かりゆしウエアはアロハシャツ?正装というが結婚式や面接は可?
7月といえば、夏祭りや花火大会などで、浴衣や甚平のカップルや子供を多く見かけますよね?
最近はレディース用の甚平や、セパレートの浴衣も売られています。
浴衣といえば、ハワイの「アロハシャツ」って、元々は和柄の着物をシャツにリメイクしたものだって知ってましたか?
日本人移住者が持っていた着物の美しさに惹かれた現地の人が、「着物をシャツにしてくれ」と言って、仕立て直したのが始まりなんです。
「アロハシャツ」はハワイでは正装とみなされていて、結婚式、お葬式にも着て行けます。
一方、沖縄の「かりゆしウエア」も沖縄では正装だそうですが、本当に公の場に着て行っても良いのかどうか、疑問に思う人も少なくないでしょう。
かりゆしウエアは、沖縄県知事や政治家たちがPRやアピールのために着ているイメージが強く、普通の沖縄の人達に本当に浸透してしているのかはちょっと疑問。
そんなわけで、今回は「かりゆしウエア」と「アロハシャツ」の比較をはじめ、「かりゆしウエア」のもろもろについてまとめてみました。
かりゆしウエアって、つまりはアロハシャツ?
そもそも「かりゆしウエア」って、「アロハシャツ」の沖縄版なのかな?って思っていました。
アロハシャツの「アロハ」とは、「愛情、慈悲、思いやり、挨拶」といった意味があり、一方、かりゆしウエアの「かりゆし」とは、沖縄の方言で「おめでたいこと」を表します。
アロハシャツは、ヤシやパイナップルなど、カラフルな柄のシャツが主流です。
対して「かりゆしウエア」は、アロハよりもおとなしい柄が多く、沖縄独特のゴーヤやシーサーなどをモチーフにしたものが主流のようです。
かりゆしウエアは、最初「沖縄観光連盟」が沖縄をPRするために「おきなわシャツ」として売り出したもので、その後2000年に「かりゆしウエア」と名称が変わりました。
どちらも暑い地域の正装として考えられた服装なのですが、歴史も全く違いますし、世間の認識にも差があります。
また、それぞれ着方にも決まりがあるようで、アロハシャツはデニムやハーフパンツと組み合わせたスタイルが多く、かりゆしウエアはスラックスと革靴の組み合わせが定番のようです。
かりゆしウエアで結婚式、面接はありなの?
ある家の旦那さんが「かりゆしウエア」で子供の入学式に出席したら、そんな服装の人は全くいなくて、みんな普通にスーツだったという話があります。
つまり、沖縄の人にとって「かりゆしウエア」は、必ずしも正装という認識は浸透していないという現れですね。
また、沖縄での結婚式に招待されると、「アロハシャツか、かりゆしウェアで来てください」なんて言われるケースもあります。
ところが、それでかえって戸惑う他県の招待客は少なくないんです。
まず、「かりゆしウェア」自体に馴染みがないので、下は何を合わせたら良いのか?靴は何を履けば良いのか?と迷います。
結果、礼服よりかえって気を使ってしまうことも…。
沖縄出身の新郎新婦でも、年齢が若いカップルの場合、「かりゆしウェア」よりもスーツ率の方が高く、やはり沖縄で浸透しているのというのはイメージ先行のようです。
事実、沖縄の人でもまだまだ「かりゆしウエア」を正装だと思っていない人は多く、公の場ではやはりスーツが主流。
また、「かりゆしウエア」で就職の面接をする人も全くいないということで、「正装として通用します」とはいっても、現実は違うということでしょう。
ただ、冠婚葬祭での着用がOKなのは確かです。でも実際は受け入れられていないのが現状。
だって、よくよく考えてみれば「かりゆしウエア」って、沖縄のPRのために考え出された服装であって、ネイティブの沖縄人(こういう言い方は変かも…)に伝承されたきた伝統衣装ではありません。
アロハシャツはハワイで正装と認められていると言っても、日本でのイメージはあくまでもカジュアルです。
それと似た要素を持つ「かりゆしウエア」が、正装OKと言われても、なかなか受け入れるのも浸透するのも容易じゃないということでしょうね。
かりゆしウエアはなんで高いの?
調べてみると「かりゆしウエア」は「アロハシャツ」より高価で、「クールビズ」からはちょっとかけ離れたイメージ。
綿100%の「かりゆしウエア」は普通に8千円くらいしますが、どうしてそんなに高価なのでしょう。
また、物によっては1万円以上、本格的なものだと2~3万円はざらなんだとか。
中でも「芭蕉布で織られたかりゆしウエア」などは数十万円もする高価なものだそうですよ。
これはなぜかと言うと、「かりゆしウエア」は「正装の外出着」だからという声や、相応の素材を使っていたり、手作業で作るからだと言われています。
確かに男性の「正装の外出着」であるスーツは、決してお安くはないですね。
でもシャツにそこまでお金を出せる人って限られているのではないかと思います。
ハワイの正装着と言われている「アロハシャツ」もピンきりですが、かりゆしのようにそこまで高価ではないでしょう。
聞くところによると、沖縄の人も「かりゆしウエア」は高価なので、かりゆしよりもアロハシャツをたくさん持っていて、代用している人もいるのだとか。
最近は「かりゆしウエア」の喪服も登場したようですが、果たして浸透するでしょうかね。
政府も「クールビズ」を盛んに後押ししていますが、そんなに高価だと購入する気にもなかなかなれないし、普及もしずらいと思うのですがいかがでしょうか…。
まとめ
クールビズをきっかけに、「かりゆしウエア」は沖縄県だけではなく他府県にも浸透していく予定だったのかもしれません。
しかし、開襟シャツが正装という認識を持つこと自体、日本人には難しいかもしれませんよね。
沖縄に観光で出かけた折、現地の気分を味わいたいと思ったら購入するのもありでしょうが、やはりこの国で「かりゆしウエア」が正装になる日は訪れない気がいたします。
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