コラーゲンでお肌プルプルは本当か?実はビタミンCが大事
コラーゲンって聞くと、無条件になんだか良いものって感じがしませんか?
「お肌プルプル♪」とか
「潤いを感じる…」とか
「毎日にハリが出てきた!」とか
「動きがスムーズになった」などなど…
そんなにいいんなら私も試したーい♪ って思っちゃいますよね?
市場には数多くのコラーゲン配合商品が出回っていて、化粧品をはじめ、ドリンク・ゼリー・粉末・タブレットなど、各社各様に魅力的なキャッチコピーで消費者を魅了します。
だけど、よく考えてみると、そもそもコラーゲンってなんでしょう…?
経口・経皮の摂取だけで本当にそんなに体や美容に良いのでしょうか?
ちょっと懐疑的になって調べてみることにしました。
そもそもコラーゲンとは?
コラーゲンは、人体や動物の皮膚や骨、軟骨、腱などを構成するタンパク質の一種です。
人間の体内にある全てのタンパク質のおよそ3割を占めていると言われています。
皮膚や骨、軟骨、腱などを構成するということから、コラーゲンの大切さが何となく分かる気もします。
だって、お肌や関節にとても重要そうな気がしますものね。
そんな大切なコラーゲンですが、加齢とともにその絶対量が低下していくことが既に解明されています。
また量だけでなくその質も下がっていくのが分かっています。
それにより、肌の弾力が失われ、筋肉量が減退し、骨が弱くなり、関節も傷みやすくなるなどの老化現象が起こります。
関節については、傷みやすくなる結果、字の遊びではありませんが「痛みやすく」もなります。
ではコラーゲンが不足すること イコール 老化なのか?といえば、それは結論を急ぎ過ぎで、コラーゲンの不足は老化の一部にすぎません。
何もコラーゲンが不足したために老いていくのではないのです。
ところが、そこだけがクローズアップされるとコラーゲンの重要性が強調され、老化を防ぐにはコラーゲン!みたいになり、これほど多くの商品とその信者を生むことになります。
不老不死とまではいかなくても、たしかに人は「いつまでも若くありたい」と願うものです。
その思いは洋の東西を問わず、万人に共通のものでしょう。
事実私だって、いつまでも若くありたいし、あなたも間違いなくそうに違いありません。
そんな切なる願いを、それもいとも簡単に叶えられるかのように、化粧品やドリンク、錠剤など「コラーゲン配合」を謳った商品が巷に溢れかえっています。
名の通った一流企業のものもあれば、通販でしか売ってないような聞いたことのないメーカーのものまで、数え上げればきりがありません。
では、それほどもてはやされているコラーゲン配合商品ですが、飲んだり肌につけるだけで本当に絶大な効果が期待できるのでしょうか?
コラーゲンは胃の中でアミノ酸になるだけ
さて、続けましょう。
コラーゲン配合商品が飲んだり肌につけるだけでそれほどの効果を発揮するのかということでしたが、その答えはというと…
実はほとんど期待できないといいます。
理由を挙げてみましょう。
まず化粧品。
コラーゲンは実は分子が大きいんです。だから皮膚から摂取することが基本的にできないんですね。
低分子のものが仮に真皮に届いたとしても、結局は異物とみなされて定着することはありません。
つまりお肌に塗ったコラーゲンは内部に吸収されることはなく、吸収されて潤ったつもりになっているだけという悲しい現実しかないということ。
では次に、コラーゲンの経口摂取を考えてみましょう。
先述の通り、コラーゲンはタンパク質の一種です。そして体内に入った後は消化酵素によってアミノ酸に細かく分解されて吸収されます。
体内では、そのアミノ酸を材料にタンパク質が再生成されますが、そのタンパク質の使い道が何になるかなんて意識的にコントロールできるはずがありません。
つまり、お肌にいいということで摂取したコラーゲンがお肌ではなく靭帯になるかもしれないし、関節にいいと思って摂取したコラーゲンが髪の毛になるかもしれないのです。
もしかした、血液中で酸素を運ぶヘモグロビンになっているかもしれないし、指先の爪になっていないとも言えません。
もちろん思い通りの使われ方をすることもないではないでしょう。でもそれはたまたまで、その最終的な使途は神のみぞ知るということ。
つまりコラーゲンを目的をもって摂取したところで、実際はそうならないというのが現実なんです。
平たく言えば、タンパク質を含むもの、たとえばお肉やお魚を食べてるのとなんら変わらないということに他なりません。
必要なのはビタミンC
コラーゲン製品の原料ですが、そのほとんどが牛や豚などの動物の皮膚、魚類の骨や鱗から抽出されています。
そしてその製法はゼリーの材料として知られる「ゼラチン」と同じです。
ということは…
「コラーゲン1,000ミリグラム配合」
というのは
「ゼラチン1グラム入り」
と表現するのと意味は全く同じなんです。
それにしてもどうでしょう?この響きの悪さ。
「ゼラチン1グラム入り」ではまったく良さが伝わらないどころか、魅力のかけらもなくてイメージ悪すぎです。
だから表現を変えているだけで、ふたを開ければこういうことだということは一応押さえておきましょう。
と、まぁ、ここまでは否定的なことばかり並べたてましたが、コラーゲンそのものを否定しているのではないのです。
では、肌のハリや潤いを保ったり、骨や関節を強くしたりするにはどうすれば良いのでしょう。
まず挙げたいのは、体内でのコラーゲン生成にはビタミンCが欠かせないということです。
いくら口から肌から目いっぱいコラーゲンを摂取したところで、ビタミンCが不足していては、体内でコラーゲンが生成されることはありません。
また、ビタミンCは長期に亘って不足すると壊血病を引き起こします。
これは体内の各器官で出血性の障害が起こる病気ですが、コラーゲンの生成ができず、血管がもろくなるのが原因とされています。
つまり、コラーゲンの生成とビタミンCには密接な関係があって、切っても切れない間柄ということです。
だから、積極的にコラーゲンを摂取しているのならそれはそれでいいとしても、ビタミンCも同様に積極的に摂らないと片手落ちになるので、そこは押さえておきましょう。
また別件ですが、紫外線が皮膚のコラーゲンを破壊することがわかっています。
年齢と共に減っていく大切なコラーゲンですから、今あるコラーゲンを減らさないためにも、日焼け対策を怠らないようにしたいものです。
まとめ
以上からお分かりいただけるように、コラーゲンはあくまでも体内で生成されるものです。
つまり経口で摂取してもアミノ酸に分解されてただのタンパク質になり、再度自分の思うようなコラーゲンとして利用されるかは全く不明なのです。
なのに、どうしてこれほどまで多くのコラーゲン商品が出回っているのでしょう。
そしてそれらの謳い文句を見ると、「潤いを感じる」「毎日の生活にハリが出てきた」「動きがスムーズになった」などの言葉が並んでいます。
中には「表情が明るくなった」なんてものもあるほどです。
これらにつられて購入したくなるのは私も同様ですが、やっぱりちょっと引っかかるところもあって懐疑的になり今回調べてみました。
先ほどの謳い文句はもちろん個人の感想ということで、何を書くもの自由なんですが、少しあおり過ぎな感じがするのは否めません。
もっとも薬じゃないから「肌が綺麗になる」とか「関節痛が治る」なんて薬事法に引っかかるようなことは書いてない(書けない)にしろ、消費者の捉え方は似たようなものです。
このブログでは、いつもその日のお題の良いところをクローズアップすることに努めていますが、今日は珍しく否定的になってしまいました。
もちろん、良いコラーゲン商品だってあるでしょうから、全てを否定するものではありませんが、消費者も賢くなる必要があるという警鐘は鳴らしておきたいと思います。
似たような事例でもうひとつ付け加えると、1部の医薬品を除けば、グルコサミンやコンドロイチンといったサプリメント・健康食品についても同様のことが言えそうです。
前者はカニの甲羅やエビの殻、後者はサメの軟骨などを原料にしていますが、それらを口から摂取したところで効果が期待できるかは甚だ疑問なのです。
良いことばかり並べたて、自サイトから売らんとするアフィリエイトサイトが検索の幅を占める中、たまには「違うよ!」と言うものがあっても悪くないと思いますが、さてどうでしょう。
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