引っ越しそばの誤解と正しい意味

公開日:  最終更新日:2016/04/06

引っ越しそば

日本独自の風習として「引っ越しそば」というものがあります。
近所付き合いが希薄になった現代ではあまり聞かなくなりましたね。
そのせいか、この言葉の意味を誤解している、あるいは知らない人が増えているのだとか…。

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引っ越しそばの本当の意味

引っ越しそばと聞いて、あなたは何を連想するでしょう?

引っ越した日は忙しくて食事の支度ができないから簡単にそばでも食べようか。

こんなイメージでしょうか?

正解!!

と言いたいところですが、大外れです。

本当の意味は「引っ越し先で近隣の人にそばを振る舞う」ということ。

「引っ越しそば」は江戸時代の中頃に始まった慣習ですが、そば(近く)に越して来たので、

・おそばに末永く
・細く長くお付き合いをよろしく

といった具合に 蕎麦とそば(近く)を掛け合わせた江戸っ子の洒落っ気から生まれました。
向こう三軒両隣なんて言葉がありますが、まさしく向こう三軒両隣に二八そばを配ったんですね。
今の時代、都市部にいくほど近所付き合いは無いに等しくなりましたが、昔の江戸の庶民は長屋なんかに住んでいたので、こうした慣習が出来上がっていったのでしょう。

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現代人のほとんどが引っ越しそばの意味を知らない

ところで、現代人は先述の通り、この慣習を知らなかったり、この言葉さえ知らない人もいるのだとか。
言葉だけは知っていても、その意味を正しく理解している人は全体の4分の1ほどで、大半の人は「引っ越し先でみんなでそばを食べる」といったイメージで捉えているようです。

まぁ、たしかに引っ越し先で挨拶もせぬうちにご近所にそばを振舞ったりしたら、今どきは変人呼ばわりされかねませんよね。
というわけで、現代はタオルやお菓子などを持って挨拶にいくわけです。

間違った解釈も理に適っている!?

ところで、引っ越しそばの間違った解釈である「引っ越し先でみんなでそばを食べる」ですが、実は本来の意味よりも理に適っていると思いませんか?

引っ越し先ではまだ食器も段ボールに入ったままだったり、タイミング次第ではガスや電気の開通がまだだったりします。
でもお腹は減りますから、みんなで出前のおそばでも食べようよ、みたいな。
まぁ、引っ越し屋さんが全部やってくれるなら別ですが、知り合いや友達に手伝ってもらった場合などは食事くらいごちそうするもので、そんな時におそばは実はうってつけだったりします。

そういった感覚から間違った解釈が生まれたのでしょうが、本来の意味よりも現代には即していますよね。
とはいえ、本来の意味は「引っ越し先で近隣の人にそばを振る舞う」なので、間違っていた人はこの際正しい意味を理解しておきましょう。

まとめ

2月~4月頃は新入学や新入社、転勤などで引っ越しが最も多い時期。
引っ越ししたら、おそばは振舞わなくても、ご近所への挨拶くらいはきちんとしたいものですね。

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