道で人とすれ違う時、同じ方向によけてぶつかってしまう2つの理由
道を歩いていて、向かいからやってくる人とぶつかってしまうと「イラッ」としますよね。
相手をよけたつもりが、相手も同じ方向によけて、結局すれ違いざまにぶつかってしまう…
こうした経験は恐らく誰もがしているはずで、「せっかくよけたのに…」と、やるせない気持ちになるものです。
しかし、実はこれにはちゃんと理由があるんですね。
そこで今回は、お互いによけようとしているつもりなのに、なぜかぶつかってしまう… その理由についてご紹介していきます。
「お見合い」とは?
道を歩いている時、お互いに「よけよう」としている者同士がぶつかってしまう現象を指して「お見合い」と言います。
つまり、お見合い結婚の「お見合い」と同じように、「お互いに相手の顔が向き合っている」ことから、歩行中の二人がぶつかる現象も「お見合い」と呼ばれているんです。
「お見合い」は道路以外でも、「スポーツ」の場面でも使われます。
例えば野球やバレーボールなどで、二人の選手が同時にボールを取りに行き、二人とも相手に譲った結果、どちらもボールを取れずに落としてしまう…
こういうケースはよくありますが、こうした現象も「お見合い」と呼ばれます。
「お見合い」が起きる2つの理由
では、なぜこうした「お見合い」現象が起こるのでしょうか。
これには二つの理由が考えられます。
行動が釣られる
お見合いが起こる一つめの理由は…
「相手の行動を見て、自分の行動が釣られてしまうから」です。
例えば、あなたが道を歩いていて、前方から人が歩いてきたとします。
このとき、相手が右側によけようとしたのを見たあなたは、それに釣られて「同じように」右側によけてしまうんです。
これは、相手の行動に自分が釣られていることに他なりません。
人間の習性?
こうした、お見合い現象が起きるのは、いわば人間の「習性」のようなものです。
大勢の中にいるときに、周囲につられて無意識のうちに拍手をしたり、声を出したり、手を上げたりなど、あなたにも経験があると思います。
あるいは、そばにいる人が「3拍子」で手を叩いていたら、あなたが「4拍子」で手を叩くのは難しいですよね。
あなたの手拍子も相手に合わせて、自然と「3拍子」になっていくはずです。
つまり、私たちには、
「目の前にいる人と同じ行動を無意識のうちにしてしまう」
という習性というか、メカニズムがあるんです。
そのため、前から人が歩いてきたときも、「反対側によけた方がよい」のは頭では分かっているのに、体が勝手に反応して相手と同じ方向によけてしまうんです。
釣られないようにするのは難しい
道でお見合いになって、ぶつからないためには…
「相手の行動を見て、相手と違う方向によける」というのが、一応は対応策ではあります。
でも、これはけっこう困難です。
いざやってみると分かりますが、目の前の人が右側によけようとしたときに、自分は反対の左側によける…
これは、なかなかできそうでできません。
つまり、それほどまでに「行動が釣られる」というのは、人間に深く備わった習性であり、「行動が釣られないようにする」のはかなり難しいことなんです。
「よけるべき方向」が同じ
二つ目の理由は、「よけようと思った方向がたまたま同じ」というケースです。
道で人とすれ違う時のシチュエーションで考えてみましょう。
例えば、あなたの「左側」は通行人が多くて混雑している、一方「右側」は人が少なくて空いているとします。
この場合、あなたは「右側の方がよけやすい」と判断しますよね。それは人が少ないのだから当然です。
しかし、その判断って、あなたの向かい側から歩いてくる相手も同じように考える可能性が高いとは思いませんか。
相手にとっても、同じ方向が空いている
あなたが「左側はよけにくい・右側はよけやすい」と判断したなら、相手も同じ道路を歩いている以上、同じように「左側はよけにくい・右側はよけやすい」と判断するはずです。
つまり、あなたにとっても相手にとっても、よけるべき方向は同じだったりするわけです。
こうして、お互いが同じ方向によけて、ぶつかってしまう…というお見合いが起こるんですね。
まとめ
いかがでしたか。
道を歩いている時に、対向の人と同じ方向によけてぶつかってしまう現象を「お見合い」と呼びます。
「お見合い」が起こってしまうのは…
・無意識のうちに相手の行動に自分がつられるから
・自分も相手も「よけるべき方向」が同じだから
以上の2つの原因が考えられます。
そのため、もしも道で人とぶつかりそうになって「右側が空いている」と感じたなら、あえて裏をかき「左側によけてみる」という手もあります。
でも咄嗟のことだから、実際に行動できるかは不明です。人通りの多い道を歩くときは、参考になさってみてください。
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