起立性調節障害とは?中学生の朝寝坊遅刻癖を直すためにすべき事
近年、中学生の「朝起きられない!」という症状に対し、「起立性調節障害」という診断をする病院が増えています。
起立性調節障害とは、自律神経の失調や副腎疲労などが原因となって、朝どれだけ大きな音が鳴っていても起きることができない、という、思春期の子供に見られる症状です。
こうした障害に対し、「甘えている」「怠けている」というような精神論で子を叱りつけるのはNGです。
こんな精神論を押し付けられた子供にしてみたら、「それで起きられたら、だれも苦労しないよ…」ってなもんです。
そこで、親の側からも、子供の朝寝坊の改善に、協力してあげる姿勢が必要です。
今回は、子供の朝寝坊・遅刻癖に対して、親として取り組んでいくべき4つの対策についてご紹介していきます。
1:叱りすぎるのは逆効果
まず、朝起きられない子供をあまり叱りすぎるのは逆効果です。
かつてあなたにも、「寝坊をするたびに怒られて、自己嫌悪に陥る…」という経験はありませんでしたか?
親が叱りすぎると、子供は起きられないことに対する罪悪感や自己嫌悪を感じ、トラウマ(心的障害)を残してしまう恐れがあります。
叱っても「起立性調節障害」は良くならない
それに、もしもあなたの子が、本当に「起立性調節障害」であれば、あなたが叱ったところで状況は良くなりません。
親が心配をしなくても、子供が朝起きる目的さえハッキリしていて、環境が整っていれば、いずれ必ず子供は自分でキチンと起きられるようになります。
まずはこのことを「親であるあなた」が理解してあげるようにしましょう!
2:暖かく見守る余裕が大切
そのため、朝起きれないことを叱る行為には、あまり意味がありません。
それよりも…
●自然に起きられるようになるまで、協力して見守る。
●どうしても起きられないなら、改めて外部のカウンセリングを受ける
というスタンスで、暖かく見守ってあげるようにしましょう。病院やカウンセリングは、あくまでも最終手段です。
病院やカウンセリングは最終手段
「子供が朝起きられない」という症状に対し、安易に医師の診断やカウンセリングを受けるべきではありません。これらは、根本的な解決策ではないからです。
仮に、あなたの子供が、病院で「起立性調節障害」という診断を受けたとします。
これは一言で言えば、「朝起きられないことを、病気として医師が診断した」ということになり、学校によっては、この診断書があれば、遅刻をペナルティとして加算しないところもあります。
しかし、「起立性調節障害だから遅刻してもかまわない」という診断書を得ることは、果たして本当に良いことでしょうか?
そのまま、ずっと起きられない状態が続くことのほうが、子供にとって深刻だとは思いませんか?
最善はやはり、自分で早寝早起きができるようになることです。
それに、まだ中学生であれば、周囲の環境を整えてあげるだけで、改善できる余地はいくらでもあります。
具体的には…
●就寝時間を定める
●夜食を禁止する
●夜のスマホを禁止する
などの対策です。
3:夜早く寝るだけで、朝寝坊の悩みは改善できる
起立性調節障害や寝坊癖は、自律神経や副腎ホルモンなど、数多くの要因があり、その対処方法は一様ではありません。
しかし、ほとんどのケースに共通しているのは、「夜寝る時間が遅いこと」です。
あなたの子は、部活が終わってから塾に行ったり、その後でまた夜食を食べたりして、就寝時間が毎日遅くなりがちなのではないでしょうか。
眠る時間が遅くなれば、その分だけ、朝起きられなくなる確率が高くなります。
早寝の環境を整える
そのため、まずは子供が「夜、早く寝られる環境」を整えてあげることが大事になってきます。
例えば、塾に通っていると、小テストなどで帰りが遅くなり、塾から帰ったあと、夜11時頃に夜食を食べてしまいがちですよね。
こうなると、深夜にまた胃が活性化して眠りにつきにくくなってしまいます。
そのため、「夕食は塾の前に済ませる。塾から帰ったらもう何も食べない。」というルールを定めるのも効果的です。
塾が厳しいときは?
また、塾によっては、その日の小テストが終わるまでは返してくれない、という厳しいところもあります。
そのため、塾の小テストをすぐに終えて帰ることができるよう、昼間学校にいるうちから、塾の小テストの準備を万全にしておくなどして、「どうすれば早く帰ることができるか」ということに集中させてみましょう。
どうしても塾から早く帰してもらえない、という場合は、「いっそのこと、塾を辞めて夜は早く寝る」という選択肢も想定してみましょう。
4:家族で早く寝る習慣をつける
以上は、子供の側で調整すべき、「夜早く寝るための努力と環境作り」です。
しかし、同居の家族の寝る時間が遅いと、やはりどうしても子供が寝る時間も遅くなってしまいがちです。
そこでまずは、親であるあなた自身が、子供の就寝時間にあわせて寝てみるというのはいかがでしょうか。
「家族全員で10時に寝て、夜やっていた用事は早朝にまわす」と、両親が決めるだけでも子供の寝坊癖の改善には効果があります。
夜はWi-Fiの電源を切る
また、自宅でWi-Fiを使用しているなら、毎晩決まった時間にWi-Fiの電源を切ってみるのも効果的です。
Wi-Fiルーターや、ポケットWi-Fiなどの電源を切る時間を決めて、「その時間以降はネットをしない」というルールにしておけば、夜間のスマホ使用を制限でき、夜更かしを抑制することができます。
実際、中学生が夜更かしをしてしまう最大の理由はスマホです。
「夜10時以降は一切スマホを見ない」と決めるだけでも、確実に就寝時間を早めることができて眠りも深くなりますよ!
まとめ
いかがでしたか。
今回は、(主に中学校の)子供の朝寝坊や遅刻癖、起立性調節障害などが治らないときの対処法として…
1.
「やる気がない、怠けている、甘えている」などの精神論的な説教は厳禁。
2.
病院やカウンセリングは最終手段。早めに就寝することに集中させる
3.
夜食は塾へ行く前。塾は早めに切り上げ、深夜の夜食を禁止する
4.
家族で早く寝る習慣をつけ、夜間のWi-Fi使用を制限する
以上4つの方法について、ご紹介してきました。
そもそも、「起立性調節障害」なんていう言葉自体、登場したのはごく最近のことです。
近年は、どんな症状にも病名がつきますから、こうした病名にあまりこだわり過ぎるべきではありません。
前回の【 中学生の朝寝坊・遅刻癖が治らない時の対処方法 】の記事でもご紹介したように、中学生の子が朝起きられないのは、至って普通のことだからです。
親として、暖かく見守ってあげるようにしましょう!
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