国宝や重要文化財ってどうやって選ばれているんだろう?

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国宝

混んでるところが嫌いな私は、祇園祭が終わる頃、「そうだ 京都、行こう」という、例の有名なキャッチフレーズを思い出します。
でも実際に行くことは非常に稀で、京都の街並みやお寺、そして仏像たちに思いを馳せるのみなのですが。

そんな折、ふと国宝や重要文化財は誰がどうやって決めていて、その所有者はいったい誰なんだろうなんて気になりました。

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国宝や文化財はどのように選ばれているのか?

国宝といえば、やはり京都のイメージ。
(他の地域の国宝さん、ごめんなさい)
金閣寺、銀閣寺、宇治平等院など、そしてそこに置かれている素晴らしい仏像たちを思い浮かべてしまいます。

日本には、現在、概ね1,100の国宝と13,000の重要文化財があります。
その内訳は、彫刻(仏像等)や絵画・工芸品・書跡などがおよそ8割を占めていて、残りの2割は寺社などの建造物です。

国宝に比べて重要文化財の数がずっと多いわけですが、これは平たく言えばグレードです。
重要文化財の中でも世界の文化的価値に照らし合わせて選び抜かれたもののみが国宝に選ばれることから、国宝は重文のエリートというわけですね。

では重要文化財に指定されるのはたやすいのかといえば、決してそんなことはなく、重文に指定されるには文化財保護法により、まず有形文化財に指定される必要があります。
有形文化財に指定された中から特に重要と認められたもののみが重要文化財に指定されるという仕組みです。
そしてさらに世界基準で著しく価値の高いものが先述の通り国宝の指定を受けることになるのですが、その指定者は文部科学大臣です。
もちろんその時の大臣が特に文化財に造詣が深いとも限りませんから、有識者が集められ検討を重ねて決定したものを大臣が指定するといった段取りになります。

国宝や重要文化財は誰のもの?

ところで日本は資本主義である以上、ほぼすべのものには所有権が存在し、必ず所有者がいます。
ということは… 国宝や重要文化財にも所有者がいることになります。

国宝なんだから国の持ちものなのでは?

と思うでしょう?
ところが、国が所有している国宝・重要文化財は全体の2割ほどで、残りの8割は国の持ち物ではないのです。
ちょっと意外じゃありませんか?

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国以外の残り8割の内訳は、寺社が約6割、そして法人と個人がそれぞれ1割ずつ、それに国の2割を足して合計10割という内訳です。

寺社が持っているのは別として、法人や特に個人の所有が1割もあるのには驚きで、さぞかし資産として高額なのだろうなんて邪推しちゃいますが、これが案外そういう観点とは別次元のようで、金銭的価値ではどうも見れないようです。
というのも、国宝や重要文化財に指定されているので勝手に売り買いできないんですね。自分のものなんだけど自由にはできないということです。
売り買いできなきゃ金銭的価値には置き換えられないので、まぁ表現は違いますが名誉職みたいなものでしょうか。
ただ、管理や修理にかかる費用は国から補助や援助が受けられるとのことです。
まぁ、個人で持ってれば、それは誇りということになるんでしょうね。

人間国宝はどんな人がなれるのか?

ここまでは、いわゆる「もの」としての国宝についてでしたが、国宝には他に「人間国宝」と言われるものがあります。
人間国宝はものじゃありませんから、当然生身の人間です。
では、どういった人が人間国宝に選ばれるのでしょう。

人間国宝は、とある技術や芸を極限まで追求して、芸術上高い価値を持つ域にまで極めた人が認定されるものです。
人間国宝と言うのはいわゆる通称で、正式名称は「重要無形文化財」。

人間国宝の選定には、まず文化庁が文化財保護法に基づく指定基準を満たしている伝承芸などの調査をして候補者をリストアップします。
選ばれた候補者は有識者で構成される「文化財保護審議会」でその人となりや技芸の重要さなどが諮られます。
そうして最終的に候補に残った者が文部科学大臣の指定を受けて、晴れて「重要無形文化財」、つまり「人間国宝」に指定されるのです。
選定に際しては、無形文化財となる技芸が先にあり、その中で高度に「技」を体現している人のみがその保持者として人間国宝になれます。

人間国宝の認定を受けると、技の伝承・継承、そして技芸向上を旨とした特別助成金が支給されます。その額は年額で200万円。
万一無形文化財保持者が亡くなった場合は、その指定が跡継ぎに世襲されることはなく取り消され、特別助成金の支給もなくなります。

まとめ

国宝は読んで字のごとく、国の宝故、指定にも高いハードルがあるんですね。
そんな大事なものですから、大切に次の世代へと、そしていついつまでも受け継いでいきたいものです。

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