高齢者ほど本当はネットを使った方がいいと思う。そのためには?
今世紀に入ってインターネットは急速に普及しました。
1990年代後半からという意見もありますが、実際にはWindows XPが登場したのがきっかけで家庭にもPCが浸透していったように思います。そうすると2001年以降ということ。
ネット回線もダイヤルアップからADSLになって低価格で常時接続ができるようになりました。
今はもうすっかり光にとってかわられましたが、当時はADSLも色んな速度プランがあり、各社こぞって通信速度向上と顧客の奪い合いを繰り広げていました。
駅前などでよくYahoo BBがモデムを配布していたのを覚えていませんか?
あれも誰彼かまわずモデムを渡し、自社の回線を契約させようというヤフーのゲリラ的作戦でした。
さて、今日はネットの歴史の話ではなく、そんなネットの普及に置き去りにされてしまった高齢者についての話です。
高齢者はネットやPCを怖がる
パソコンのブームは何度かありました。
大昔で言えば、N88Basicでインベーダーを動かしたりといった、NECの98シリーズに代表されるブームなんてのがありました。
その後(といってもだいぶ後ですが)、Windows95が発売された時なんかは大変なお祭り騒ぎだったし、Windows98の時も徹夜で並んだりしたのが大々的に報道されました。
ただ、まだこのいずれもネットの普及以前の話で、当時からネットにつないでいたのは一部のコアな人たちだけです。
しかし、こういった報道は、いわゆる高齢者(や、その少し前の世代)の耳にも届いていたはずで、世の中の変化を感じつつも自分には関係のないもの、と捉えていたことでしょう。
それが今世紀になって、パソコンが我が家にもやって来た!みたいな事態があちこちの家庭で起きて、恐怖を感じた人も少なからずいたようです。
パソコンやインターネットは、ただただ難しく、怖いものというイメージを持った人が少なくありません。
特に高齢者は、突如として現れた新しい技術に、ついていくことや理解することが出来ず、拒否反応を示したのも無理からぬ話です。
まぁ、何をもって高齢者と位置付けるかにもよりますが、いわゆる「おじいさんやおばあさん」はパソコンが嫌い・苦手、といったらイメージできるでしょうか?
自分自身や年老いた両親を思い浮かべれば何となく納得できる人もいらっしゃることでしょう。
あるいは若い方なら、ご自身の祖父や祖母を思い浮かべたらいかがでしょう?なんとなく「うんうん」という感じがしませんか?
とは言え、いくつになっても新しいものに抵抗なく取り組む方もいるし、ネットも普及してこれだけ年数が経てば、当初から会社などでネットに接していた人が高齢者といわれる年齢になっているケースもあるので、一概には言えませんがね。
さて、あまり話が長くなっても本筋を見失いますので、この章をまとめると、高齢者は、得てしてネットやパソコンが苦手だったり敬遠しがちということです。
全ての高齢者がそうだとはいいませんが、ネットやパソコンを嫌がる人は少なからず存在します。
お金をだまし取られたり、よく分からないけどウイルスなるものに感染したり、犯罪に巻き込まれたりといったネガティブな話ばかりが頭に残るようなんですね。
しかし、高齢者ほど、本当はネットを積極的に利用すべきだし、ネットの便利さを享受すべきだと思うのです。
理由は次の章で。
趣味に生活に高齢者を豊かにするネット
それでは、高齢者がネットを使う利点を考えてみましょう。
まず、一般的に、高齢になるにつれ、体は弱るし外出機会も減って活動的でなくなります。全ての人ではないにしろ、少なからずそういう傾向が強いです。
つまり家に居る時間が増えるわけです。
だったらそこにパソコンやネットがあったらどうでしょう。
まず、子供や孫、あるいは遠方に住む旧友などとの交流手段に使えます。
スカイプなどを利用すれば、無料で顔を合わせて話ができるのです。これはお年寄りにとっては魔法の道具のようなものでしょう。
よくてせいぜい盆暮れくらいしか見られなかった孫の顔が好きな時に見られたらうれしいに違いありません。
さらに、自分の趣味に活かせます。
今は多種多様なサイトがあって、ほぼすべてのジャンルを網羅しているといえるでしょう。
調べものもできるし、同じ趣味を持つ仲間を作って交流することも容易です。
特段趣味はないけど演歌が好きなんて人も、テレビで演歌を聞くことは最近難しくなりましたが、YouTubeなら好きな歌い手の曲を映像付きで存分に聴くことができます。
また、お米などの重たいものは、アマゾンなどに注文すればすぐに自宅まで持ってきてくれます。
自分で買いに行かなくてもいいと言うのはすごく便利だし、これは都市部に住んでいる高齢者より、多少いなかに住んでいる高齢者の方がより感じることでしょう。
お米に限らず、今の時代、売ってないものを探す方が難しいくらいに何でも売られています。
アマゾンのプライムに入っていれば、お住まいの地域にもよりますが、無料で早ければ当日や翌日に配達してくれます。
他にも、医療や介護を利用する際に、自分で調べてサービスを選択できたり、知識を蓄えることが可能になります。
どうでしょう、ちょっと考えてみただけでも、これだけのメリットがありますが、実際はもっともっとあるでしょう。
アクティブでなくなってしまった高齢者ほど、ネットから享受できる恩恵は大きいと言えるのではないでしょうか。
じゃぁ、誰が高齢者にPCやネットを教える?
ネットがお年寄りに便利なのは分かった。
だったら利用させたいけど、いったい誰が使い方を教えてくれるの? という問題があります。
それぞれのスキルにもよりますが、もし初めてPCに触れる高齢者に教えるとしたら、それが大変なのは容易に想像つきます。
たとえば息子さんやお孫さんが手取り足取り教えてあげられればそれもいいでしょうが、あまり現実的ではありません。
なぜなら、教えるというのはとても難しく、教わる側のステージというかレベルまで降りて行って説明したり教えたりする必要があるのに対し、自分のレベルで話してしまうからです。
初心者は何が分からないのかが分かりません。そこを酌んで解きほぐしていくのは非常に骨の折れる話です。
そこで頼りたいのが、シニア情報生活アドバイザー制度 です。
簡単にいえば、高齢者が高齢者にネットやパソコンを教えてくれます。
それも自分の体験を踏まえて、高齢者の目線で教えてくれるので、説明も分かりやすく親近感もわきます。
高齢者が自身の体験を生かして丁寧に教えることを旨とし、また受講者同士の仲間づくりを大事にしているのも特徴です。
シニア情報生活アドバイザー制度にアクセスして、アドバイザーの検索から、お近くのアドバイザーを探して相談してみるとよいでしょう。
ただ、サイトの使い勝手が悪く、各アドバイザーへの問合せがリンクなっていなかったりするので、更に調べたりしなければいけないといった二度手間という部分はあります。それは予めご承知おきください。
まとめ
ネットを始めるのに遅すぎるということはありません。
事実100歳を越してFacebookをはじめ、音声で文字を入力できる機能を使って近況などを発信している人もいるくらいです。
高齢者にこそぜひ活用して欲しいものですね。
それでも、驚くことに、65~69歳のネット普及率は60%を越しているというデータもあります。70歳~79歳でも50%近い普及率だとも言います。
分かっている人は分かっていて、ネットの便利さを享受しています。
一人でも多くの高齢者がネットを使って便利で張り合いのある毎日を送って欲しいものですね。
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