生後半年の赤ちゃんの喃語(なんご)が遅くても発達障害ではない
「赤ちゃんが、生後5ヶ月を過ぎても全然喃語を話してくれない」
と、悩んでいませんか。
喃語(なんご)とは、赤ちゃんが発する、「あー」とか「うー」といった声のことです。
近年は、赤ちゃんの発育が他の子より少しでも遅いと、「発達障害ではないか」と考える傾向にあります。
しかも、それを助長するかのように、発達障害の可能性を示唆するようなネット記事が多いのは良くない風潮です。
これでは、インターネットで赤ちゃんに関する情報を探すたびに、お母さんの不安ばかりが大きくなってしまいますよね。
喃語には個人差がありますから、赤ちゃんによって早い遅いがあるのは当然です。
そこで今回は、赤ちゃんの喃語は一体どういう仕組みなのか?を踏まえながら、喃語がなかなか出てこない赤ちゃんへの正しい接し方についてご紹介していきます。
喃語の仕組み
喃語が遅い赤ちゃんをもつ多くのお母さんが、以下のような不安を抱いています。
「うちの赤ちゃんは、全然喃語を話してくれないけれど、大きくなってから言葉をちゃんと話せるのか心配」
つまり、「喃語が遅い=言葉を覚えるのが遅い」と考えてしまうんですね。
でも、これは「勘違い」です。
言語中枢とは無関係
最近の研究によれば、赤ちゃんの喃語は、言語中枢とは関係がないことがわかっています。
「喃語は大人が話す言語と関係がない」とは、つまり…
・喃語を話さないからといって、言葉を覚えるのが遅いわけではない
・喃語をたくさん話したとしても、言葉を覚えるのが遅い場合もある
ということです。
赤ちゃんの生理的な反応
喃語は、赤ちゃんの生理的な反応です。
「生理的」とはつまり、赤ちゃんは頭で考えて喃語を話しているのではなく、勝手に出てくるもの、ということです。
「生理的」という観点では、喃語は泣き声と大差ありません。
ただ単に、周囲の大人が、赤ちゃんの喃語を「赤ちゃんが話しているように見える」って思うだけの話です。
生後半年の赤ちゃんの喃語が遅いからといって、「言葉を覚えるのが遅いかもしれない」と気に病む必要はありません。
喃語には個人差がある
赤ちゃんの喃語は、ただの「生理現象」の1つですから、赤ちゃんが特に何かを「話そう」として喃語を発しているわけではないんです。
そのため、喃語は「脳の発達」ともあまり関係がありません。
喃語が多いか少ないかというのは、あくまでも「個人差」に過ぎないからです。
喃語が少ない赤ちゃんにやってはいけないこと
赤ちゃんが喃語をなかなか話してくれないときに、お母さんが最もやってはいけないのは、喃語を赤ちゃんに「教えよう」とすることです。
なぜなら、上記でご紹介したように、喃語はただの生理的な反応であるため、教わってできるものではないからです。
それなのに、周囲の大人が無理に喃語を「教えよう」とすると、どうしても態度が不自然になりますし、赤ちゃんが喃語を発してくれない時にストレスになってしまいます。
お母さんの顔を見て、「あー」という赤ちゃんもいれば、何も言わない赤ちゃんもいます。
これは完全に、赤ちゃん次第です。
赤ちゃんに接するとき、「できる・できない」などは考えず、なるべく自然体でいるようにしましょう。
喃語が遅い赤ちゃんに対してするべきこと
喃語を話さない赤ちゃんに対して大切なのは、お母さんが赤ちゃんに向かって自然に話しかけてあげることです。
「おいしいね」「今日は暑いね」など、普通にどんどん話しかけてあげましょう。
こうしたお母さんとの会話の中で、赤ちゃんはお母さんに「反応しよう」として、少しずつ喃語を身に付けていきます。
喃語は言葉ではなく「反応」です。
つまり、喃語そのものを教えようとするのではなく、周囲の大人が、普通に話しかけてあげるのが何より良い方法です。
まとめ
いかがでしたか。
最近の研究結果で、喃語は「言語中枢とは関係がない」ということが明らかにされています。
つまり、赤ちゃんの喃語が遅いからといって、それがイコール、発達が遅いというわけではないんです。
生後半年を過ぎて、全く喃語を話さない赤ちゃんでも、その後言葉を覚えれば、もちろん普通に話せるようになります。
ネットから得た情報を鵜呑みにして、「発達障害?」「療育が必要?」などとすぐに考えるのではなく、赤ちゃんの成長を気長にやさしく見守ってあげましょう。
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