多様化するお葬式とお墓。慣習にとらわれない自分らしい選択を

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お葬式,お墓

近年、お墓やお葬式に対する考え方が多様化しています。

日本の場合、仏教徒ではなくても、亡くなるとお坊さんが来てお葬式を営むことがほとんどで、お墓もやはり仏教関係。
特に好むと好まざるとにかかわらず、なんとなくそういう風潮がありました。

それが最近は、生前に自分の死に対して思いめぐらすケースが増え、同時にお墓やお葬式に対する考え方も多様化しています。

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多様化するお葬式

以前の葬儀はといえば、人をたくさん呼び、大掛かりなものでした。
それは特に故人の意思とは関係なく、慣習としてそういうものだったのでしょう。

それが近年は、家族のみで執り行う「家族葬」や、家族と近親者や近しい友人のみという小規模なお葬式が増えています。
あるいは特にセレモニーなどは行わず、火葬のみで済ませる「直葬」を選択する人も多くなりました。

その背景には、生前に自分の人生をどう締めくくるかを考える人が増えたということが挙げられるでしょう。
また、信仰する宗教がない、仏教徒ではないので戒名はいらない、お布施が高い、そういったことも影響しています。

その一方で、自分らしさを表現したお葬式を求める人も増えています。
本人にしてみれば亡くなった後のこととはいえ、最後の別れのセレモニーこそ自分らしさを、ということなのでしょう。
故人(自分)が好きだった色をイメージさせるお花で祭壇を埋め尽くすとか、個人が好きだった歌を流したり合唱したりする演出も珍しくなくなりました。

今どきはお葬式も相見積もりを

自分のお葬式をどうしたいか、それをあらかじめ考えて家族に自分の意思として伝えておくことは、残される家族への思いやりでもあります。

たとえば、先述の家族葬の場合、お香典は入りません。つまり、かかる費用は丸々遺族の負担になります。
また、オリジナルの演出をすればそれだけ費用は高騰します。
ただでさえ数十万、数百万かかるお葬式ですから、複数の葬儀社から事前に見積もりを取ってその内容を確認しておきたいものです。

そうです、今時はお葬式も相見積もりをとる時代です。

遺族は大切な人の死に直面して気も動転しているさなか、お葬式の段取りや手配に奔走するのですから大変です。
そこの追い打ちをかけるように、高額な葬儀費用の請求が起こったのでは心身ともに疲れ果ててしまうでしょう。

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出来ることなら元気なうちに、自分のお葬式をどうするか・どうしたいか、意思を家族に伝えておけるよう予め準備しておきたいものです。

様変わりするお墓の在り様

自分の最期を考えたとき、お葬式同様、お墓の問題にも直面します。

日本のお墓の特徴は、子孫の継承を前提としているところです。
「〇〇家先祖代々の墓」という文言が示す通り、長男がお墓を守るといった意識と、親族は皆そこに入るという感覚が強いのが日本のお墓です。

しかし、少子化や非婚化、あるいは核家族が増えたことから、お墓を継承する人がいないという現実に直面したり、またそういった感覚が時代にそぐわなくなっているのも事実でしょう。

仮に継承可能な子孫がいたとしても、負担をかけたくないと考える人も少なくなく、そもそもお墓の継承に懐疑的だったり興味がない人も増えています。
特に都市部でその傾向は顕著で、そういった考え方を持っている人は昔ながらのお墓に入ることを嫌います。

最近は、芝生や花で囲まれた公園墓地に、墓石の代わりに樹木を植える「樹木葬墓地」といった明るい雰囲気の新しい形態の墓地が人気を集めています。

樹木葬

また、一般的な墓地であっても、墓石は昔ながらの黒やグレーといった暗い色ではなく、白やピンクといった明るい色でしつらえ、墓石自体もデザインにこだわった作りが多く、彫る文言も「ありがとう」であるとか、「愛」や「感謝」など、様変わりしています。

さらに極端なケースだと、そもそもお墓には入らずに「散骨」を希望する人も少なからずいます。
散骨とは、文字通り骨を撒くのですが、故人が好きだった海や山に骨を撒いて故人を弔う方法です。
(基本的に法的問題はありませんが、自治体によっては禁じています)

このように、現代はお墓の在り様も実に多様化していて、慣習にとらわれない自分らしい選択ができる時代になりました。

まとめ

死は誰においても避けては通れない問題なので、できることなら元気なうちに自分の死と向き合い、お葬式やお墓をどうしたいのか、気分の気持ちを考える機会を持ちたいものです。
そうして自分の意思をエンディングノートなどに記しておけば、残された遺族が迷わずに済みます。
そうすることが、先に旅立つ者のせめてものやさしさと思いやりというものです。

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