地味に好きってどういう意味?若者の流行語「地味に」の使い方
若い人が、「地味に」と言っているのを耳にしたことはありませんか。
世代によって使い方が異なる言葉はいくつかありますが、今回ご紹介する「地味に」もその一つです。
昭和40年代以前の生まれの人にとっては、「地味に好き」という言葉はなかなか理解しにくいのではないでしょうか。
そこで今回は、若者が好んで使う「地味に」の意味や使い方についてご紹介していきます。
「地味に好き」とは?
SNSなどで比較的よく目にする「地味に」の用法としては…
・地味にすごい
・地味に好き
・地味に嬉しい
などがあり、一般に「形容詞」とセットで使われるケースが多いようです。
これらの文章は、それぞれ単体で「すごい」「好き」「嬉しい」と言っても、話し手の意図は充分に伝わるでしょう。
しかし、あえて頭に「地味に」を置くことにより、微妙なニュアンスを表現しています。
「地味に」はどういう意味?
「地味に嬉しい」の意味としては…
のような、非常に「控えめ」なニュアンスがあります。
・地味に好き、
・地味にすごい、
等も同様です。
世間の誰もが好きになるとは限らないけれど、私は個人的に好き
地味にすごいは…
世間から多くの注目を集めているわけではないが、個人的にはすごいと思う
というようなニュアンスがあります。
つまり、「地味にすごい」も「地味に好き」も、それぞれ、「褒め言葉」には違いありません。
しかし、そこには…
「それほどではないけれども、個人的にはそう思う」
という、話し手の「控えめ」な気持ちが表現されているわけです。
「派手に」とは言わない
そもそも「地味」は「派手」の対語なので、「地味に」があれば「派手に」もありそうなものですが、「派手に好き」という言い方はありません。
あくまでも「好き」と「地味に好き」の2種類が使い分けられていて、「派手に」は使われないんですね。
なぜなら、「好き」とか「嬉しい」とダイレクトに言ってしまうと、もうそれだけで、すでに「派手な感じがする」わけです。
これはつまり、「好き」や「嬉しい」などの言葉は、若者にとっては、自分の感情をストレートに表現しているに他ならないからです。
ダイレクトな表現を避ける
そこで、現代の若者は、直接ストレートに「好き」と言うのは避けて、「地味に好き」という言い方をします。
つまり…
・嬉しい
⇒ 誰が見ても嬉しいと感じること
・地味に嬉しい
⇒ 誰が見ても嬉しいと思うかどうかはわからないが、自分は個人的に嬉しいと思う
という使い分けです。
SNSなどで見られる、実際の用例としては、「好き」や「嬉しい」以外にも…
・地味にテンション上がった
・地味に楽しみにしている
・地味に便利
・地味に面白かった
・地味にウケた
・地味に楽しい
・地味に気に入ってる
・地味に大きい
などがあります。
いずれも、自分の感情や感想を全身で表現するのではなく、あくまでも「控えめな」表現をしているわけです。
ネガティブでも使う
「地味に」は、「好き・嬉しい・すごい」など、ポジティブな言葉で使われるケースが多いのですが、ネガティブな言葉にも同じように使うことができます。
・地味にしんどい
・地味に疲れた
・地味にダサい
・地味にウザい
・地味に高い
・地味に怖かった
「地味にウザい」の意味は、ポジティブのときと同じように…
といった、ニュアンスがあります。
これまた、ハッキリと「ウザい」と言い切ってしまわないところがポイントだと言えます。
まとめ
いかがでしたか。
今回は、若者言葉の1つである「地味に」の用法や使い方についてご紹介しました。
「地味に」のニュアンスを一言でまとめると…
「世間の誰もがそう思うとは限らないが、自分は個人的にそう思っている」
という、非常に微妙なニュアンスが込められています。
要は、ストレートな感情表現や自己主張を抑えた「控えめ」な表現です。
でも、こうして見てみると、「地味に使いやすい」と思いませんか?
若者との会話やSNSで、ぜひ「地味に」を活用してみましょう!
Your Message