電話野郎とは?事前にLINEやメールせずに突然電話するのがNGな訳

公開日:  最終更新日:2017/09/07

電話野郎

「電話野郎」という言葉、どういう意味かご存知でしょうか?

事前にLINEやメールなどで通知することなく、突然電話をかけてくる人のことを、ある種、蔑んだ(さげすんだ)ニュアンスを込めて、「電話野郎」と呼んでいるそうです。

2017年5月に、この言葉がネット記事に投稿され、その後ワイドショーなどで紹介されたことで、一躍有名になりました。

ひょっとしたらあなたも、後輩たちから陰で「電話野郎」と呼ばれているかもしれません。

そこで今回は、電話野郎という言葉が生まれた背景と、あなたが周囲から電話野郎と呼ばれないための対処法について、ご紹介していきます。

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電話は非日常的な行為になっている

「電話野郎」という言葉を考える上で、あなたがまず知っておかなければならないこと、それは…

LINE全盛の現代では、「電話」という行為が、非日常的なものになっている、ということです。

「え、電話って非日常的なの?」と感じたあなたは、おそらく、1970年代以前に生まれた方です。

1980年代以降に生まれた世代にとって、「電話」はすでに日常的なツールではないんです。

まずはこのことを、頭に入れて置かなければなりません。

そんな非日常的なツールである電話を、「何の前触れもなく平然とかけてくる、厚かましい人」というような否定的なニュアンスを込めて、「電話野郎」と呼んでいるわけです。

LINEがメインの通信手段になった

2017年に行われた調査によると、20代のLINE普及率は、80パーセント近くにも上っているそうです。

また、30代から40代にかけても、約半数が通信のツールとしてLINEを利用しており、こうした層を中心に、電話をかけるという行為の頻度が、確実に低下してきているんです。

彼らにとって、電話は非日常的なツールです。そのため、電話をするときは必ず、

「これから電話してもいい?」
「本日午後何時ごろに電話します」

というようなことを、事前にLINEで伝えます。

こうした事前の儀式(?)を無視して、いきなり電話をかけてくる人はマナー違反と見なされ、「電話野郎」と呼ばれてしまうんです。

なぜ電話をしてはいけないの?

そもそも、いきなり電話をすることが、そんなにいけないことなのでしょうか。

納得がいきませんよね。

LINE派・電話否定派の若者の主張は、おおむね次のようなものです。

●用件をLINEやメールで先に言ってほしい
●相手が忙しい時だと、電話をかけることで相手の手を止めてしまう
●失礼、非常識
●そもそも電話番号を知らない

…などです。

電話を日常的に使っている世代からしてみたら、

「なぜ事前にいちいちこれから電話することを伝えなければいけないのか」
「なぜそんなつまらないことで、電話野郎などと呼ばれなければならないのか」

と、釈然としない思いになってしまいますよね。

電話の位置づけが変わった

これは、21世紀のわずか数年間の間に、電話という行為の位置づけが、ガラリと変わってしまった、ということを意味しています。

具体的に、どのように変わったのか、おおまかな流れを見てみましょう。

まず、百年前も千年前も、人と会話をする手段は…

「会って話す」

これが、基本です。
というか、大昔には、会って話す以外の手段はありませんでした。

電話が日常、会って話すのは非日常

その後、文字が生まれて手紙が生まれ、時代が下って現代となり、電話というものが生まれた時に、

「電話 > 会って話す」

という時代になりました。これはつまり、

「わざわざ会って話すほどでもない要件は、電話で済ませる。会って話すのは、よっぽどのこと」

という認識です。

この感覚は、1980年代以前に生まれた人は、共感できるはずです。

電話が日常的な手段となった時点で、「会って話す」という行為は、非日常的になりました。

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メールが日常、電話で話すのは非日常

その後、メールというものが生まれたとき、非日常さはどのように変わったかというと…

「メール>電話>会って話す」

となりました。

この時点ですでに、「メールが基本。電話は例外的。」という位置づけになっています。

しかし、電子メールが普及したとはいえ、社内メールは会社内でしか使えませんし、パソコンやブラウザを一旦開く、という一手間が必要になります。

また、携帯のショートメールも、かつては打つのに手間がかかっていましたから、「メールよりも電話の方が便利」という層も、相当数いたんです。

そのため、電話が廃れる、というようなことはありませんでした。

LINEの登場で人類の通信システムは大きく変わった

しかしその後、LINEという通信サービスが登場し、これまでのチャット機能やメール機能、通話機能などをすべて混合したシステムが一斉に普及したことで、

「LINE>メール>電話>会って話す」

という状態になりました。これが、現在の状態です。

そして、20代のLINE普及率が80パーセントを超えた2017年、「電話で話すことはよっぽどのこと」となってしまったわけです。

電話野郎という言葉はこうして生まれた

以上を一言でまとめると…

電話が普及して、人は会って話をしなくなったのと同じように、

LINEが普及して、人は電話をしなくなった… ということです。

「LINEやメールがあるのに、なぜなぜわざわざ電話するの?」
と、考える層が増えてきた経緯も、これでなんとなく分かりますよね。

これが、「電話野郎」などと言う蔑称(べっしょう)が生まれた、歴史的な背景です。

電話野郎と呼ばれないための2つの対処法

電話野郎と呼ばれないための対処方法としては、

●LINEやメールで先におおまかな用件を伝えておく
●電話する前に一言断りを入れる、または、電話をかける日時を伝えておく

この2点になります。

でも、普段から電話で話している仲であれば、特に意識する必要はありません。

しかし、相手が1980年代以前生まれの場合は、若干注意が必要です。

あなたが上記2点の儀式(?)を飛ばして、いきなり電話をかけてしまうと、電話野郎と呼ばれる恐れがある、ということです。

まとめ

いかがでしたか。

今回はまず、「電話野郎」という用語の意味を理解いただくために、通信システムの歴史的な変遷をご紹介しました。

●「会って話す」
●「電話>会って話す」
●「メール>電話>会って話す」
●「LINE>メール>電話>会って話す」←今ここ

このように大衆の通信システムが変わっていったとき、電話という行為の位置づけが、非日常的なものになった、ということなんです。

ひょっとしたらあなたも、後輩たちから「メールや電話で済む用事なのに、なぜわざわざ電話してくるの?」と、陰口を言われているかも?

そして、「電話野郎」などとという、あまりありがたくない通称で呼ばれているかもしれません。

しかしこれには、世代間の違いというものが大きく関わっていますから、現在まで電話だけで交流している友人に対しては、今まで通り、普通に電話をしても、全く問題ありません。

電話野郎と呼ばれることを、そこまで極端に恐れる必要はありませんが、相手によっては、

●LINEやメールで先におおまかな用件を伝えておく
●電話する前に一言断りを入れる、または、電話をかける日時を伝えておく

こうしたマナーが必要になる場合がある、ということを、覚えておくようにしましょう。

でも、だからといって、LINEが万能、というわけでもありません。人類の社会は、常に進歩を続けています。

この記事は、2017年に書かれたものですから、ひょっとしたら数年後には、LINEよりももっと便利な通信システムが現れて、「LINE野郎」なんていう言葉が、できているかもしれませんね。

【 追記 】
LINE世代が抱く「電話野郎」に対する4つの不満と、電話野郎と呼ばせないためのマナーをこちらの記事で追記しました。

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