胃下垂とは？原因や治療法。胃下垂だと太らないのはなぜ？

「私、胃下垂だからいくら食べても太らないの～」
なーんて言ってる女性いますよね？

そもそも胃下垂とはどんなもので、胃下垂の人は本当に太らないのでしょうか？

今日は胃下垂について解説します。

胃下垂の症状とその原因について。

胃下垂というのは胃の位置が本来の位置よりも下に垂れ下がっている状態の事を言います。

通常の胃の位置は、正面から見るとみぞおちの（やや下）辺りにあるのですが、胃下垂の人の胃はおへそや下腹部辺りに位置しています。

しかし、胃が下にあるといっても胃自体が下にあるのではなく、胃のはじまり（入口）の部分は位置的に一般の人と変わらず、そこから胃の下（腸につながる方）の部分が通常より下に伸びてしまっている状態です。
分かりにくいですね。
つまり、胃が伸びちゃってる感じ。

ところで、胃下垂になりやすいのは身長が高くて痩せている人なのですが、それ以外にも胃下垂になる原因があります。

・筋力不足
胃を引き上げる筋力が弱くなっている

・ストレス
ストレスが原因で消化不良が起こり胃に負担がかかっている

・暴飲暴食
食べ過ぎ・飲み過ぎで胃に負担がかかっている

胃下垂の症状としては、食欲不振、胃の重圧感、便秘や下痢などですが、ひどいと胃炎や潰瘍ができるケースもあるのであまり良い事とはいえません。

胃下垂を治すには？

「食べても太らないなんていいな～」
と周りから言われるかもしれませんが、胃下垂の人はそれなりに悩んでいます。
それもそのはず、通常の状態ではないわけなので何かと弊害は多いでしょう。

まず、胃下垂の人がご飯を食べると下腹がポッコリ膨れます。
胃下垂の人の胃は下に垂れ下がっているので、拡張性が制限されているためそういう風になるのですが、そのために食欲不振や胃もたれなどの症状が慢性的にあります。

常に消化不良の状態なので、胃は食べたものをただ腸に送るだけ。
そのため恒常的に栄養不足になり、抜け毛の症状が現れるなど、深刻な問題も抱えています。
胃下垂だから太らないなんて喜んでいる場合ではなく、本人的には悩みが絶えない状況です。

胃下垂の人が胃下垂を治すには、

・腹筋を鍛える
下腹筋を鍛えて胃を上に持ち上げるようにします。

・食事法を改善
もともと消化吸収が悪い状態なので、一度にたくさん食べず小分けにして食べる事で胃痛や胃もたれを解消します。
また、食べる時には消化の吸収を助けるためによく噛み、リラックスして食事を摂るようにしましょう。

・甘い物は控える
甘い物は筋肉を緩める働きがあるので、なるべく避けるようにした方がよいでしょう。

・姿勢を良くする
猫背や姿勢が悪い人というのは背筋が弱くなっていて、それが胃下垂を引き起こす原因になります。
姿勢を良くすることで同時に腹筋も鍛えられるので、常に良い姿勢を保つようにしましょう。

・ツボを押す
百会：頭に向かい耳の延長線上にある真ん中のツボ。
中脘：胸の下とおへその中間地点。
足三里：膝下の少し外側。
これらのツボを気持ちの良い程度の力で押します。

・ストレス解消
ストレスがあると胃の消化が悪くなって胃下垂を引き起こす原因にもなります。
うまくストレスを発散できる方法を模索しましょう。

胃下垂の人は何故太らないのか？

胃下垂の人は太らないとよく聞きますが、胃下垂だから痩せているのではなくその反対で、痩せてきたので胃下垂になったともいえます。

胃下垂の人は太らないから良いのではなく、栄養を十分に吸収できていないので体が太りたくても太れないのであって、何も良い事はありません。

栄養を十分に吸収できないことから、胃下垂の人が太りにくいのは事実なのですが、それ以外にも栄養失調、血行不良、肌荒れ、冷え性などの症状も現れるので早めに改善した方が良いでしょう。

なかには太らない体質になりたいからと、わざわざ胃下垂を目指す人もいるようですが、栄養をきちんと吸収するできないのは健康面では大問題で、無理に胃下垂になりたいというような考えはまったくもってNGです。

胃下垂は立派な病気なので、胃下垂の人は症状がひどくならないためにも早めに治療を行うようにすべきです。

まとめ

胃下垂は何もいいことがない！という事が分かったと思います。

普通に考えて、食べているのに太らないというのは、栄養が全く吸収できていないという恐い状態です。

胃下垂だから太らないと喜んでいる人もいるかもしれませんが、その状態は病気なのだと自覚して早めに改善するように努めましょう。