ランニングに適した時間とは?早朝ランニングは実は危険だった
昔に比べると、食生活や住環境は著しく向上し、医学の進歩も目覚ましいことから、平均寿命が延びています。
こうなると高齢化社会が進行するわけですが、高齢化といっても、いわゆるお年寄りの質(健康状態や若々しさ)も以前とは違って、高齢者といわれる年齢も上がっている気がします。
昔は65にもなれば、ジジイとかババア(品がなくてごめんなさい)でしたが、今の65はまだまだ全然若いですものね。
このように長生きが普通になってくると、いかに病気にならずに健康に過ごすかが重要な課題になってきます。
寝たきりや認知症では長生きする意味も半減するというか、なくなりますから。(認知症に関しては今日のテーマではないので機会があればいつかまた。)
ところで、健康への意識が高まった結果でしょうか、仕事帰りや休日にスポーツをする人が増えています。
手軽に通える街中のジムなんかは、お値段も昔よリーズナブルになったせいもあってか大盛況。
また、ランニングも幅広い層に人気で、皇居の周りなどでは専用のウエアをまとった人が渋滞しているほどです。
そんなわけで、今日着目するのはそのランニング。
体にいいと思い込み、間違ったランニングをする人も少なくないので、危険なランニングを回避して、正しく健康的なランニングを考えてみたいと思います。
目覚めた直後のランニングは危険がいっぱい
最近はランニングウエアもかなりファッショナブルで、選ぶのが楽しくなってきますよね。シューズも多彩でこれもまた一昔前とは大違いです。
その分、ウエアやシューズに以前よりお金がかかるようになりましたが、それでもまだまだ他のスポーツに比べると手軽に始められます。
また、体一つで一人でできることから老若男女問わず幅広い層に人気です。
走る時間帯も、朝起きて出勤前にひとっ走り、あるいは仕事から帰ってから夜の街をひとっ走りと、自分のライフスタイルに合わせて自由に選べます。
特に、早朝のランニングは、空気も澄んでいて爽やかな気分で走れることから、体にも心にも健康的で良さそう…!
と思いきや、実はこの早朝ランニング、健康に良いどころか、事実は全くの逆!目覚めた直後のランニングは危険がいっぱいだったんです。
起きたばかりの体は思うほど動かない
早朝ランニングがなぜ危険がいっぱいなのかというと、起きてすぐの体というのは、頭が思うほど、スタンバイできていないからです。
自律神経という言葉はよくご存じだと思いますが、自律神経は交感神経と副交感神経という二つの神経系でできています。
それぞれに特徴や役割がありますが、今日は自律神経がメインではないのでその辺は割愛しますね。
この二つの神経系は相反する働きをしますが、相反するといってもオンとオフの切り替えがあるわけではなく、電気のスイッチみたいに簡単には切り替わりません。
で、話を戻すと、さっきまで寝ていた体は副交感神経により「休息モード」でしたが、目が覚めて動き始めると、今度は交感神経が働く「緊張モード」へと移っていきます。
これの切り替えが瞬時に行われるわけではないところがポイントです。
目が覚めて、起きだし、着替えて、顔を洗い、新聞を読んだり、朝食を食べたり、歯を磨いたり、そうやっていくうちにやがて完全に切り替わり、体の動きも頭についていくようになります。
あっ、ちなみに今の動作の順番はどうだっていいですし、人によってはしない動作もあると思いますが、あくまで一例です。
このように、起きた直後は、頭は目覚めても、体がまだついていけないということを理解しておくのが大切です。
例えるなら、ひと昔前の車の暖機運転のような感じです。(現代の車は必要ないし、むしろ停車してのアイドリングは不必要な排気ガスを排出するので慎むべき)
寒冷地や寒冷地以外でも冬場の寒い時期など、エンジンをかけてすぐの車は、エンジンをはじめ、各部が温まっていないので、アイドリング状態でしばらく温めてから動かしたものです。
冷え切ったエンジンをいきなりアクセル全開にしても、思うように動かないどころか、車が傷んでしまいます(ました)。
ちょうどそれと似ていて、起きたばっかりの体でアクセル全開にしても体がついていかないだけでなく、不具合を起こしてしまうということです。
早朝のランニングは体にとって危険がいっぱい
人間の体が起きてから普通に動けるようになるには、先述の車の暖機運転よりもっと時間がかかります。
車なら数分で暖まり回転数も下がってアイドリングが安定すればもうスタンバイOKですが、人間の場合、頭は起きていても、体は案外いつまでも寝ています。
先述のような一連の動作のあとくらいにようやく体も目覚めますが、その間、交換神経系がまだ十分に機能していないので、身体機能としては非常に不安定な状態。
おまけに、人間は寝ている間におよそコップ1杯程度の汗をかくのですが、起きたばかりでまだ水分補給していない、もしくは補給はしても行き渡っていないと、血液の濃度が高い状態です。
もし仮に、そんな状態でランニングをすれば、血圧が上がり、心臓に大きな負担をかけることになります。
実際、午前中の時間帯は心筋梗塞や脳卒中などを起こす人が多いという統計があります。(もちろんこれはランニングよるものばかりではありません)
しかし、ここまでの内容を考えてみれば、そんなリスクが高まることも、なるほど理解できるのではないでしょうか。
また、起きてすぐの運動は、筋肉がまだ温まっていない上うまく動ける状態にありません。その結果、けがをしやすいことが分かっています。特に、気温の低い冬の早朝などはなおさらです。
さらに、起床直後は免疫力も低下していて細菌に感染しやすいということも付け加えておきましょう。
つまり、早朝のランニングは体にとって危険がいっぱいだということです。
まとめ
ここまで、早朝のランニングに否定的なことを記してきましたが、中にはやはりその時間帯しかランニングできない人もいるでしょう。
その場合、早朝ランニングが絶対にいけないとは言わないのですが、せめて、起きてから1時間ほど経ってから始めることをお勧めしたいです。
また、睡眠中に減ってしまった水分を補うため、走る前にコップ1杯~2杯の水は必ず飲むようにしてください。
最後に夜のランニングについても一言。
夜のランニングには、寝つきが良くなる、疲労回復になる、ストレス解消につながるといったメリットがあります。
このように書くと、なんだ、朝より夜のほうがいいことづくめじゃないか!と思いますよね。
ただ、ランニングにより体温が上げることで眠りが浅くなるといったデメリットもあるので、一概に夜のほうがいいとも言えない部分もあるんです。
とは言え、早朝ランニングほどのリスクはありませんが。
最後に、メリット・デメリットを比較するなら、ランニングは朝よりも夜の方がおすすめという結論にはなりそうです。
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