休眠預金とは?使ってない古い口座を見つけたら残高を確認しよう

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休眠預金,休眠口座

ずっと昔に作って、使ってないどころか、その存在すらすっかり忘れていた古い預金口座や、郵便貯金の口座はありませんか?

ありがちな例として、学生時代にバイト代の受取口座だったり、結婚前に作って姓が変わったけどそのままになっている口座など、忘れてるだけで案外あったりするものです。

もしもそういう口座があって、わずかでも残高が残っていれば、それもあなたの財産です。引き出さないともったいないですよ。

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そもそも「休眠預金」ってなに?

銀行や郵便局に預けたまま、長~~いこと使われていない預金を「休眠預金」といいます。
この場合の「長いこと使われていない」というのは、入出金が一切なく、もちろん自動引き落とし等もありません。
休眠預金の他、休眠口座と言われることもあります。
郵便局の場合は預金ではなく貯金なので、「休眠預金」より「休眠口座」の方がしっくりきます。

ではここで、具体的にどんなケースで休眠預金になるのか確認しましょう。
先述のように「長いこと使われていない」といっても具体的指標がないと「長い」も人により異なりますので。

全国銀行協会の定義では、「最終取引日から10年経過している預金」という前提のもとに、二つのケースに分けられます。

1. 残高が1万円以上で本人と郵送による連絡が取れない預金
2. 残高が1万円未満の預金

多くの銀行は、この定義に準じ、10年以上の放置で休眠預金扱いにしていますが、中には独自に5年といった、もっと短い期間で休眠扱いにする銀行もあります。

また、郵便局は今はゆうちょ銀行ですが、郵政民営化前に郵便局に預けた定額・定期・積み立ての各貯金に関しては、満期の翌日から20年2か月経過した時点で国庫に入ります。つまりその時点でアウトなので要注意。
ちなみに郵政民営化前とは、2007年9月30日以前です。

休眠預金扱いになると残高は引き出せない?

休眠預金扱いになると預金者の権利は失われます。
つまり、残高があってもそのお金は預金者のものではなく、会計上は銀行の利益とみなされます。

とは言っても、実際は銀行の自主ルールにより、預金者からの申し出があれば、必要な手続きの元、払い戻しに応じてくれるのが普通です。
休眠預金になってしまったからといって、もう絶対に預金が引き出せない… というわけではないのでご安心を。

ただ、一部独自のルールを定めて、毎年口座管理費等の名目で残高から所定の金額を差し引く銀行もあります。
そういった場合、口座を長いこと放置している間に残高がゼロになってしまうケースもあり得ますのでご注意ください。

休眠預金になっていないか確かめるには、手元にキャッシュカードがあって暗証番号を覚えているなら、まずはATMで試してみることです。
キャッシュカードが使えて残高が確認できれば、まだ口座は生きているので引き出してしまえばよいでしょう。
今は円単位の硬貨まで引き出せるATMも増えているので、残高が1000円を切っていても引き出せます。

もしもキャッシュカードが使えなくなっていたら、休眠扱いになっていると思われるので、窓口で解約の手続きをして残高を引き出すことになります。

銀行名が変わっている、支店がなくなっている

休眠扱いになってしまうほど長く口座を使っていないとなると、そもそもその銀行がないかもしれません。
ないとはつぶれて消失したということではなく、合併して銀行の名前が変わっているという意味です。

思えばずいぶん銀行も変わりました。都市銀行同士が合併を繰り返し、以前は何という銀行だったか思い出すのも大変です。

ここで余談ですが、都市銀行の変遷を思い出してみましょう。

【 みずほ銀行 】
宝くじは元々第一勧業銀行の独占でしたが、今はみずほ銀行ですよね。
なぜみずほ銀行なのかというと、みずほ銀行はその第一勧業銀行と富士銀行と日本興業銀行が合併したものなので宝くじを引き継いでいるんです。
第一勧業銀行はそれ以前に第一銀行と日本勧業銀行が合併した銀行です。

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【 三井住友銀行 】
三井住友銀行はさくら銀行と住友銀行の合併です。
さくら銀行は太陽神戸銀行と三井銀行が合併してできた銀行ですが、後に住友銀行と合併する際に、再度「三井」の名前が復活して、三井住友銀行となりました。
ちなみに三井住友銀行をSMBCと略します。
ここでちょっと不思議に思いませんか?三井住友ならMSBCであるべきです。ところがSMBC。
これは英語の正式表記が「Sumitomo Mitsui Banking Corporation」だからです。
日本語では三井が先、グローバルな企業だから英語表記も大事で、英語では住友が先、これでお互いに立場は対等とういうことなんですね。

【 三菱東京UFJ銀行 】
三菱東京UFJ銀行は分かりやすく、三菱銀行と東京銀行とUFJ銀行が合併してできた銀行です。
UFJ銀行はそれ以前に三和銀行と東海銀行の合併でできました。つまりこの銀行はもとをただせば他の銀行より多い都市銀行四行の血が混じっているわけですね。
ちなみに、三井住友の例ではありませんが、この銀行の英語表記は「The Bank of Tokyo-Mitsubishi UFJ, Ltd.」です。
都市銀行としては最も規模が小さかった東京銀行が、英語表記の最も前に位置しているのは、東京銀行が国際的に、特に外国為替では最も名が通っていたからです。

【 りそな銀行 】
りそな銀行は大和銀行とあさひ銀行が合併してできました。あさひ銀行は協和銀行と埼玉銀行が合併してできた協和埼玉銀行が後に名前を変更したものです。
りそな銀行は2003年に業績悪化(本当は背景に色々あるが)から公的資金が注入され、実質国有化されましたが、現在は実質国有化状態から脱しています。
日本で唯一信託業務を営んでいる都市銀行です。

と、以上が大まかな都市銀行の変遷です。
細かく正確に書けば、もっと多くの合併を繰り返し、地方銀行が都市銀行に転換した例とか相互銀行が地方銀行になり合併の後に都市銀行になった例もありますが、以下の13行で都市銀行を構成している時代が長く続きました。

第一勧業銀行、富士銀行、三井銀行、住友銀行、太陽神戸銀行、三菱銀行、東京銀行、三和銀行、東海銀行、大和銀行、協和銀行、埼玉銀行と北海道拓殖銀行です。(並びは上記の順番で、他意はありません)

唯一、北海道拓殖銀行が上記の合併に登場しませんが、これは1997年に破綻し、その後他行に事業を譲渡、法人解散して清算したためです。

閑話休題、話を戻しましょう。

このように、長いこと使っていなかった口座は銀行名が変わっていたりします。
また、銀行の合併により、支店も統廃合されている例が多く見受けられます。
私の身近な駅では、かつて北口に住友銀行と三井銀行(後にさくら銀行)があり、三井住友銀行に合併後は、近隣に同じ銀行の支店が二つあっても仕方ないことから、片方は閉鎖して更地にし、外食産業の企業に売却されました、
このように、多くの支店が統廃合されてなくなっていることが考えられます。

でも、銀行名が変わっていたり、支店がなくなっていても大丈夫。合併後の銀行や、統合された支店で対応してくれます。

引き出しや解約の手続きには、通帳、届け出印、本人確認書類が必要です。
通帳が紛失して手元にない場合は、通帳の再発行手続きをしてからの解約という段取りになります。

また、届け出印をなくしていたり、婚姻により姓が変わっている場合には、印鑑証明書や戸籍抄本などの公的書類も必要になります。
色々なくしている場合などは、予め銀行に問合せをして、手続きに必要なものを確認したうえで用意していくと、二度手間にならなくていいですね。

まとめ

ちょっと驚く数字ですが、休眠預金は毎年800億~900億円も発生しているということです。
もちろん多くの口座の合算がこの金額になるのでしょうが、誰かが忘れてしまった金額が全体ではこれほどになるのだからやはり驚きです。

休眠預金にしないためには、日頃から口座の管理を怠らないことですね。
そして、もうあまり使わないと思う口座は思い切って解約するなど整理してしまうのもいいかもしれません。

それと、安易にたくさん口座を増やさないことも大事でしょう。

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