よく嘘をつく子は発達障害って本当?子供の虚言癖への対処法3つ
「うち家の子は嘘ばかりついて、ひょっとして発達障害なのかしら?」と、心配になっていませんか。
子供の嘘があまり頻回になると、どれが本当でどれが嘘なのかが親にも分からなくなり、虚言癖の可能性を疑ってしまいますよね。
でも、子供の虚言癖は、小さい頃にきちんと対処しておけば、直すことができるものがほとんどです。
そこで今回は、子供がなぜそもそも嘘をつくのか、という理由と、子供の嘘がなかなか直らないときの対処法について、ご紹介していきます。
虚言癖と発達障害は関係がない
まず、子供が嘘をつくことと、発達障害であることとは、直接の因果関係はありません。
育児に関するサイトなどを見ると…
「子供がよく嘘をつくときは、発達障害の可能性を疑ってみましょう」のように書いてあることをが多く、このことが、子供の虚言癖を心配をしているお母さんが急増している最大の要因となっています。
しかし、「嘘つき=発達障害」と、すぐに発達障害に結びつけて考えてしまうのは、とてもよくない風潮です。
子供が嘘をつくのには理由がある
子供には子供なりの、嘘をつく理由というのがちゃんとあります。発達障害というのは、むしろレアケースです。
嘘をつく事情は、それこそ十人十色、千差万別で、子供によって一人一人違います。
それなのに、「嘘=発達障害」のようなレッテルを貼って、子どもに接してしまうことが、どれほど危険なことであるかは、容易に想像できると思います。
そこでまずは、子供が嘘をついてしまう原因をきちんと把握しておく必要があります。
次の章では、子供が嘘をついてしまう3つの理由をご紹介していきます。
理由1:子供の防衛本能
子供の嘘で、最もよくあるケースとしては…
おねしょをしたのに「していない」と言ったり、または、食事が子供の嫌いなメニューだったときに、お腹が空いてるのに「すいていない」のような嘘をつく、というケースです。
これは、子供の「叱られたくない」という防衛本能によるものです。
大人でも、自分の立場が悪くなりそうなときに、ついつい嘘をついてしまう、という経験は、誰にでもありますよね。
それと同じことなんです。
子供が、自分の自己防衛本能のために嘘をついてしまうときは、次のような対処法があります。
子供が嘘ついたら必ず叱る
子供が嘘をついたときには、必ず叱るようにしましょう。
もしも、子供が嘘をついた時と、ホントのことを言った時とで、親の対応が同じになってしまうと、子供は「嘘でも本当でもどちらでもいい」という認識をしてしまいます。
そのため、「本当のこと言った時は褒める。嘘をついた時は叱る。」
というルールを、親であるあなたのほうも、しっかりと定めておくようにしましょう。
本当のことを言った方が、結果的に得をする
子供の虚言癖をなくすためには、親であるあなたが、「本当のこと話したほうが、必ず得をする」ということを、子供に教えていくのが一番です。
そのため、子供が「おねしょした」と本当のことを話したときは、「正直に言えたね、すごいね」と、子供を褒めてあげるようにしてください。
そして、子供が嘘をついたときは、うやむやにするのではなく、嘘が発覚した時点で、すぐに厳しく叱るようにしましょう。
こういうやりとりが続けば、子供のほうも、「本当のこと言ったほうが怒られない」ということを徐々に学んでいきます。
理由2:遺伝
子供が嘘をつく理由の2つ目は、遺伝です。
「子供がお父さんと全く同じ話し方をする」といったような話をよく耳にしますよね。
意外に思われるかもしれませんが、遺伝情報を司るDNAには、話し方や話すときの思考なども、情報として記録されています。
そのため、親に嘘をつく癖があると、子供にもそれが遺伝するようになるんです。
もしもあなたが子供の虚言癖について悩んでいるなら、「あなた自身が普段どれくらい嘘を言っているか」ということを振り返って考えてみてみましょう。
もしもあなたが、「普段から、自分も結構嘘を言っているかも…」という心当たりがあるなら、まずはその癖を改善することをおすすめします。
子供に親の嘘を見せるのが一番よくない
一番よくないのは、あなたがご主人や家族に嘘をいっている姿を、子供に見せることです。
たとえ、子供には嘘の内容や真実の内容はわからなくても、子供は感受性が強いため、「お母さんは今嘘をついている」ということは、直感で判断することができます。
そのため、子供の虚言癖について思い悩む前に、まずは家族全体で、「絶対に嘘は言わない」と決めておくのが一番です。
時間はかかるかもしれませんが、あなたやご主人が正直に話している姿を子供に見せることが、子供にとっては一番の改善方法になります。
理由3:目立ちたい(自慢したい)
子供の嘘でよくあるのは、「オーバーな嘘の自慢」です。
「お菓子を50個も買ってもらった」「家には大きな犬が3匹もいる」などの、嘘の内容の自慢です。
これは単純に、子供の「目立ちたい」「自慢したい」という願望から来ています。
「おもちゃをたくさん持っている」と友達に話せば、友達は自分に注目してくれます。
また、「おじいちゃんが入院している」などの、全くの事実無根の嘘をついてしまうのも、根底には、話題を提供することで構って欲しい、という願望があります。
そうして周囲からの注目を集めることに快感を覚えてしまうと、こうした事実無根の嘘は、なかなか直りにくくなります。
友達をなくす危険性がある
あなたの子供が、「おもちゃをたくさん持っている」のような、友達に自慢したいという願望から嘘をついている場合、気を付けなければならないことが1つあります。
それは、友達をなくしてしまう危険性がある、ということです。
初めのうちは、「かわいい嘘」で流してもらえるかもしれませんが、子どもの年齢が上がっていくにつれて、そうしたオーバーな嘘は、次第に周囲から構ってもらえなくなります。
そして最悪の場合、構ってもらうために、「さらにオーバーな嘘をつく」というふうに、エスカレートしていきます。
友達が離れていくことを教えておく
前項でご紹介したように、子供の嘘は必ずその場で叱るようにしなければいけません。
その上で、注目を集めるための事実無根の嘘に関しては、「そんな嘘をついていたら友達がいなくなるよ」ということを、きちんと教えておくようにしましょう。
子供が幼稚園児ぐらいであれば、『狼少年』などのおとぎ話を聞かせるのも、効果があります。
また、もしもあなた自身が「嘘で困った体験談」があれば、それを聞かせてあげるのも、子供にとってはとても勉強になります。
まとめ
いかがでしたか。
今回は、子供の虚言癖の理由と、改善方法について、ご紹介してきました。
まず、世間一般に言われている、「虚言癖=発達障害」というのは誤解です。
子供が成長の過程で嘘をつくようになるのは、むしろ自然なことですから、「発達障害かも?」と、気を病みすぎないよう、子供の成長を温かく見守ってあげることが先決です。
その上で、子供がどうしても嘘をついてしまう理由としては、
1:子供の防衛本能
2:遺伝
3:目立ちたい、自慢したいという願望
…など、大きな3つの理由があります。
大切なのは、「嘘を言うと損をする」「本当のこと言うと得をする」ということを、子どもに教えていくことです。
そのためには、子供が嘘をついたときには厳しく叱り、本当のこと言ったら褒めてあげるようにして、家族内でのルールをきちんと定めておくようにしましょう。
「両親が日常的に嘘をついている」というようなご家庭は要注意です。
まずは親であるあなたが、普段から本当のことを話すようにして、その姿を子供に見せてあげるようにしましょう。
また、アスペルガー症候群という病気にも、虚言癖の症状がありますので、こちらの記事も参考にしてみてください。
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