陣痛促進剤は必要?いつ使う?怖くて使いたくない時の対処法は?
出産を間近に控え、「陣痛促進剤を使うのが怖い」と考えていませんか。
通常は、おしるしや陣痛の後に出産が始まります。
しかし、陣痛の強さが足りなかったり、お産が長引いているときなど、医師が必要と判断した際は、「陣痛促進剤」を使ってお産の進行を助けることがあります。
そこで今回は、陣痛促進剤の種類や目的、使うべきケース等についてご紹介していきます。
陣痛促進剤はどんな時に使う?
お産の際に、陣痛促進剤を使う目的は、以下の二つです。
・分娩誘発
・陣痛促進
「分娩誘発」とは、陣痛がまだ始まっていない人に、陣痛を起こさせること。
一方、陣痛はすでに来ているけれど、十分に強まっていない人を後押しする目的で使用するのが「陣痛促進」です。
陣痛促進剤を使用するケース
陣痛促進剤を使用する主な目的は、「分娩の誘発」と「陣痛の促進」ですが…
「実際に使用するか、否か」というのは、本当にケースバイケースです。
陣痛促進剤を実際に使用する場面としては、主に次のようなケースがあります。
・陣痛はあるが、赤ちゃんを娩出するほどの強さがない場合
・微弱陣痛が長時間続いて、お母さんの体力の消耗が激しい場合
・胎児の状態が良くない場合
・予定日を過ぎても陣痛が起こらず、胎盤機能の低下などの恐れがあり、早くお産した方が良いと判断された場合
・妊娠高血圧症候群や様々な合併症、感染症などの危険性があると判断された場合
などです。
また、このほかにも…
出産の日付をあらかじめ設定して、計画的に分娩を行うために、陣痛促進剤を使うケースもあります。
産婦の同意が必要
いずれの場合であっても…
医師が、「通常の陣痛では出産が困難である」と判断し、産婦の同意が得られたときに限り、陣痛促進剤を使用します。
つまり、産婦であるあなたの同意がなければ、医師が無断で勝手に陣痛促進剤を使うことはありません。
「陣痛促進剤を使用するか、否か」という点については、医師と事前によく相談しておく必要があるでしょう。
陣痛促進剤は怖い?
「人工的に陣痛を起こすなんて、なんだか怖い…」
と感じているお母さんが多いのも事実です。
あなたも、「陣痛促進剤を使用することになったらどうしよう…」と、出産前から心配になっているのではないでしょうか。
しかし、陣痛促進剤の最大の目的は…
「このままでは陣痛が足りないため、分娩が困難」という状況の際に、出産をスムーズに進めることにあります。
したがって、自然な分娩が困難なときなど、どうしても必要な状況であれば、陣痛促進剤はむしろ使用すべきものです。
逆に、お母さんが、「陣痛促進剤を使ってほしい」と、自分から医師に願い出るケースもあります。
怖いものという印象もあるかもしれませんが、過度に恐れすぎないのが肝心です。
また、通常、産院が陣痛促進剤を使用する際は、産婦の同意を得た上で、細心の注意を払って使用しますから、心配はいりません。
陣痛促進剤の成分は?
陣痛促進剤が何でできているのか、というのも気になる点ですよね。
陣痛促進剤で使用されるのは…
・オキシトシン
・プロスタグランディン
という、2種類のホルモンです。
この2つは、いずれも女性の体から分泌されるホルモンで、陣痛を引き起こす役割があります。
本来は人体に備わっているものですが、これらを人工的に抽出して合成したものが陣痛促進剤です。
愛情ホルモン「オキシトシン」
「オキシトシン」は、ネット記事などでもよく紹介されていますから、聞いたことがあるかもしれません。
別名「愛情ホルモン」や「幸せホルモン」とも呼ばれ、母性を司っているホルモンです。
出産の際は、通常、このオキシトシンが大量に分泌されて陣痛を引き起こし、分娩が始まります。
しかし、陣痛が足りない場合には、このオキシトシンを外から注入して陣痛を促すわけです。
「陣痛促進剤」というネーミングから、何だか危険な薬品を想像するかもしれませんが、本来、体内で分泌されるものを注入するだけのはなしなので、怖がる必要はありません。
また、オキシトシンは、赤ちゃんや夫、周囲の人への愛情を感じることでも、分泌が促されるという研究結果があります。
オキシトシンを分泌して、陣痛をスムーズに起こすためにも、「愛情」の気持ちを大切にしておきましょう。
使いたくないときは?
陣痛促進剤は、あくまでも、産婦との同意の上で使用されます。
「できれば使いたくない」とお考えなら、事前に医師に相談しておきましょう。
ただし、微弱陣痛があまりにも長引くと、お母さんの体力が消耗し、危険な状態になることもあります。そうすると選択肢も限られます。
そのように、「どうしても使わなければいけないケース」などについても、あらかじめ医師に質問して、自分なりの考えを決めておきましょう。
まとめ
今回は、陣痛促進剤の成分や、使用目的、使用するケースなどについてご紹介してきました。
まとめると、分娩が困難な状況のときに、出産をスムーズに進める目的で陣痛促進剤を使用する…ってことになります。
過度に不安を抱くことなく、少しでも不明な点があれば、かかりつけの医師によく相談しておくようにしましょう。
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