるのです。
糖質制限はやり過ぎなければ良いダイエット法です。行うならやみくもにただ主食を抜くのではなく、無理ないよう程度に気長に取り組みたいものです。
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