やけど虫とは？その生態や被害と症状。やけど虫の駆除の仕方

セアカコケグモが発見され注意が呼びかけられていますが、それと同時に「やけど虫」も発見されました… と。

やけど虫？

初耳でしたが、どうやらヤバイ虫のようです。

名前だけ聞くと、触るとやけどする位熱いの？って思っちゃいますけど、どうやら違うんですね。

・やけど虫っていったい何もの？
・刺されたらどうすれば良いのか？
・退治するにはどうすれば良いのか？

などなど、やけど虫について色々調べてみることにしましょう。

やけど虫って何なの？

「やけど虫」なんて馴染みのない名前ですが、正式名称は「アオバアリガタハネカクシ」という昆虫です。

やけど虫は卵の時から成虫に至るまで、そして死んでからも（干からびるまで）、ずっと体内に有毒物質を溜めこんでいます。
虫を叩いたり払ったりすると体液を糸のように出すのですが、その体液はもちろん有毒物質です。

その有毒物質であるところの体液が、人の皮膚に付着したりすると… 数時間後に水疱のようになり、やがて水疱が火傷の痕のようになります。
体液が付いただけで火傷みたいになっちゃう！？ところから「やけど虫」という名前がつきました。

やけど虫はどんな姿形をしているのかというと、体長は6～7ミリ位で細くて小さな虫です。見た目はちょっとアリに似ていますが、体は黒とオレンジが交互に配色されています。
頭部は黒、胸部は二つに分かれているようで、頭部よりがオレンジ、その後ろが黒、腹部は配色が二分割され、胸部よりがオレンジ、その後ろが黒といった配色。
とにかく、黒とオレンジの交互の配色の虫です。

日本全国に生息し、水田や池・湿地などの少し湿った場所を好み、6月～10月位が主な発生時期です。
臆病な虫で人に危害を加えようとはしませんが、服に付着したやけど虫をむやみに払い落としたり潰したりすると、体液が糸のように付いて、その部分がやけどのようになってしまいます。

知らないうちに服についていた虫を払いのけた結果、やけどの痕みたいになっちゃった経験がある人。
それは、やけど虫の体液が付着したのかもしれませんよ…。

やけど虫に刺されたらどうなる？

やけど虫は刺すのではなくて、体液が付着することで症状が現れます。

経過としては、やけど虫の体液が付着して約2時間程度で赤く腫れ、やけどをした時のように水疱ができます。
皮膚の薄いところに付着すると、症状はなおひどくなるようです。
万が一目に入ってしまった場合、結膜炎や角膜炎、虹彩炎を引き起こし、最悪の場合失明してしまうことすらあります。

もし、体液が付着してしまった場合の対処法ですが…
まずはよく洗って患部の拡散を防ぎましょう。
また、やけど虫の体液がついた手で色んな箇所を触ったり、こすったりしないようにします。
とにかく、なるべく被害を拡大させないようにすることが大切です。

やけど虫の体液が付いた場所によっては、腫れがひどくなるところもあり、放置しておくと回復が遅れるだけでなく、色素沈着してアザのようになってしまうこともあります。
できるだけ早めに皮膚科などの医療機関で診てもらうようにしましょう。

やけど虫はどうやって退治する？

触ると危険なやけど虫ですが、もし近くにいるのが分かれば、「とにかく逃げる」というのが一番です。
手で触ったり、叩き潰してしまうと大変なことになっちゃうので、とにかくその場を離れるに限ります。

もし、服に止まったりしたときは、慌てずに息を吹きかけて吹き飛ばしましょう。
吹いても飛ばないようなら、薄手の紙などで虫を刺激しないようにすくって捨てるのがいいですね。

やけど虫を殺すには直接触らず殺虫剤が無難です。
ただ気をつけなけいといけないのは、やけど虫は死骸に触っても同様の症状が現れるということ。
死んだやけど虫を捨てる際にも直接手で触ったりしないように注意してください。

やけど虫は見た目がアリみたいなので、飛ぶことはないと思われがちですが、実は羽を隠し持っています。
一見飛べないように見えても普通に飛ぶことができるので、油断しないようにしないといけませんね。

まとめ

やけど虫はその名の通り、触るとやけどのような症状が現れる厄介な虫でした。
スズメバチみたいに襲って来たりはしないようですが、何かの拍子に服や素肌に付いたら最悪ですよね。
そんな場合も、叩いてつぶしちゃったりしないように落ち着いて対処しましょう。
日本中どこにでも生息している虫なので、多くいそうな場所や、多く発生する時期には注意したいものです。