女の子のキラキラネームの基準は?「叶愛」という名前がNGな理由
「叶」という字は、「願いが叶う」などの意味の美しさから、近年特に、女の子の名前に好んで使われている漢字です。
そのため、この字に「愛」を重ねた「叶愛」も人気があり、幼稚園のクラスによっては、2人以上「叶愛」ちゃんがいて名前がかぶる、というケースもあります。
でも、「叶愛」という名前、じつは完全にキラキラネームだということをご存知でしたか?
今回は、女の赤ちゃんの命名に際し、「どういう名前がキラキラネームなのか」という基準について、ご紹介していきたいと思います。
基準1:本来切らないところで漢字の読みを切る
たとえば、愛の読みは「あい」ですが、これを真ん中で切ってしまって、「あ」と読ませるのは、一般にはキラキラネームとされます。
近年は、「愛」で「あ」と読ませる名前があまりにも増えてしまったため、「これが通常の使い方」と勘違いされている風潮すらありますが、本来はキラキラネームです。
このほかにも、
●心(こころ)=こ、ここ
●姫(ひめ)=ひ
●萌(もえ)=も
●恋(こい)=こ
●恋(れん)=れ
●凛(りん)=り
●悠(はるか)=は
などがあります。いずれも、始めの1字だけを使っているわけです。
特に女の子の名前では、こういった「変なところで漢字の読みを切る」という名前が多い傾向がありますので、くれぐれも気をつけたいところです。
基準2:漢字の読み方がそもそもありえない
●叶=と
●愛=ら
●茶=てぃ
これらはすべて、漢字の正常な読み方ではありません。
「叶」という字の音読みは、実は「キョウ」であり、「と」という読み方はないんです。
これは、おそらく「叶」の右側の「十(とお)」からの連想で、勝手に「と」と呼ばせているだけで、漢字本来の読みではありません。
また、「愛=ら」も同様です。
これは、「愛→LOVE→らぶ→ら」というように、英語の読みを当てて、なおかつそれを途中で切るという、2重に恥ずかしいキラキラネームです。
「叶愛ちゃん」は何と読む?
「愛を叶える」、「愛が叶う」で、叶愛ちゃん。
意味としては、とても素晴らしいですよね。
でもこの名前、一体どう読むと思いますか?
なんと現在、実際に出生届が提出されている名前だけでも、12通りもの読み方があるんです!
●叶愛(かい)
●叶愛(かな)
●叶愛(かなみ)
●叶愛(かのあ)
●叶愛(てぃあ)
●叶愛(とあ)
●叶愛(とあい)
●叶愛(のあ)
●叶愛(のあん)
●叶愛(ののあ)
●叶愛(らむあ)
●叶愛(れのあ)
などです。
どれ1つとしてマトモに読めるものはなく、もちろん、すべてキラキラネームです。
こうなると、幼稚園の同じクラスに複数人の「叶愛ちゃん」がいて、しかもその全員が、「それぞれ読み方が違うキラキラネーム」ということになってしまいます。
キラキラネームをつけているだけでも恥ずかしいことなのに、友人と漢字が被っているというのは、どれぐらい恥ずかしいことか、容易に想像できると思います。
基準3:性 的な意味を連想させる名前
女の子の場合は特に、「知らずに命名したら、性 的な意味の名前になってしまった」というケースがあります。
信じられないことですが、女の子の名前で「あ く め ちゃん」と命名している親が実際にいるんです。
漢字も、「愛永恵」や「明芽」などがあり、いずれも「あ く め」と読ませる事自体に無理があり、かなりのキラキラネームです。
このほかにも…
●愛 穂(ら ぶ ほ)
●湯 女(ゆな)
●亜 成(あ な る)
●遊 女(ゆめ)
●泡 姫(あき/ありえる)
などがあります。
「泡 姫(ありえる)」に至っては、出どころもアニメの登場人物で、しかも英語。
漢字も当て字で、なおかつ意味が良くないという、3重4重のキラキラネームです。
恥ずかしくなる以外の要素がありません。
赤ちゃんの命名の際は、「他に変な意味はないかどうか」を必ず確認するようにしましょう。
基準4:可愛さや美しさが過度に強調されている名前
昔から、赤ちゃんの命名に関しては、「子供が名前負けしないようにする」というのが、最重要項目の1つとして言われてきました。
そのため、「美」という漢字を安易に女の子につけてしまうのは考えものです。
例えば、「美子(よしこ)」という名前は、それ自体はキラキラネームではありませんが、もしも女の子が大きくなって美人ではなかった場合に、それによって本人が傷つく可能性があります。
華恋(かれん)や美麗(みれい)なども同様です。
名前だけがあまりにも美しすぎると、女の子は苦労します。
これがつまり、「名前負け」ということです。
本人が漢字を説明するときにつらくなる
また、美しすぎる名前は、本人が名前の漢字を説明するときに、つらくなります。
あなたも、誰か他の人に自分の名前の漢字を説明するとき…
「幸福の幸に、子供の子で、幸子(さちこ)です。」
という言い方をしていると思います。
その時、例えば、真美さんであれば、「真美」自体はキラキラネームではありませんが…
「真実の真に、美しい、で真美(まみ)です」と、説明するのは、かなり勇気がいることです。
おそらく、世間一般の「真美さん」たちは、このような説明を絶対にしていないはずです。
そのため、「愛」や「美」などの漢字が羅列された名前で、それでなおかつキラキラネームになってしまうと、将来子供は本当に大変になります。
「愛ちゃん」は良い名前?
「愛」という字も同様です。
近年は、女の子の名前で「愛」の漢字があまりにも人気になりすぎ、クラスの名簿を見ると半分以上に「愛」の漢字が使われている、というケースもよくあります。
しかし、親としては、ここで一度立ち止まって考えてみなくてはなりません。
TVに出ている有名人のなかにも、「愛ちゃん」という名前の人は数多くいますので、確かに可愛いらしい名前ですが、それは、その人が有名人で、一般の人にはない大きな魅力があるからです。
厳しい言い方かもしれませんが、特に有名でも美人でもない一般の女の子が「愛ちゃん」と名乗るのは、名前負けのリスクが必ず伴います。
こうしたリスクは、親としてしっかり考えておくようにしましょう。
基準5:完全な当て字
名前の意味を先に決めて、あとからキラキラな漢字を当てる、というキラキラネームもあります。
たとえば、「ほたるちゃん」と命名された女の子がいますが…
●蛍々春
●萌汰瑠
●光
●夏蝶
●優光
●光照
●蒼琉
これらはすべて、「ほたる」に当てられた漢字です。
初見では、ほぼ100%読むことができません。
それなら、おかしな当て字にしないで、平仮名で「ほたるちゃん」にしてあげたほうが、よっぽど親切です。
女の子の名前に「きてぃちゃん」??
また、これまた信じられないことに、女の子の名前に「きてぃちゃん」と名付ける親がいます。
この時点で、かなりのキラキラネームなのですが、漢字はさらに問題です。
「てぃー」と読む漢字が存在しませんので、この部分が必ず当て字になってしまいます。
「きてぃ」と読ませている名前としては
●樹茶
●嬉汀唯
●姫帝
●姫輝良
●姫星
などがありますが、すべて完全な当て字です。
このように、「意味の近そうな漢字を並べて、無理やり読ませる」というのも、キラキラネームの典型です。
まとめ
いかがでしたか。
今回は、女の子のキラキラネームの基準として、
1:本来読まないところで漢字の読みを切る
2:漢字の読み方がそもそもありえない
3:性的な意味を連想させる名前
4:可愛さや美しさが過度に強調されている名前
5:完全な当て字
の5つを、ご紹介してきました。
今流行りの「叶愛」という名前が、いかに深刻なキラキラネームであるか、ということがお分かりいただけたかと思います。
かわいいだけの名前は、子供が大きくなったときに必ず苦労します。
そのことをよく考えて、女の子の赤ちゃんには、名前をつけてあげるようにしましょう。
また、男の子の名付けに関しても、こちらの記事でご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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