やばみがある?「○○み」の意味と女子中高生に流行した3つの理由
「やばみがある」
「うれしみ」
「おいしみが深い」
このようなフレーズを目にしたことはありませんか。
こうした「○○み」という言葉は、2016年頃から、主に女子中高生を中心に流行し始めた用法です。
その後、テレビ番組などでも流行語として紹介されたことから、「○○み」という言い方は、社会に広く浸透しつつあります。
でも、昭和生まれの人にとってみれば…
「うまみ」なら分わかるけど、「おいしみ」って何? って感じですよね。
そこで今回は、「○○み」という言葉の具体的な意味や使い方、そして流行の理由についてご紹介していきます!
「○○み」の使い方
「○○み」という言葉は、主に「感情や評価を表す言葉」で使用されます。
おいしい
⇒おいしみ
うれしい
⇒うれしみ
などです。
形容詞以外でも…
このように聞くと、「形容詞に『み』をつけるだけ?」と思うかもしれません。
もちろん、その考え方で、ほぼ「正解」なのですが…
今回あえて「形容詞」ではなく、「感情や評価を表す言葉」という言い方をしたのは、次のような用例もあるからです。
心配だ
⇒心配み
残念だ
⇒残念み
などなど。
つまり、
・「うれしい」と感じたときには、「うれしみ」
・「残念だ」と感じたときには、「残念み」
といった具合に、形容詞なら何でもいいわけではなく、「感情・感想・評価」などを言うときに、「み」を使う… ということです。
要は、「~だと感じている」という、話者の『主観』がメインなんです。
「○○み」が流行した理由
「○○み」という言い方が、女子中高生を中心に流行した理由は3つあります。
それは…
●可愛い
●感情を込められる
●使いやすい
以上の3点です。
では、順に見ていきましょう。
「○○み」は可愛い
「み」という音には、それ自体に「かわいらしさ」があります。
「明美」や「由実」など、女性の名前にも「み」は好んで使われますし、猫などの動物の鳴き声でも「みーみー」というのは、可愛らしい響きがありますよね。
つまり、「おいしい」と書くよりも、「おいしみ」と書いた方が「可愛らしい」ということです。
感情を込められる
2つ目の、「感情を込めやすい」という理由は、次のようなケースを考えると分かりやすいです。
例えば、「深みのある」というのは、「○○み」が流行するずっと以前から使われている言い回しですよね。
ここで、「深い」よりも、「深みがある」と言った方が、感情がこもっているように感じませんか?
だったら、「深み」と同じように、「おいしい」や「やばい」などの言葉にも「み」をつけて…
・おいしみが深い
・やばみが強い
と、言った方が、より感情のこもった表現になる…ってことです。
使いやすい
3つめの理由は、「使いやすい」からです。
先ほど「深み」の例でもご紹介しましたが、「○○み」という言い方は、近年になって突然始まったわけではなく…
元々、日本語に大昔からある表現です。
深い⇒深み
甘い⇒甘み
高い⇒高み
などです。
でも、この言い方は昔からあるのに…
・うまみはあるが、「まずみ」はない
・深みはあるが、「浅み」はない
・面白みはあるが、「つまらなみ」はない
と、このように考えると…
「何に『み』をつけて、何に『み』をつけないのか」
という基準って、結構「あいまい」だと思いませんか?
実際のところ、専門の言語学者でも、『み』の基準を完全に説明できる人はおそらくいません。
なんとなく、「み」をつける言葉とつけない言葉がある、というのが一般の認識ですよね。
それなら、とりあえずどんな言葉でも「○○み」という形にしておけば、響きもかわいくなって、感情も込められて、なおかつ使いやすい… となるわけです。
おいしいです。
⇒おいしみ。
すごくうれしいです。
⇒嬉しみが強い。
すこし残念です。
⇒残念みがある。
と、一律で同じように『み』を使えますから、非常にラクなんですね。
こうして、「○○み」という言い方は急速に浸透していったわけです。
まとめ
今回は、近年女子中高生を中心に広く流行している、「○○み」という言い方についてご紹介してきました。
いかがでしょう。
なかなか、「面白みがある」表現だと思いませんか?
若干「難しみ」かもしれませんが、どんな言葉にも使えますから、慣れてくると、なかなか「便利み」があります。
機会があれば、SNSや掲示板などで、ぜひ活用してみましょう!
Your Message