社会に出たらバイト敬語の妙な言い回しや若者言葉にご用心

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言葉遣い

バイト先で接客の際に正しいと思い込んで使っている言い回しや敬語と思い込んでいる言葉遣い、
あるいは同年代同士でごく普通に日常会話の中で使っている言葉、
実はそういったものの中には誤った使い方が平然と為されているものが少なくありません。

同年代の仲間内で使う分にはいいのでしょうが、いつか社会に出ると通用しないものも多く、改めないと恥をかくうえ、昇進にも影響します。
そういった言葉のマナーは数多くありますが、そんな中で、今日は妙なバイト敬語(主に接客業)と、大人に嫌われやすい若者言葉を取り上げます。

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バイト敬語の妙な言い回しにはご用心

コンビニやファミレス、ファーストフードなどで、「おっかしなこと言うな?」と思う敬語に接することは少なくありません。

例えばレジでのやりとり。

1,000円渡すと、アルバイトの店員が「 1,000円からお預かりします。」なんて言います。
そして今度はお釣りをくれる際「300円になります。」などと言ったりします。

この「から」や「なります」を聞いて、ちょっと変だなと思わなかったら、あなた自身の言葉遣いも怪しい可能性があるので、見直してみる必要があるでしょう。

他にも「お茶のほうはおいくつお持ちしましょうか?」とか「お待ちいただく形になります。」とか「ご精算でよろしかったでしょうか?」など、
なんでそうなってしまうのだろう?と疑問に思う「敬語」がやたらと普通に使われています。
時にはその言い方と相まって腹立たしい感覚さえ覚えますが、そう感じるのは決して私だけではないでしょう。

学生時代のアルバイトで、もしもこうした「バイト敬語」に慣れてしまって抜けない人は要注意ですよ。

バイト敬語の例と解説

1,000円からお預かりします。

よくコンビニやファミレス、ファーストフードなどで聞くこの表現。
一般にこの「から」と言う言葉は、「 人」から「もの」を預かるといった使い方をするもので、「もの」である1,000円「から」預かるという表現はどうしたっておかしいのです。
それこそ普通に「1,000円お預かりします」 でいいし、それに違和感を感じたり無礼だと思う人などいません。

~のほうをお持ちしました。

よく、喫茶店やファミレスなどで聞く「~のほうをお持ちしました」という表現。
「ほう」は「方」でもあり、複数ある中の一つを表すのが一般的。
つまり選択肢を表す用法なので、例えば食事と飲み物を頼んだ客に「お飲み物のほうはいつお持ちしますか?」と尋ねるのはかまいませんが、飲み物だけなら「お飲み物(コーヒー等固有名)をお持ちしました」が正しいのであり、「お飲み物のほうをお持ちしました。」は誤り。

ご注文は以上でよろしかったでしょうか?

注文が終わった直後に訊かれる言葉としては違和感たっぷり。
たった今注文を終えて、それを確認しているのに、「よろしかった」というように過去形で尋ねるのは誤りです。
時間の経過で考えれば、たった今ではあっても、確かに既に聞き終わった注文に対する確認と解釈すれば、「よろしかった」と過去形でも絶対間違いとは言いませんが、「なぜ過去形で聞くのだろうと?」耳障りでもあります。
「以上でよろしいでしょうか?」で十分だしそう言ったほうがスマート。

〇〇になります。

注文したものを運んでくる際に「〇〇になります」と言われることがあります。
「なる」という言葉は、一般に状態の変化を表すため、料理が出来上がったという意味では「○○になります」でも必ずしも間違いとはいいませんが、客としてみると、別のものからこの料理に「なった」ような違和感を持つので「○○でございます」と言った方がベター。

○○分ほどお待ちいただく形になります。

混雑時に席が空くのを待ったりする際、「○○分ほどお待ちいただく形になります。」などと言われることがあります。
しかし、「形になる」という表現は、「実態はさておいても表面上はこうなる」ということを表す婉曲表現。
待ち時間は間違いなく実態なので、「形になる」というのはおかしいといえます。
この場合は、「形」ではなく「こと」に置き換えて、ずばり「お持ちいただくことになります」と言わなければいけません。

同年代同士で使う今どき言葉の是非

若者言葉と言っては何やら表現が古臭いですが、若い人だけに流通する言葉という意味では「若者言葉」ともいえる類(たぐい)の言葉たちがあります。
以下に掲載したような言葉は、社会に出たら使わない(使えない)と心得るべき言葉たちです。
仲間内で使うのは自由ですが、正しい言葉遣いもできるようにしておくのが望ましいでしょう。

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~っていうか

っていうか(笑)、表現や例えが難しい言葉ですが、強弱は別として打消しの意味を含むので、本来はその後に補足や言い換えの表現が続くべき言葉でしょう。
しかし、使用される場面を見ていると、相手の話の途中で「~っていうか」と割り込む際に使われたり、「~っていうか、マジ腹へった」みたいに何の脈絡もなく使われることが多いようです。
不快に感じる大人は多く、社会人になったら私的な時間以外に使うのはNG。

わたし的には

そもそも日本語に「わたし的には」という表現・用法はありません。
「私は」とか「私としては」とか「私としてみれば」と表現すべきものが、「わたし的には」と言うことにより、「わたし」という主体をぼかし、自らの主張の強弱を調整しているものと思われますが、大人の社会で通用する表現ではありません。
とは言え、前述の「~っていうか」ほど違和感もないので、私的には(笑)あえてこう言った文章上では使うこともあります。

なにげに

そのままズバリ「なにげなく」「なにげなしに」を短縮した言葉です。
会社や公的な場では使ってはいけませんが、それこそ「なにげに」便利な言葉でもあるので、私個人的にはこういった文章上ではあえて使うこともあります。
また、使われ始めたのは比較的古く、あまり公的な場でなければ40歳前後の世代までは許容される可能性が高いかもしれません。
とはいえ、やはり社会人としての発言に使うべきではありません。

全然いいです

「全然いいです」「全然OK」などと、普通に(後述)使われていますが、全然は基本的に否定形とセットになるケースがほとんどなので、全然のあとに「いい」とか「OK」を用いると違和感を感じる人も少なくありません。
特に比較的高年齢の人からは受け入れてもらえない可能性が高いので、「全然いいです」ではなく「全然問題ありません」といった表現を使う方が無難です。

みたいな

これはそれこそ、なにげに(笑)使われているでしょう。
「みたいな」は本来、何か似たものの例えや、「無理みたいだ」などといった場合の推測の表現です、
最近は「今日はもう無理、みたいな話でした」といった具合に、状況説明の引用に使われることもあります。
ただ、若い人の間では、とりあえず語尾に「みたいな」をつけて、曖昧にする、あるいはぼかす、または特に意味もなく使われる風潮があります。
もちろん会社や公的な場では使ってはいけません。

逆に

「逆に」という表現は、元となるものがあって、その反対を指すとき、あるいは言うときに使う言葉ですが、元も何もなく、たとえば「逆に疲れますよね」みたいに、脈絡なく接続詞のように用いられるケースが多いようです。
元となるものがないのに「逆に」とか言うと、「いったい何が逆なんだ!」となって、あまりよく思われません。会社などで使うのは避けた方が無難です。

普通に

「普通に」は使われ方が極めて多様で、それこそ普通に使われることもあれば、普通の普通と違った使われ方もしているようです。
近況を聞かれて「普通に学校行ってる」と言えば、それは「特に問題なく」とか「変わりなく」という意味を表し、何か食べて「普通においしい」と言った場合には「及第点、もしくはそれ以上」というある種褒め言葉的意味合いも持ちます。
また、「普通にムカつく」といった場合には、「ストレートに」ムカついているという意味を表しているでしょう。
しかし、世間では「普通に」は文字通り「普通」の意味しか持ちませんので、普通じゃない使い方はNGと言えます。

一応

「一応」も一応は極めて普通に使われる言葉ですが、これまたちょっと曖昧な意味を持たせた「ぼかし表現」とも取れます。
発言の頭に「一応」をつけるだけで、何やら一歩消極的で内容をぼかした表現になり、使い方によっては便利かもしれませんが、「一応、頑張ります」「一応、責任を持ちます」なんて言っていたら、会社ではまったくあてにされません。

というか

「~っていうか」や「逆に」に似てますが、「というか」と言ってはすべての事柄に否定形から入る人がいます。
頻繁に使うとほとんどの場合不快に感じられるので、やめたほうがいいでしょう。
というか(笑)、会社や公的な場では使ってはいけません。

まとめ

おかしげないい方は実にたくさんありますね。
ほかにも「ら抜き」言葉などもおかしい部類に入るでしょう。
美しい日本語を使えとまでは言う気もありませんが、その場その場で恥ずかしくない言葉は身に着けておくべきです。

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