夫が家に帰ってこない…帰宅恐怖症の男性の心理と対処法
「帰宅恐怖症」とは読んで字のごとく、自宅に帰ることを恐れるという症状です。
近年、仕事が終わった後も帰宅を拒み、用事もないのに外で時間をつぶすという男性が急増しています。
そうした症状を指して「帰宅恐怖症」と呼ぶわけですが、つまり家に帰りたくないということ。
今回は、男性が自宅に帰るのを恐れる、あるいは嫌がる「帰宅恐怖症」の心理と、その対処法についてご紹介します。
「家=プライベート」ではない
今回の「帰宅恐怖症」というテーマを考えるうえで最も重要なポイント、それは…
「男性にとって、自宅は必ずしもプライベートとは限らない」ということです。
「えっ、自分の家なのに、プライベートじゃないの?」と不思議に思うかもしれません。
これは「プライベート」に関する解釈が、感覚的に男性と女性では微妙に異なることに由来します。
もちろん、全ての男性がとは言いません。むしろそういう男性はマイノリティなのかもしれませんが、事実「帰宅恐怖症」は増えています。
ということは、決してマイノリティといって済ませられない現状なのです。
男女のプライベートの違い
女性にとって、自分の家は紛れもなくプライベートな空間です。
そして、夫や子供、親などを含めた家族全体も「プライベート」に含まれます。
女性は、脳の構造上、「家」というものを大切にしますから、家の「内と外」を立て分けようとします。
家の外は「公共の場」、家の中が「プライベート」、というのが女性にとっての一般的な考え方です。
しかし、男性はそうではありません。
男性にとってのプライベートな空間とは、「自分以外に誰もいない環境」です。
そのため、妻や子供とも完全に隔離された「自分だけの時間と空間」を求めようとします。
愛する人との時間はプライベート?
例えば、女性にとって「好きな男性と一緒に過ごす時間」は、紛れもなくプライベートです。
しかし、男性にとっては、愛する女性であっても「自分以外の人」ですから、必ずしもプライベートとは限りません。
男にとって、家族は他人
これは、冷たいとかよそよそしいとか、そういう次元の話とは異なります。
男の脳はそもそも排他的というか、自分以外の個体を「他人」だと考えるようにできています。
そのため、たとえ妻や子であっても、長い時間一緒にいると「気疲れ」を感じたりするのです。
自宅でも気を使わなければならない
そもそも男性というものは、家の外では絶えず他人に対して気を使っています。
そのため、気を使うタイプの男性であればあるほど「誰にも気を使わずに過ごす時間が欲しい」と考えるものです。
しかし、妻と意見の食い違いがあったり子供が反抗期だったりして「家庭の中に安らぎがない」と、夫は家にいても家族に気を使わなければならなくなり、ストレスが溜まる一方です。
こうなると、夫は「家の外」でも「家の中」でも気の休まる暇がないので、安らぎを得られる場所を他に求めようとします。
そうして帰宅せずに外をウロウロする…というわけです。
「夫が退社後も帰宅せずに、マンガ喫茶に寄ってから帰る」というのはよく聞く話です。
これは、特に漫画が読みたいわけではないんですね。ただ「自分一人だけの時間が欲しい」という心理なんです。
帰宅恐怖症の夫への対処法
夫の帰宅恐怖症への対処法はたった一つ。
それは、家の中でも「夫だけの時間と空間」を確保してあげることです。
男には一人の時間が必要
一番手っ取り早いのは、家の中で寝室以外の部屋を一つ、「夫用の個室」としてあてがいます。
部屋数が足りなければ、間仕切りで部屋の中に「夫用の空間」を確保してあげるのもよいでしょう。
「そんな余分なスペースはない」という環境なら、帰宅してから何時間かでよいので、妻も子も夫に話しかけないというルールを決めるだけでも効果が見込めます。
まとめ
帰宅恐怖症に陥る男性には、「プライベートな時間・空間」が必要です。
そして、家族との間でさえ「必ずしもプライベートではない」という心理状況を理解してあげる姿勢も大切。
そもそも男というのは、自ら進んで「一人でいる」ことを求める生き物です。
夫がストレスに悩んでいる時は、家族に世話を焼かれるよりも、むしろ「放っておかれた方が楽」と考えているケースも少なくありません。
そのため、
・夫が一人でいられる時間と空間を確保する
・妻や子供が話しかけない時間を設定する
という対処が効果的です。
このように聞くと、「そんなに家族と居るのが嫌なら、別れればいいんじゃないの?」と思うかもしれません。
しかし、男には「別れたいなんて思わないけど一人でいたい(ときもある)」という複雑な心理があります。
家族は男のこうした心理を理解し、必要でないときには一人にしてあげる、という配慮も大切だったりするのです。
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