「心梓ちゃん」は何と読む?読めない漢字のキラキラネームが流行!
2015年頃を境に、いわゆる「キラキラネーム」の傾向が変わってきているのをご存知でしょうか。
それが、今回のタイトルにもなっている「読めない漢字のキラキラネーム」です。
そのため、今後あなたの後輩や教え子、友人の子供の中にも、「読み方が全くわからない!」という名前の人が現れる可能性は十分あります。
そこで今回は、近年急速に流行している「読めない漢字のキラキラネーム」について、ご紹介していきます。
キラキラネームの傾向が変わってきている?
冒頭でお話ししたように、2015年ごろを境に、キラキラネームの付け方の傾向が変わってきているんです。
「音」重視から「字面」重視になりつつある
キラキラネームが流行り始めた20世紀の終わりごろは、「音」が重視されていましたが、近年のキラキラネームでは、「字面」が重視される傾向にあります。
「音重視」というのは、子供の名付けの際に、名前の音や響きを重視するやり方で、「るな」「みれい」「れおな」などがこれにあたります。
要は、「かわいい音・かっこいい音」というのが初めにあって、そこへ無理やり「漢字を当てる」というやり方です。
音を決めて、そこへ漢字を当てる
例えば、DQN親が、子供に「るな」という名前をつけるとします。
(DQN親とは、キラキラネームのような「非常識」な名前を子供に付けたがる親を指して呼ぶ「ネット用語」です)
そこで、このDQN親は…
るな
↓
Lunaはラテン語で月
↓
「月」と書いて「るな」と読ませる
という名付け方をするわけです。
また、「アリエル」という名前も同様です。
これも、「アリエル」という「音や響き」が先にあって…
アリエル
↓
人魚姫
↓
「海の中で泡に包まれているお姫様」という連想
↓
「泡 姫」と書いて「アリエル」と読ませる
という、まるで連想ゲームのような名付けです。
これらの「るな」や「アリエル」などが、「音」を重視するキラキラネームの付け方です。
一般に、「可愛すぎる名前」「アニメキャラのような名前」のキラキラネームは、ほとんどが「音重視」で付けられています。
「字面」が重視される傾向
しかし、近年のキラキラネームでは、この「音」重視の傾向から、「字面」を重視する傾向へと変わってきています。
「でも、漢字を重視しているんだから、良いんじゃないの?」と考えたあなたは、おそらく十分な教養がある人です。
子供の名前に使う漢字を先に決めて、その漢字を使って名付ける、というやり方は、昔から普通に行われているからです。
例えば、「良い人になってほしい」という願いを込めて、「良子、良江、良美…」などの名前を付けたり、あるいは、江戸時代の徳川家のように、「家康」から家の字を引き継いで、「家光、家定、家継…」などのように名付けるケースです。
こうした「漢字」を重視する名付け方は、日本では昔から広く行われてきたことですよね。
では、一体なぜ、漢字を重視しているにも関わらず、それでもキラキラネームになってしまうのでしょうか。
次にご紹介する、「心梓ちゃん」のケースで見てみましょう。
「心梓ちゃん」は何と読む?
「心梓」…あなたはこの名前、どう読むと思いますか? 前半の「心」は分かるにしても、後半の「梓」は、常用漢字ではありません。
「梓」この字は「あずさ」と読み、植物の名前です。「心」も「梓」も、確かに、きれいな漢字には違いないのですが…
「心梓」なんていう熟語はありませんし、そんな熟語が存在しない以上、読みようがありませんよね。
それに、そもそも男の子なのか女の子なのかすらも判然としません。
全部で17通り!読み方は、DQN親次第?
この「心梓」という漢字は、現在ネットで紹介されているだけで、なんと、17通りもの読み方があるんです!
ここあ
ここな
ここみ
こころ
こさき
こはる
さくら
しお
しおり
しおん
みくら
みさ
みさき
みゆ
みら
みお
りお
…「どう読んだらそんなふうに読めるの?」って感じですよね。
「ここ」で始まるのはまだ分かるにしても、それ以外は、漢字本来の読みを完全に無視しています。
先程、「そもそも『心梓』という熟語はない」というお話をしましたが、勝手に作った熟語だからこそ、「読み方は本人の自由」というのが近年のキラキラネームの特徴なんです。
「心梓」が名付けランキング1位という事実
実は、この「心梓」という名前には、「読み方が17通りもある」という事実ともう一つ、さらに驚くべきことがあります。それは…
なんと、2017年度上半期の子供の名前ランキングで、「心梓」が1位を獲得したんです! はっきり言って、常識的な名前をつけている人たちから見れば、衝撃以外の何者でもありませんよね。
クラスに複数人の「心梓ちゃん」がいる?
でも、こうなってしまうと、幼稚園のクラスなどで、2人以上の「心梓ちゃん」がいる可能性がかなり高くなります。
すると、クラスの先生にしてみれば、「心梓ちゃん」のそれぞれの読み方まで覚えなければならない、という非常にムダな仕事が増えてしまいます。
しかも、この「心梓」という名前は、見る人が見れば一目でキラキラネームだと見抜かれてしまいます。
そのため、こういう名前を子供につけてしまうと…
「同じクラスに、同じ漢字の子供がたくさんいて、なおかつ、読み方がみんなバラバラ、でも、あの子とあの子は読みもかぶっている…」なんていう恥ずかしいシチュエーションも十分想定されます。
この状況、はっきり言って、子供も親も相当恥ずかしいです。
まだまだある!難読のキラキラネーム
心梓ちゃん以外にも、2017年に流行している「難読のキラキラネーム」は、まだこんなにあります。
●咲花
えみか・ここな・さくら・ももか
●颯(男女兼用)
そよか・さあや・りゅう・かける・はやた
●凛空
りく・りんく・りすか・りゅあ
…どれ1つとして、まともに読めるものはありませんよね。 もはや、ただの「クイズ大会」です。
また、流行の名前がキラキラネームかどうか、判別する方法については…
【蒼翔くん】はキラキラネーム?
【叶愛ちゃん】はキラキラネーム?
こちらの記事も、ぜひ参考にしてみてください!
まとめ
「心梓ちゃん・咲花ちゃん・颯ちゃん・颯くん・凛空くん…」
これらの名前が、今回ご紹介している、2015年以降に急速に流行り始めた、「読めない漢字のキラキラネーム」です。
字面の見栄えが良さそうな漢字だけを先に決めて、適当な読みをあてる、というパターンです。 そのため、漢字本来の読みが、全く機能していません。
これなら、「ひらがなだけ」の名前の方が、よっぽど親切だと思いませんか? こんな解読不能なキラキラネームを付けた親は、「DQN親」と呼ばれても文句は言えませんよね。
子供に名前を付けるときは、一時の流行に左右されるのではなく、きちんと子どもの人生を考えて付けてあげるようにしましょう!
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