悪気がなければ許されるの?~「悪気はない」が信用できない理由
「悪気はない」という言葉、よくよく考えてみるとすごくおかしな言葉ですよね。
相手に迷惑をかける、あるいは嫌な思いをさせておいて、一言「すみません、悪気はなかったんです」とさえ言えば、あたかも全てが許されるかのような風潮は、この上なく「理不尽」です。
また、「悪気はない」という言葉をよく口にする人ほど、「実は悪気がある」というケースが多いのも釈然としない理由の一つでしょう。
もしもあなたが、「悪気はない・悪気はなかった」という言葉を使う人に遭遇したとしても鵜呑みにしてはいけません。
今回は、「悪気はない」と言う人の心理と、「悪気はない」という言葉を信用してはいけない理由についてご紹介していきます。
「悪気」とは?
そもそも、「悪気(わるぎ)」とは何でしょうか。
悪気とは、一般的には「悪意」と解釈されます。
つまり、「悪気はない」という言葉は、「悪意があってやったことではない」という意味になります。
悪意は当然ある
例えば、あなたが小姑(義理の姉)から意地悪されて、日々嫌な思いをしているとします。
するとあなたは、当然、「もうこんな小姑、絶対嫌だ!」って思いますよね。
ところが、この小姑は、「ごめんなさい、悪気はなかったのよ」なんて平然と言ったりします。
あるいは、あなたの夫や夫の母が小姑をかばって、「彼女には悪気はないから、許してやって欲しい」と言ったりするかもしれません。
でも、これってやっぱり、なにか「おかしい」ですよね。
反省しないの?
なぜなら、小姑の言葉や態度によって、実際に傷つけられ気分を害したのは「あなた」です。
本来なら、「あなたの気分を害したこと」に対して、謝罪や反省があって然るべきです。
でも、この小姑や周囲の人は、「悪気はなかったから許して欲しい」なんて言うわけです。
つまり、少し意地悪な見方をすると…
といった解釈もできます。
要は、「勝手に気分を害しているあなたが悪い」ってなもんです。
何とも自分勝手で、失礼な言い分だと思いませんか?
「離れられない関係」でよく使われる
また、「悪気はない」という言葉は、親友同士で使われるよりも、どちらかといえば「特に親しくもないが離れられない関係」で使われるケースが多いようです。
例えば、先述のような、嫁と姑、嫁と小姑の関係。
あるいは、同じ職場や、同じクラス、同じ部活同士の関係などです。
これらの関係は、たとえこちらが「離れたい」と思っても、簡単には離れられないですよね。
いわば、「運命共同体」です。
このような関係の中で相手を苦しめたとき、人は「悪気はなかった」と口にするんです。
なぜなら、普通の知人同士であれば、気分を害されれば簡単に離れることができるから、我慢してまで関係を維持する必要はありませんからね。
それが簡単に関係を解消できない関係だからこそ、ことは面倒になるのです。
ただの知人ならすぐに離れられる
例えば、あなたが、知り合って間もない人と一緒に食事をして、相手の態度やお会計のことで揉めたとします。
あなたは当然、「イラッ」ときますよね。
知人同士の関係では、悪気があったかなかったかなんていう言葉は全く問題になりません。
もしもここで、あなたが「特に関係を続けるメリットがない」と判断すれば、縁を切るという選択肢も十分アリです。
相手に悪気があろうがなかろうが、「あなたが気分を害した」のであれば、あなたは相手から離れる選択ができるからです。
我慢を強要する
しかし、家族や職場、学校等の「運命共同体」では、そう簡単に縁を切ったりできません。
たとえあなたが、相手から苦しめられたとしても、「我慢しなければならない」というケースは往々にしてあります。
ここで出てくるのが、「悪気はない」という言葉。
「あなたは嫌な思いをしたかもしれないけど我慢しなさい。だってこっちには悪気はなかったんだから」
ってなもんです。
そこには、「反省」の色は微塵もありません。
同じことを繰り返す
実際のところ、「悪気はなかった」という言葉を連発する人ほど、同じような「嫌なこと」を何度も繰り返します。
・性格の悪い姑
・性格の悪い小姑
・性格の悪いママ友
などなど。
こういう人たちは、そもそも「反省して、改善する」という発想がありません。
それが証拠に「悪気はなかったのよ」なんていうおかしな言葉を平然と口にするんです。
学校のいじめ問題も…
学校のいじめ問題などを見てもそうです。
いじめた側は必ずと言っていいほど、
「悪気はありませんでした」
「まさか自殺するなんて思いませんでした」
と、口にします。
そこに「いじめられた側の気持ち」を慮る配慮や視点は微塵も存在しません。
「悪気はなかった」という言葉は、このように極めて自己中心的で相手に対する思いやりの気持ちが欠如した言葉なんです。
まとめ
いかがでしたか。
今回は、「悪気はない」という言葉を口にする人の心理や特徴として…
・相手が離れていかないことを知っている
・反省していない
・相手の苦しみを一切無視している
・また同じことを繰り返す
・相手に我慢を強要している
などのポイントについてご紹介してきました。
「悪気はない・悪気はなかった」という言葉を頻繁に口にする人を信用してはいけません。
むしろ、この言葉を繰り返して使う人ほど、「本物の悪人」かもしれないのです。
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