多動性障害?ADHD?小学生の子供の忘れ物癖が治らない原因と対策
「子供が学校で、いつも忘れ物をしてしまう」と、悩んでいませんか。
幼稚園から小学校に上がると、持ち物が急に多くなります。
小学校1年生の子を持つお母さんは、どこの家でも、子どもが忘れ物していないかどうか、毎朝チェックで大忙しです。
それなのに、子供の忘れ物があまりにも多いと、「家の子には、何か異常があるのかしら??」と、心配になってしまいますよね。
そこで今回は、あなたの子供が頻繁に忘れ物をしてしまう原因と、その対処法について、ご紹介していきます。
ADHDとは分けて考えるべき
子供の忘れ物癖の問題を考えるにあたり、まずは、ADHD(注意欠陥・多動性障害)とは切り離して考えるようにしましょう。
近年、インターネットなどで、ADHDという言葉が、あまりにも有名になりすぎた感があります。
そのため、世のお母さんたちは、自分の子供にちょっとでも普通でないことがあると、すぐに、「うちの子はひょっとしてADHDかも?」と考えてしまいがちです。
しかし、これは非常に良くない傾向です。
そんなことを言い出したら、それこそクラスのほとんどの子供がADHDになってしまいます。
子供がよく忘れ物するからといって、ADHDとは限りません。いったん、子供の忘れ物癖と、ADHDとは、完全に分けて考えるようにしてください。
それよりもまずは、子供の忘れ物癖の改善のために、家庭でできる限りの協力をしてあげるようにしましょう。
子供の忘れ物癖が治らない最大の原因とは
忘れ物が多い子供たちのほぼ全員に共通する、最大の特徴があります。
それは、「学校や授業の目的が分かっていない」という点です。
学校へ通う目的が分かっていない
例えば、明日の授業で音楽の授業で、リコーダーを使うとします。
この時、忘れ物をしやすい子供というのは、「音楽の授業がある」ということを情報としては知っていても、「だからリコーダが必要」ということが、よく分かっていないんです。
そのためこういう子どもは、「明日は音楽の授業があるんでしょう?」と聞いても、リコーダーのことが頭にないために、「だから何?」という反応してしまい、結果として、リコーダーを持っていくのを忘れてしまうんです。
授業で使う道具を忘れてしまう
またこれは、音楽の授業に限りません。
図工でハサミや糊を使ったり、算数でそろばんを使ったりするときも、同様です。
その授業があることは頭では分かっていても、「そこに特別な道具を持っていく」というところにまで、発想が回っていないんです。
しかし、だからといって、「やっぱりADHDなの?」などと心配をしすぎる必要はありません。
ほとんどの子供は、成長するにしたがって、周囲の状況に順応して、「学校へ通う目的」を少しずつ理解していきます。
現に、中学3年になって、高校受験を控えるころには、ほとんどの子供は滅多に忘れ物をしなくなります。
「教科書や宿題を忘れることが、そのまま自分の将来に直結する」という感覚が持てれば、忘れ物をしないよう自発的につとめるものです。
「今はたまたま、ほかの子よりも忘れ物が多いだけ」と考えて、気長に見守ってあげてみてはいかがでしょうか。
忘れ物癖の改善に効果的な3つの対処法
それでは次に、子どもがついつい忘れ物をしてしまう時の、対処法についてご紹介していきます。
対策1:学校についての話を子供に毎日させる
昔は、子供が学校から帰ってきたら、「今日は学校でこんなことがあった」「明日は学校でこんなことをする」というような話を、親にするのが普通でした。
TVアニメの『サザエさん』の食卓では、家族全員が、その日あった出来事を話しますよね。
これが必ず夕食のシーンとして描かれるのは、こうした情景は、古今東西を問わず、家族のあるべき姿だからなんです。
しかし近年、こうした光景は急速に失われつつあります。
そして、このことは、子供が忘れ物をしてしまうことと無関係ではありません。
まずは、あなたが学校のことに、もっと関心を持ってみましょう。
たとえあなたがどれだけ忙しくても、少なくとも1回以上は、子供と顔を合わせているはずです。
その時子供に「今日は学校でどんなことをしたの?」と聞いてみましょう。
そして、あなたも、子供の話に関心を持って、聞くようにしなければなりません。
「親は自分に関心を持ってくれている」と、子供が思えるようになれば、子供は自分から、学校の話をあなたにしてくれるようになります。
こうすれば、音楽の授業で何を演奏している、図工の授業で何を作っている、ということが、あなたにも分かります。
「明日はリコーダーを使うんじゃないの?」と、あなたも、子供の持ち物についての話ができるようになります。
「子供が毎日学校で何をしているのか」という会話は、子供の忘れ物の予防には最も効果がありますので、ぜひ、試してください。
対策2:子供1人で学校まで取りに行かせる
子供がもしも、その日に家に持って帰らなければいけないものを、学校に忘れてきたときは、学校まで取りに戻らせるようにしましょう。
このときは、あなたが一緒について行ってはいけません。
必ず、子供1人で行かせるようにしましょう。
子供は、嫌だと言って泣くかもしれませんが、それに耳を貸してはいけません。
それに、この罰は、いつまでも続くようなことではありません。
ほとんどの子供は、学校にまた取りに行かされて嫌な思いをするくらいなら、忘れ物しないように気を付けようとします。
「子供がかわいそう」と思うかもしれませんが、忘れ物癖がいつまでも治らないほうが、よっぽどかわいそうです。
あなたも1度、心を鬼にしてみてはいかがでしょうか。
対策3:忘れ物がなかった日は褒めてあげる
親はついつい、忘れ物しないことを「当たり前」と考えてしまいがちですが、子供にとっては、決して当たり前ではありません。
特に、忘れ物のことで度々怒られている子供にとっては、忘れ物せずに1日を終えられることは、本当に喜ぶべきことです。
ですので、子供が1つも忘れ物しなかった日には、子供を褒めてあげるようにしましょう。
忘れ物しなかった日はカレンダーに印をつけ、いくつか貯まったら、子供に好きなものを食べさせてあげましょう。
こうすることで、子供にとっては、忘れ物をしないことが大きな励みになりますから、効果は絶大です。
ぜひ、試してみてください!
まとめ
いかがでしたか。
今回は、子供の忘れ物癖を改善するための方法として、
1:学校についての話を子供にさせる
2:子供1人で学校まで取りに行かせる
3:忘れ物がなかった日は褒めてあげる
の3つをご紹介しました。
特に重要なのは、1の「学校についての話を親子で共有すること」です。
まずはあなたが、子供の学校生活に、もっと関心を持ってあげるようにしてみてはいかがでしょうか。
あなたのほうから「リコーダーを使うんじゃないの?」と呼びかけてあげれば、子供も学校の持ち物のことを、もっと意識できるようになります。
また、忘れ物癖というのは、あくまでも、一過性のものですから、成長とともに、自然に治っていくことがほとんどです。
「もしかしてADHDかも?」などとは考えずに、家庭で出来る限りの協力をしてあげながら、気長に見守ってあげるようにしてくださいね!
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