認知症の親に計算練習は必要?高齢者のための簡単な脳トレ3つ
「そろそろ、親に脳トレをさせたほうがいいのかしら?」と、考えていませんか。
親御さんの認知症が始まったり、あるいはある程度認知症が進んでくると、脳トレ自体がなかなか困難になってきます。
そこで今回は、あなたの親御さんの認知症が始まったときに、自宅ですぐに出来る3つの簡単な脳トレ方法をご紹介していきます。
わからないことを理解させようとしてはいけない
あなたがこれから認知症の親御さんに対し脳トレを進めていきたいと考えているなら、まず初めに知っておくべきことがあります。
それは、認知症の高齢者の脳トレでは、「出来ないことや分からないことを理解させようとしてはいけない」ということです。
つまり、できないことを練習させてできるようにするのが目的ではなく、あくまでも、高齢者ができることを、反復練習させることが重要なんです。
計算練習
例えば、高齢者の方の脳トレとして、計算練習をさせるとします。
認知症が進んでくると、1ケタの計算はできても、2ケタや繰り上がりの計算がわからなくなることがよくあります。
このときは決して、わからない計算を教えようとしてはいけません。
認知症では、学習能力そのものよりも、学習の意欲がかなり低下してきます。
つまり、高齢者には「わかろう」という意思自体があまりない、ということです。
ですので、あなたは高齢者に対して、「わからないの?」「できないの?」というような言葉は使うべきではありませんし、態度に出すのも良くないです。
できなくなった計算を、高齢者が再びできるようになる確率は、かなり低いです。
ですので、高齢者の脳トレでは、相手の高齢者の方が「何ができて何ができないのか」をよく把握し、できることを反復練習させていくのが最も効果的です。
認知症の具体的な症例については、こちらの記事も参考にしてみてください。
相手が楽しんでいないように見えても、日課として繰り返す
高齢者の脳トレでは、ゲームをさせるのも有効です。
でも、相手の高齢者の方がゲームにあまり積極的でない場合、「あまり楽しんでいないのかしら?」と、どうしても気になってしまいますよね。
そういうとき、ついつい「楽しんでいないなら、ゲーム内容を変えたほうがいいの?」と考えてしまいがちですが、これは、基本的には変える必要はありません。
ゲームなどのレクリエーションで大切なことは、スケジュールを決めることです。
ビンゴやじゃんけんなどのゲームは、時間を決めて定期的に行う
例えばビンゴであれば、「昼食後は必ずビンゴをする」のように決めてしまおう、ということです。
こうしておけば、高齢者の方は、たとえ初めのうちは楽しんでいないように見えても、ビンゴを日課だと認識してくれるようになります。
ある介護士さんの人の話では、高齢者が全くビンゴ楽しんでいないように見えたため、ある日突然種目を変えようとすると、「今日はビンゴをやらないの?」と残念そうにしていた、という話があります。
たとえ、相手の高齢者の方が、脳トレやゲームに興味を示していなかったとしても、「これは日課である」と認識させるだけでも大きな意味があります。
すくなくとも、相手がそれをするのが可能で、苦痛ではないのであれば、楽しんでいるかどうかは一旦脇において、「毎日続ける」ということを心がけるようにしてください。
手や口を使った脳トレを積極的に行なう
「脳トレにはどんな道具が必要なの?」と、考えていませんか?
脳トレの種目に、ある程度の準備や設備が必要なものを選んでしまうと、介護者であるあなたの負担になってしまいます。
また、あまり負担が大きいと、継続が難しく、あなたのモチベーションにも影響を与えてしまう可能性があります。
介護で最も大切なことは、介護者であるあなたが無理なく継続できることです。
そこでオススメなのは、できるだけ道具や設備などを使わず、手や口を使って脳トレを行うことです。
パタカラ体操
「パタカラ体操」は、近年急速にテレビやネットなどのメディアで取り上げられ、今や高齢者の脳トレの最頻出キーワードとなっています。
パタカラ体操とは、「パパパパパパ」「タタタタタ」と、発音しながら体操する、という、いたってシンプルなものです。
いざやってみると分かりますが、「パパパパパ」と続けて発音すると、舌や口の筋肉をかなり使います。
これは口の周りの筋肉の効果的な運動になり、発話や食事で必要な筋肉を鍛えることができます。
発音させるだけでも十分なトレーニングになりますし、もしも相手の高齢者の方がある程度体が動くようであれば、どれぐらいの運動が可能なのかを見極めたうえで、体の動きも組み合わせていくと、さらに効果的ですよ!
指遊び・手遊び
また、道具を使わない脳トレとしては、指遊びや手遊びなどもお手軽で効果的です。
ポイントは、とにかく指をよく動かしてもらうことです。
数字を数えながら単に指を曲げたり伸ばしたりするだけでも、十分効果があります。
また、もしも相手の方が歌や体操などができそうであれば、「むすんでひらいて」など、歌を織り交ぜながら、こうした手遊びをさせていきましょう
まとめ
いかがでしたか。
今回は、自宅でお手軽に高齢者の脳トレを行なっていく時の3つのポイントとして、
1、できないことはやらせない、できることを反復させる
(簡単な計算練習など)
2、ゲームでは、たとえ相手が楽しくなさそうに見えても、日課として継続する
(ジャンケンやゲームなど)
3、道具などは使わず、口や手を使って脳トレを行う
(パタカラ体操、指遊びなど)
の3点を、ご紹介しました。
一番よくないのは、高齢者に脳トレをしてもらうことを、あなた自身が負担に感じてしまうことです。
そのため、無理は禁物です。
今回ご紹介した3つのポイントは、いずれも、自宅で気軽に行えるものばかりです。
なるべく簡単で、やりやすく、相手の方が可能なことを、させてあげるようにしてください。
また、今回の記事は、個人の在宅介護だけでなく、デイサービスや入所施設にお勤めの方であっても、参考にしていただけると思います。
ぜひ、試してみてくださいね!
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